紙の本
根拠ある物語
2015/11/22 20:01
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投稿者:睦月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的に冷めているコクランとうるさい悪魔のレクスとの対比が目立っておりテンポよく読み進められた。また、どのキャラクターも個性的で覚えやすい。
しかし、この物語は軽いものではなく、だんだんと明かされるコクランの性格や過去がよかった。
冷酷にさえ思われるコクランを見ていると悪魔が人間らしく見えるのが面白い。
性格にも成り立ちがあることや、わざと読者を騙すようにも書かれていたりとずいぶん楽しめる要素が多い。
しかし、最後はハッピーエンドではなくバッドエンドでもよかった気もする。
すべて根拠ある設定になっている点がとてもよかった。
紙の本
王女コクランと願いの悪魔1
2019/03/13 21:11
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投稿者:アナグマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「この国が私を嫌って、蔑んでも、そんなの関係ないわ。私はね、『何かされたから』とか『なにかをくれたから』とかで、誰かを好きになったり、嫌いになったりはしたくないの。・・・・・・だって、そんなことと、私の気持ちは関係ないものだもの」
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主人公と悪魔のやり取りが秀逸な冒頭から物語が段々とシリアスへ移行していくのはやはり上手い。
こうあるべきだという鎖に絡んでいる人が多いなぁと読みながら思っていた。物語は大団円なのだろうが、この後、二人はどんな道を選ぶのだろうと余計なことを考えてしまった……。
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王女コクランの前に現れたのは願い事をかなえてくれるランプの悪魔。だが王女は願う事はないと悪魔を追い返そうとするが、悪魔はそんな王女に興味を持ち、一緒に過ごしていく。
もう表紙買いは辞めようと何度も思ってるのに、表紙買いをしてしまう。
物語の中盤?ぐらいまではレクスがコクランに言い包められるやり取りが続き、結構飽きてしまう。
だが話の後編になるにつれて読み応えが出てきて、手が止められなくなった。
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主人公の立ち位置に救いがなさ過ぎて泣けました。
ハッピーエンドに見えるけど、周りは変わっていないので、また同じことはあり得るのだと思うと、ホントに不憫。
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10/7読了。ご奉仕モノに弱い為、設定だけで萌。作者とはいい酒が飲めそう。更に物語クライマックスで涙腺崩壊した私は疲れているのかもしれない。いや、とてもいい本を読ませていただいた。
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継承順位第一位の王女、後宮、ランプの魔神。
綺羅綺羅しい舞台の上でコクランの孤独が際立って、「めでたしめでたし」と物語に幕がおろされるのが見たくて、ページをめくるのをやめられない。
叶わない願いを叶えてしまったコクランとレクスは「しあわせにくらしました」となったのか、気になるけれど、それはまた別のお話としているからこそ美しい場面のまま本を閉じられるのでしょう。
そうわかっていても、二人のそれからが知りたくなる。
賢くて意地っ張りで何も望まないコクランも、供物にされるまで主のために神に祈り続けたレクスも、個性豊かな宮姫たちも、登場人物の誰もがいとおしくて、彼らの物語も知りたい。
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なんだか久々の読書…まあよくある設定の話だなーと思いながらも、お互い絆されていくコクランとレクスに感情移入してしまった。
奇跡が起こってよかったねと思ったり、これだいぶ詰んでるけどどうするんだよとつい考えざるをえなかったり。
もし続きがあったら、母親とは違い愛する人と駆け落ちして幸せに…なれるんですかね?
