読割 50
電子書籍
さくら荘のペットな彼女5
著者 著者:鴨志田 一 , イラスト:溝口 ケージ
それぞれの想いを胸にクリスマスを終えたさくら荘は、冬休みに突入する。そしてなぜだか俺は、ましろ、七海、美咲先輩を連れて、福岡の実家に帰省していた── って、いったいなんだ...
さくら荘のペットな彼女5
さくら荘のペットな彼女 5 (電撃文庫)
商品説明
それぞれの想いを胸にクリスマスを終えたさくら荘は、冬休みに突入する。そしてなぜだか俺は、ましろ、七海、美咲先輩を連れて、福岡の実家に帰省していた── って、いったいなんだよこの状況!? しかも妹の優子がましろに謎の対抗心を燃やし始めたかと思えば、ましろもそれに参戦するし……。そして休み明けには、俺のゲーム企画のプレゼンに、仁さんの大学受験、七海の声優事務所所属オーディションが待ち受けている。クリスマスからこじれたままの美咲先輩と仁さんの仲も気になるし、ましろはバレンタインのことを気にしている様子。俺の3学期はやっぱり息つく暇もなさそうで……。変態と天才と凡人が織りなす青春学園ラブコメ第5弾!
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紙の本
才能と努力と平凡と
2011/07/15 18:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらず内容の濃い作品である。前巻で見せた上井草先輩の切羽詰まった引きが気になるところだが、この顛末は本巻を通してその後の葛藤が描かれながら一応の終息を迎えている。すれ違う心は仁もまた同じであり、それを埋めるには面と向かって解決するしかなく、最終的に『雨降って地固まる』一歩手前な感じの2人には今後に幸あらんことを祈るばかりである。
そして本筋はましろを連れた空太の帰省となる。2人だけで仲良く里帰りなどという、(げんなりする空太は脇に置いて)嬉し恥ずかし展開にすんなりなるハズもなく、いろいろと“お付きの方々”を引き連れた帰参となっており、さらには迎える側にも“恋敵”がいる面白展開が実情である。挿絵付きで登場した空太の妹【優子】の激烈な兄ラヴっぷりは以前から披露されているが、今回はこれにましろと七海が加わる空太争奪トライアングルの様相を呈している。常に若干空回りしている優子の劣勢リアクションが面白いのだが、元より本線に直接絡んでくるキャラでもないので、今回はお披露目の意味合いが強かったかもしれない。相応に受験勉強の苦労を忍ばせつつ兄を追ってスイコーを受験するのだが結果は如何に……である。空太の父母もいい味を出しており、さくら荘に負けず劣らず賑やかな神田家の年末年始となっている。
年明け以降はバレンタインから先輩達の卒業間近まで一気に進む。バレンタインを単なる甘いイベントに留めず、平凡と特別の狭間を盛り込む辺りは本シリーズらしい。特に、憧れの目標である特別なましろにも「フツーの女の子」への憧れが芽生え始めた事を盛り込んで、これを空太への無自覚な想いに繋げている。ただ、この「フツーへの憧れ」は前巻でも取り上げたテーマであり、つまりはましろの中で完全に払拭されていない部分を引き摺っていると見ることもできる。まぁ、今回は仲良くしてるように見える空太と七海、あるいは優子に割って入ろうというやり取りが多かった面もあるが、これによりましろが今後どういった変化を見せるのかは楽しみでもある。しかし、リタの登場は面白かったがさすがに少し強引だったかな?
上井草先輩の、時に重くて身に詰まされる過去を綴りながらも一定の方向へ向かい始めたさくら荘に新たなピンチが到来したかの引きが最後に効いているが、これが本当にピンチなのか単なる移動なのかは次巻のお楽しみである。