紙の本
わかりやすかった
2024/03/29 12:27
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
肥薩の道は非常に興味深く読めました。なかでも、江戸幕府の後に天下を取った薩摩の特異性が面白かったです。
紙の本
みちのく
2020/08/04 05:30
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
陸奥のみち、肥薩のみち、河内のみち。三か所の道を尋ね歩き、ゆかりの人物などを著者ならではの視点で浮き彫りにする。
電子書籍
薩摩は独立国家だったって
2023/06/30 03:18
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の手掛けた「街道物」の第三作です。
肥薩を巡る旅での経験を踏まえて綴られた
文章から感じられる熱量がかなり高いのは、
自身の小説でも扱った地域だからでしょう。
紙の本
そうか薩摩は独立国家だったのか
2022/05/19 02:35
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の「街道物」の第三分冊です。
「肥薩のみち」の文章から感じられる熱量が
かなり高いのは、自身の小説作品でも扱った
地域だからでしょう。
紙の本
興味深く読めた
2021/04/27 15:16
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投稿者:井沢ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
陸奥の道、肥薩の道、河内みちの三部構成。陸奥の道は南部藩の先祖は甲州の可能性が高いこと、また、津軽藩との確執、八戸藩と南部藩とのお家騒動、搾取され続けた農民とそれをうまく利用した商人と藩との関係、そしてその環境で輩出した共産主義者の安藤昌益のことなどが描かれている。肥薩の道は、肥後と薩摩の歴史や地形、文化的なことなども含めて触れているが、主に戦国時代から明治時代までのことが描かれている。特に薩摩は『翔ぶが如く』に書かれていることが土台になっているような気がした。河内みちは、著者の自宅界隈の歴史で気さくに書いているように感じた。真言宗の『律』の行を指導する高貴寺、また同じ宗派で西行の墓がある弘川寺、楠木正成が学んだとみられる観心寺、河内源氏の根拠地だった村の『大ヶ塚(だいがつか)』などを取り上げている。よくここまで詳しく調べあげたことにただ感心するしかない。少し興味が持てたところは歴訪してみたい。
紙の本
思い出したり、発見したり
2015/08/31 22:32
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投稿者:3&4 - この投稿者のレビュー一覧を見る
十何年か前に数年間住んでいた街、地方の巻。その頃よりも更に二十数年も前に書かれた陸奥のみち。
あの神社で記念の〇〇参りしたこと、住んでいた当時においても既に本作品から変わってしまったこと など、思い出したり新しい発見があったり。歴史を掘り起こしながら、登場する方々の人柄、土地柄、風情を気分で味わいながら、街道を作者と共に誌上歩きした。
全く知らない土地よりも、多少でも縁があり、繋がりのある街道の方が、読み応え、共感し応えがあり、楽しさが倍加します。
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鹿児島・熊本旅行の事前準備としてこの本を読んだ。相変わらず観光ガイドに載っていない地名ばかりであった。地元の友人にお願いして島津氏の難攻不落といわれた竜ヶ城に連れて行ってもらった。案の定、「そげいな場所はどこにあるでごわすか?」(※標準語でした)。城跡に入る所に看板表示はなく彷徨い、不安になりながら細い一本道を山奥へと駆け上がって行った。着いた先は桜が満開で蒲生町が一望できる絶景ポイントだった。いまや地元住民にしか知らない穴場なのだろう。いい場所なのに古いものが忘れられていっているんだなとつくづく思った。
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この人の著作は、小説よりもこういう作品のほうこそ味があって面白い。
私にとっては紀行文にハマるようになったきっかけでもある。
本書は同シリーズ三作目。単体としても面白いのだけど、先に一巻・二巻を読んでおいた方がより楽しめるかとも思う。というのも、『街道をゆく』シリーズの原点は一番最初「湖西のみち」での"日本人はどこから来たのだろう?"という問いにあるから。
「湖西のみち」や「韓のみち」で、現代日本人に繋がるひとつの流れである半島からの古代渡来人についての考察が様々に述べられていたのに対して、本書は明らかにそれらとは異質な民俗的要素を持っていた人々が居たと思われる、南九州や奥州についての考察の旅。
とくに、言語学的な観点から鹿児島弁の中に非日本語的な子音単独使用の要素を見出だしている「肥薩のみち」は興味深い。
また、南方の島々等で見られるいくつかの特徴的な風習が、大陸には存在せず、日本にはあるのだとか。
中央の大和人達とは別種のルーツを持っていたと推測される南方系の系譜を引く人々が、古代のどこかの時点で鹿児島に拠点を置き、次第に日本列島内に散らばっていったのだろうということが想像される。
