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  • 販売開始日: 2014/08/01
  • 出版社: 朝日新聞出版
  • ISBN:978-4-02-273240-8
一般書

検索バカ

著者 藤原智美

場の空気を読んで、それに自分を合わせる。さらにウェブ検索で、マジョリティの空気を読む……。この10年、情報社会の進展で確かに便利にはなったが、「自分で考える力」が、急速に...

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検索バカ

税込 814 7pt

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商品説明

場の空気を読んで、それに自分を合わせる。さらにウェブ検索で、マジョリティの空気を読む……。この10年、情報社会の進展で確かに便利にはなったが、「自分で考える力」が、急速に失われている。「思考」が「検索」に、「言葉」が「情報」に劣化していく今、私たちは「考える力」を再生できるのか。『暴走老人!』の著者がたどり着いた現代社会の問題の本質。一個人として世の中を生き抜く思索力とは何かを考察する。

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みんなのレビュー33件

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評価内訳

「情報バカ」になってはまずい、とは思います。

2009/01/15 13:33

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 興味深い話題と指摘の多い本であったと思います。
 ネット検索によって把握される「大多数の意向」ばかりに意識を向け、日常でも周囲の空気(他人の顔色)を読んで合わせることだけに終始していれば、次第に自己表出の機会が抑圧され、いつのまにか思考の自由まで失っていくということは、たしかにあり得るでしょう。ネット検索だけで「仕上げた」、考察抜きのレポートを提出する大学生の話は、実際にそれを採点しながら激怒している人から、常日頃よく聞かされています。
 さらに、「空気」がいつのまにかモラルに成り上がり、包み込まれている人々の思考を封じる形で君臨するようになれば、場合によっては非人道的で危険な状況にもなりかねないというのも、分かるように思います。

 ただ、憂慮すべき状況の例として著者が紹介しているエピソードのいくつかは、必ずしも納得のいくものではありませんでした。

 たとえば、「家族」がリアルさを失ったキャラを演じることで維持されているという話題のところでは、ディズニーランドのエレクトリカルパレードを鑑賞中に、著者が目撃したという、奇妙な父親の話が出てきます。

---------------------------------------
 バロック風の音楽が聞こえてきました。パレードの先頭が見えてくると、私の前に陣取っていた家族連れが歓声をあげました。
 目の前にミッキーマウスがやってきたとき、三〇代とおぼしきその父親は、いっしょに踊り出したのです。初めてでないことは、その動きがみごとに振りつけられていたことからも分かりました。父親と三歳くらいの子供、母親、その三人は同時に踊っているのですが、顔を合わせることはありません。家族の視線はキャラクターたちの乗ったワゴンに吸い付けられています。なかでも熱心に踊っているのが父親でした。
 りっぱな大人がうっとりした表情で、ミッキーマウスを見つめて踊っている姿に、私はショックを受けました。そういう時代になったのか、という驚きです。それまで漠然と思い描いていた私の父親像が、カビの生えた骨董品のように見えました。 (p62)
---------------------------------------

 最近の東京ディズニーランドの情勢について詳しくないのですが、このような「踊る父親」が多数出現しているという話は、ついぞ聞いたことがありません。著者が目撃した「父親」が稀有な事例であったのか、それとも、こうした現象は当たり前になってしまって、わざわざ話題にするまでもなくなっているのか。ぜひとも「正確な情報」を知りたいところですが、少なくとも自分の周囲を見回した限りでは、ネズミのかぶりものに萌えながら、家族には目もくれずに恍惚とダンスするタイプの「父親」というのは、見かけないように思うのです。

 また「失われていく『対話』と『議論』」という章では、近隣の人間関係の希薄化の例として、お店などでのマニュアル対応を取り上げていますが、そういう場所で、あっという間にお店の人との対話の場に取り込まれ、人間関係が出来てしまう経験をしょっちゅうしている者としては、少なからぬ違和感がありました。書店に行けばレジの人に本の内容について話しかけられ、コンビニに通えばいつのまにか家族構成まで覚えられているという私のほうが、現代では特異な状況であるのでしょうか。でも周囲を見ると、それほど珍しくもないようなのです。ちなみに居住地は「都会」です。