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前半の王女とランプの魔神の距離が近づいていくような話かなと思わせておいてからの、後半の怒涛の展開にびっくり。
王女の態度にすっかり騙されていた。
なにもかも割り切って諦めて生きてきた王女の最後の血を吐くような願いに心を揺さぶられずにはいられない。
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大国の皇女殿下で、王位継承権第一位の美しい黒髪を持った少女コクランはいつものように図書室で時間を過ごしていた。そんなコクランの前に自称ランプの魔神を名乗る赤眼の悪魔が現れる。悪魔はコクランに「願いを言え、どんな願いも叶えてやろう」と告げる。しかし皇女殿下で、財産も地位も持つコクランは悪魔に対して「望みはない」と告げる。これに驚いた悪魔は何としても彼女の願いを聞き出し、それを叶えようと、彼女のもとで過ごすことを決意する。こうして皇女と悪魔の生活が始まる。
そこで悪魔は目撃する、コクランを取り囲む環境の異常さに、そしてそれに対してなにも感じず、多くの傷を抱えた一人の少女の姿を。
果たして悪魔はコクランの望みを叶えることができるのか、そして彼女の望みとは一体何なのか。
これは皇女と悪魔が織り成す愛と悲しみの物語。
私はこの作品を表紙を見て衝動的に買ったが、久々に当たりを引いたと感じる。普通は何でも願いが叶うと言われたら、欲望のままに自分の望みを言ってしまうと思うが、コクランはそれをしなかったので興味をそそった。またコクランが抱える闇の深さが露わになってくると何度も読むのを躊躇ってしまう場面が多々あった。しかしそれでも読み進めずにはいられない魅力があった。
コクランが望んだ願いを読んだときは彼女の運命に同情した。しかし最後の展開はそれまでの流れを汲んだひとまずのハッピーエンドだったので良かったなと感じる。
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王女が悪魔に願った最後の願いは?読み進めていくうちに彼女を取り巻く世界の残酷さを目の当たりにすることになる。それでも世界を、そして人を愛した王女。王女を通して人の本質を知り、絶望し、そして愛を願ったランプの悪魔。後半からの怒涛の展開に引き込まれ、グイグイ読んでしまった。泣けた。2巻が出てるけど、1巻で綺麗に終わってるから続きを読もうか迷う。
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こういう話が読みたかった…。ラストは涙腺決壊して、心地よい胸の痛みが味わえました。
ギリギリまで泣かせておいて、それでもハッピーエンド、とても素晴らしい。
泣きたい時は何度でも読み返そう。読後にそんなこと思いました。
続きがあるのも素敵です。この先の困難は、さらに引き込まれる物語の予感がします。
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本屋に寄ったら目にとまって,気になってbooklogでレビュー確認してハズレではなさそうだ,という確認をしてから購入。どうも,図書館を利用する時間がなくなってから購入するようになりましたが,ハズレを引きたくないので購入に慎重になってる(笑)
(実は,目にとまったのは『Ⅱ』の方の帯の言葉が原因。)
最初の方は,なんともありそうな設定で久々のコテコテファンタジィ(しかも久々のラノベ)だと思いました。だが嫌いじゃない(笑)
結構,描写がきれいでうまく世界観を創ってる。
スピード感や爽快感とかはないけど,読みやすいし,レクスもコクランも好ましい主人公。どんどん読み進められました。
んで,肝心なのは『Ⅱ』まで手を出すかどうか。
「あとがき」で作者が書いていたように,もともと続き物ではないらしく,読者の声で『Ⅱ』ができた,と。
正直,まぁ本作で完結はしている。でも「あとがき」の最後の著者の一言がかわいかった!それだけで,なんとなく『Ⅱ』も買おうと思った。
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展開は読めるものの、わかりやすいハッピーエンドは子どもの頃に好んだ童話のようで悪くない。
あとたぶん、この表紙イラストが物語に説得力を持たせてる。
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とあるブログでの評判がとてもよかったので購入してみました。入江さんの作品は魔法の子と神さまのいない日曜日(アニメ)のあらすじをさらりと知っている程度です。
なんでも持っている大国の王女コクランとランプに閉じ込められた悪魔のお話…なのですが、なんというかとてもいろいろと切ない、お話です。
ホンモノであろうとした偽物たちが出会い、心を通わせ、悲嘆し、絶望し、そしてまた小さな奇跡にすがったお話。
読み終わったあとの読後感はなんともいえないものでした。個人的にこの二人のお話はこの一巻だけでいいと思っています。否定的な意味ではなくて続きの内容はきっと二人にとて厳しく辛いものになるだろうから。
それを読みたくないな、と思ってしまいます。