鎌倉時代から明治西南戦争の時期まで一貫して、中央の人々の恐怖の対象であったという特異な島津武士団の形成も、そんな南方人的な要素が基礎になっていたのかもしれない。
700年の伝統を持つ鹿児島士族団の凄まじさを良くも悪くも象徴する西南戦争の田原坂戦を、地元のお年寄りの体験談も交えつつ想起する描写も面白い。
田原坂戦跡では弾丸と弾丸が空中で衝突したものが多数見つかるのだとか。局地戦としての密度の濃さを示す、世界的にも類を見ないその事実から、本書では読み手の想像を鹿児島士族の人間風景へと結びつけていく。
「肥薩のみち」で考察される南方系の人々も含めたいくつものルーツの人々が、血も風俗も言語も様々に混ざり合いながら、多少の地域性を備えつつ紆余曲折を経て出来上がったのが今の日本人なんだろうか。そんなことを思う。
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本書で紹介されている熊本、鹿児島の魅力と歴史は知らなかったものばかり。
少し前に3年ほど九州で過ごしたのに、全く行く機会がなかったことが悔やまれます。
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街道をゆくシリーズ、初めて国内のものを読んだ。なぜもっと早くに読んでいなかったのかと後悔。
世界史しか勉強しなかった身としては、初めて知ることがたくさんあった。
あと、日本が単一民族国家であるという神話は罪づくりだなあと思う。色々な人たちがつくりあげたこんなにも多様で豊かな文化を持っている島なのに。
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壮大な歴史旅行記だと思うが、この作者のレベルだとちょっとした観光旅行に感じられてしまうところがすごい。途轍もない知識量をもっているからだろう。でも、物語の方がやっぱりワクワクする。
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肥薩のみちだけ読んだ。これまで沖縄や本郷界隈のしか読んだことがなかったけど、肥薩のみちともなると司馬遼太郎本領発揮といったところで、幕末から明治維新にかけての歴史的考察を合い交えながらの旅行記で他の街道をゆくシリーズとは一線を画している。
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「街道をゆく3 陸奥のみち・肥薩のみちほか」司馬遼太郎。初出は1972年。朝日文庫。
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こちらの年齢のこともあるでしょうが、小学生から舐めるように読んできた司馬遼太郎さんの中で、ずっと読んでこなかった「街道をゆく」。その魅力を発見したのが40代の読書最大の快楽と言ってもいいくらいですが、これも面白かった。
1972年ですから、なんと50年前の日本国内の旅行記ですから、もはや描写自体が貴重な民俗学的資料と言えるほど。
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とは言ってもこのシリーズは旅行記というよりも、論考的エッセイです。実は「街道をゆく」をいちばん正統に?受け継いでいるのは「ブラタモリ」なんだろうなあと思いますがそれは閑話休題。
この本のいちばんは「陸奥のみち」。当方があまり東北地方と縁遠かったこともあり、全編を通す司馬さんの考察、「弥生時代からの日本全体の稲作至上主義が、地理的に気候的に東北の一部には不利だった。でもそのイズムの序列におかれてしまったので、いくつかの悲劇と現在(と言っても1972年)まで至る一種の後進性がある」という内容に恥ずかしながら目が鱗。もちろんそれが全てを説明できるものではないでしょうが。
青森、八戸、津軽、盛岡、といった地名が、初めて立体的に腑に落ちて迫ってくる感じで、非常にワクワクしました。
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ちょっと皮肉めいているのは、カップリングが「肥薩のみち」。これはつまり稲作至上主義でいうと、圧倒的な勝ち組なわけです。むしろここからそのイズムが北上していったと言っても過言ではない。そして強者だったが故のオリジナリティを日本史の中で保ってきた面白さ。
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「陸奥のみち」のみ読了。日本の稲作信仰の強さ、津軽と南部の関係、都道府県は決して平等ではないんだな、など。面白かった。
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本書の中では「肥薩のみち」と「河内みち」がよかった。単純に自分とあまり縁がない所なので面白く読めました。
米を通して日本のあり様を深く思索しているのだが、はるか古代から球磨川流域は水との戦いがあったことを知りちょっと驚いた。数年前の大水害は、現在でもなおその戦いが続いているのを物語っている。もしかしたら、もっと激しい戦いになっているかもしれない。
それにしても、西南の役を昨日のことの様に語る古老が50年前にはまだいたし、街中に鍛冶屋さんがあったんですね。これにも驚き。
「河内のみち」は司馬さんの地元らしく、筆致も何となく柔らかく、散歩感覚で楽しく読めました。