 「空気読め」という圧力については、行きすぎればたしかに個を抑圧して息苦しいものでしょうが、互いの呼吸を読みあいながら、生産的な場を作り上げ、維持していくという場合もあると思うのです。俳諧連歌などの事例が即座に連想されるのですが、もっと身近な、たとえはネットの掲示板や、PTAなどの集まりでも、お互いの意見を引き出し合うようなやりとりというものも存在するわけで、そういう場合にも「空気を読む」という精神活動が働くことによって、場が適切に維持されていると思うのです。ただしこの場合は「空気を読む=相手の気持ちや立場をよく洞察し、言葉を導き出すための適切な手だてを考える」ということになるのでしょう。それに、その場の「空気」に含まれる圧力がどうしてもイヤで、しかも「空気」のない孤独な場に赴くのもつらいとなれば、自分で好ましい「空気」を作るスキルを求めてみるという方法もありそうです。

 というわけで、著者がこの本で切り取って見せてくれたものよりは、現実はもう少し多様であろうというのが感想でありましたが、考えてみればそんなことは当然なのであって、切り口そのものは、ツッコミどころが多数あったことも含めて、とても面白かったと思います。



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本当にネットを上手に利用している人は、絶対に検索バカにはなりません。藤原は煽るだけ煽っていますが、その手に載るのはマスコミバカだけ?

2009/12/10 21:36

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルに惹かれて手にした一冊です。好きではない出版社から出たものですし、著者も名前こそどこかで見たような印象はあるものの、この人の作品を読んだ記憶は全くありません。そういうマイナス要素はあるものの、我が身を省みて『検索バカ』は言えてるよな、我が家に棲みつくもう一匹の『検索バカ』にも読ませようかと思った次第。

で、帯の言葉は 
         *
『暴走老人』の著者がたどり着いた、
       現代社会の問題の本質
考える前に「検索」、
   自分の意見より「空気を読む」・・・・・・
情報通は
  バカになる
         *
とまあ、他人と違うこと、時流に棹差すことをいえば売れる、という鉄則を忠実に守った内容のようです。む、もしかしてこれって、膨大な情報をネットで「検索」し、それら全体からおおきな流れ「空気を読む」ことで、「情報通」ぶってた私や現代人を「バカ」にしてる? なんだか私が読みたい内容とビミョーに路線が違うような・・・

おまけに、カバー折り返しをみると
         *
思考が検索に、言葉が情報に
劣化していく今、
私たちは「考える力」を再生できるか。
さらに「空気を読め」という同調圧力が、
自立した思考を奪っている。
一個人として、世の中を生き抜く思索力とは?
         *
とまあ、帯と同工異曲の文。で、早速、内容拝見。まず、「検索」ですが、ネットでの検索と、図書館で本を「検索」すること、あるいは自分の頭の中を「検索」することを比較せず、「検索」=ネット検索=思考停止、みたいな短絡があるんですが、これって、まさに暴走老人の思考です。

確かに、ネットでの検索は虚実交えた膨大な量の情報をあたるわけですから、そこで抽出された情報の価値について保証がありません。ですから、私たちは当然のごとくさらにチェックして、その上で思索を開始します。藤原は、そこで思考が伴わない単なるコピペが、思考と称して外に流れ出ることを批判していますが、それは文学の盗作として以前からあることで、対した問題ではありません。ネット検索の問題点は、あくまで玉石混交の情報の質にあるのです。

ネット情報を鵜呑みにして、ダブルチェックをかけずに文句を言ってくる人間の愚かさを藤原は盛んにいいますが、新聞情報を鵜呑みにして戦争に突っ走った過去の人間とどれだけ差がありますか。文字情報であれば正しい、という認識こそ暴走老人のものでしょう。むしろ書籍検索の問題は、情報の選択が偶然、若しくは意図という名の恣意に左右されることでしょう。

自己の記憶の検索ともなれば、さらに情報の幅は狭くなります。記憶の曖昧性も加味すれば、そこで抽出される情報の質というものは、さらに低いものになります。結局、何を検索するにせよ、思考の基となる情報の質については、数次にわたるチェックによってしか保証できないのです。で、情報と思考が別物であることは、誰もが承知していることですし、承知せずに語っている人間は今も昔も変わりません。違いがあるとすれば、その発言が流れることについてのハードルが限りなく低くなっていること、それだけです。

