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電子書籍
暁の密使(小学館文庫)
著者 著:北森鴻
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。“不惜身命”仏道のために一命を賭し...
暁の密使(小学館文庫)
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暁の密使 (小学館文庫)
商品説明
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
“不惜身命”仏道のために一命を賭して西蔵(チベット)の聖地・拉薩(ラッサ)を目指した仏教者がいた。その名は能海寛。時は明治、近代国家形成に向け必死に背伸びする日本を取り巻く情勢は、その苛烈さを増していた。アジアにあって地勢の要衝であるチベットを制するために欧米列強の触手が伸びる。世にグレートゲームといわれる覇権競争である。仏教再興のためチベット潜入という壮挙を図りながらも、思いなかばで行方を断った能海の足跡を辿りながら、歴史のifに挑む著者会心の歴史ミステリー巨編、待望の電子化。
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紙の本
チベットを目指した仏教者の純粋
2008/10/30 20:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代、チベットを目指した仏教者、能海寛の足跡をたどる歴史ミステリー。
能海寛は実在の人物だが、実際彼になにがあったのかは、わからない部分が多い。それを、同じようにチベットを目指していた日本人や、西欧列強、そして西欧に踏みにじられた中国人たちの姿を通して、描いている。
能海自身は、生真面目で面白みに欠ける。そこを他の登場人物が、独特のケレンミで補っていく。
まるで、曼荼羅のようだ。
中央で、仏は何事にも動じないアルカイックな笑みを浮かべている。その回りを様々なものが、それぞれの思惑や、使命のために、浮き沈みしている。
読んでいる途中、ある意味没個性な主人公でよくここまで話をもっていけるな、と思っていたのだが、今わかった。
これは、能海を中心とした曼荼羅なのだ。だから、ただただ、能海は仏のために足を進めればいいのだ。
けれど、この歩みは狂信なのだろうか、それともあまりにも純化された信仰なのだろうか。
ともあれ、これは読み人によって様々な読み方ができる1冊であることは確かだ。
チベットの山々を越える山岳小説であるともいえるし、西欧列強に対するスパイ小説でもあり、復讐譚でもある。
そして、北村鴻の引き出しは無限であるらしい。