次に気になるのは、「空気を読め」です。自分の子供に向かって「クウキを読めよ」と叱る大人の例が書いてありますが、リアリティがない、っていうかあまりに特殊な例をあげると論自体の真意が疑われるのではないでしょうか。それと「クウキを読む」=「同調する」と短絡しているようですが、私などは「クウキを読む」は「状況を正確に把握し、その上で自分の考えを主張する」ことに使うようにしていますし、人にもそれを求めています。

問題なのは「同調」ではなくて「正確な現状把握」にあるのであって、あえて「クウキを読む」という言葉を使うことはありません。藤原はここでも「検索」と同じ過ちを犯しています。私たちが会議の席で「空気を読め」と言っているのは「同調しろ」ではなく、「周囲の状況を正確に把握」したうえで行動なり発言をしなさい、といっているだけなのです。

それは思考のまえに大量の情報を「検索」したうえで、ダブル、トリプルのチェックをかけた上で取捨選択し、その上で「考えろ」と言っていることと同じです。どうも藤原は現代人を痴愚魯鈍扱いしたいようですが、痴愚魯鈍は昔も今も変わることなく存在しますし、未来においても変わることはありません。

むしろ、藤原は心にもないことを、あえて挑発的にいっているだけでしょう。しかも、それはかつて多くの老人が呟いた繰り言の繰り返しを一歩も出ることはありません。タイトルに惹かれてこの本を手にする人は、まさに出版社のあざとい手口にのったようなものです。おなじお金を払うなら、私は講談社BOXの東浩紀評論集を読むことを勧めます。読み比べて、彼我の違いに愕然とするはずです。そう、ダブルチェックは絶対に必要です。

以下は目次とデータ。

はじめに

1章 検索バカは、何を失くしたか:突然届いた怒りのメール/ネットが作り出した効率とムダ/検索は思考から嗜好まで、貪欲に代替していく ほか

2章 クウキに支配される日常:私たちに「思考の自由」はあるか/「クウキを読め」としつけられる子供/気配からクウキへ ほか

3章 「やさしさ」と「暴走」の時代:クラゲに刺される感覚/バラエティ番組から流れ込んできた「クウキ」/キャラをうまく演じられない人は・・・・・・ ほか

4章 不安定な「場」としての家庭、教室:「親に嫌な思いをさせたくない」から殺す/クウキが支配する家/なぜ、家族間殺人が続発するのか ほか

5章 「予定調和」はいつ誕生したか:中津川フォークジャンボリー・舞台占拠事件/空中分解という結末/高校生からヤクザまで ほか

6章 同調圧力が独自の「思考」と「行動」を奪う:恫喝に屈したあの日のこと/なぜ私は、あのとき抗議できなかったのか?/強まる同調圧力 ほか

7章 世間から露骨へ:給食費を払えるのに払わない、露骨な人/盗まれ、切りとられる図書館の本/大人のモラルの問題を、子供の教育の問題にすり替える ほか

8章 失われゆく「対話」と「議論」:スーパーマーケットのかごが小さかった時代/なぜ、無愛想な接客が多かったのか?/出会いがデジタル化する ほか

9章 身体性なき言葉は、貧弱になる:不意打ちで突き刺さってくる言葉/情報化の本質は、時間を超越すること/「コミュニケーション能力」の内実 ほか

10章 沈黙の力:渋谷駅前での喧嘩/浅はかなのはだれか/世間と社会の概念的違い ほか

終章 生きることは考えること:検索でクウキを読む日常/「小一プロブレム」が増えてきたわけ/「休む」ということを勘違いしている ほか

    おわりに

カバーデザイン アンスガー・フォルマー 田嶋佳子

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「クウキを読む」のはほんとうに問題なのか?!

2008/11/10 22:06

7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルにだまされて買ってしまったが,検索の話はほとんど書いてない.「クウキを読む」ことへの批判が大半のページを占めている.著者によれば,ひとがいうことに疑問をはさんだり批判したりすることが「空気がよめない」とみなされて対話が封じこめられる.それに対して,かつての日本では季節のことばのあいさつから一見無駄にみえる会話がかさねられてきた.

私には「クウキを読む」ことが現代日本固有の問題なのではなくて,会話の技術がおとろえた,ないし個人主義がひろまるなかでもっと欧米的な話術への変化の途上にあるだけであるようにおもえるのだが,この本はそういうことをかんがえるきっかけとしてはよいだろう.

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2008/10/21 21:21

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2008/12/23 22:04

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