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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞候補となった後の周りの人たちの慌てふためく様子が笑いを誘います。受賞後も静かに執筆を続けていく著者の姿が良かったです。
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投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫化されたので読んでみました。
あと、ある作家のひとがすいせんしていたので。
ひとつひとつは短いので読みやすいです。
最初のほうはけっこうとがった感じがしましたが。
あとがきのやさしさがうれしい。
そんなエッセー集でした。
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この人の、息継ぎに困る長い文章。
かと思うと突然切れてまた始まる+大阪弁っていうのが全く肌に合わなくて、数年前に「乳と卵」に挫折して以来、未映子好きはきっと肺活量が違うんだな!と自分なりに解釈、何となく避けてきました。
なのに何でいきなし手に取ったのかは分からないけど、
これが意外に読めた!
エッセイって作家さんの好きな作家さんがよく紹介されるから
読みたい本が増えてすごく得した気持ち。
とりあえず太宰治と多和田葉子はすぐにでも読みたい。
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川上未映子作品はまだ「すべて真夜中の恋人たち」の1冊しか読んだことがなく、また、それもすごく好き!というものでもなければ、この作家さんはもうしばらく読まなくていいな…というものでもなく、それでいて妙に印象に残ってしまうものだから、この作家さんに関してはまだ立ち位置を決めかねているのだけれど。
それでもやはり気になって仕方ないのでしょう。普段あまり読まないエッセイを、気づけば手に取っていました。
言葉遣い、表現、句読点の位置、リズム…それらすべてが「独特」である川上未映子の、この人の感性はきっと私と離れたところにあるのだろうと思って、それを少しでも、知ってみたくて読み始めました。
もちろん想像と違わず、私の感覚の外側にあるものも多くありましたが、驚くべきことは、共感できる部分の多さ。
中でも、私が言語化できなかった感覚をいとも簡単に文章で表現しているのは驚き以外の何ものでもないです。
ものすごくいい!というわけではないのだけど、どうしようもなく気になってしまう川上未映子作品はこれからもいろいろ読むんだろうな、という気がしています。
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著者は、テレビの週刊ブックレビューで見て以来、憧れの人である。独特の文体で、若者的言い回しも多分にある。抽象的な話も多く、最初はとっつきにくかったが、次第に著者の生活パターンを理解できるようになり、楽しめるようになった。
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ステキ。
ロボコンの話がいちばん印象的だった。
個人的だけれど、自分がいつか、というよりあの瞬間に感じたことのある違和感をしっかり言葉で表現してくれていて嬉しくなった。
とても強烈で自分自身があっさりふたつにわれてしまうような錯覚を覚えた。
それでも現実の歩みにのっかってやり過ごすことしかできなかった。
いまでもはっきりとわかるあの感じがしっかり言葉になって書いてあった。
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「乳と卵」で芥川賞を受賞した川上未映子さんのエッセイ集。
なるほど、この方はこんな文章を書くのね、と、俄然興味のわいた一冊となりました。
豊かな表現力と、丁寧に一つ一つを確認していくかのような思考の仕方、とても、よかったです。好みです。
その人を知るという行為はすなわち、その人の考え方を知るということにほぼ等しいと私は思っていて、そういう意味でもかなり作者について知ることができた、いい読書体験でした。
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雑誌でこの人のコラムだかエッセイを読んで、面白い人だなぁと思っていた。
読んでみたら、この人と会ってみたいなぁと思った。どんな会話になるのか全然想像つかないわくわく加減。
「髪の毛というものはじつに大変なものであって、長いのか短いのかまだはっきりとはよくわからないこれまでの人生を振り返ったときに、髪の毛についていったいどれくらいの熱量と時間をかけて取り組んだことやろうか。」
冒頭これではじまるのだけど、ほんとそうだよ。中学生とか特にそうね。
直木賞受賞時の少し難しい言葉から、日常のあれこれやらいろんな話がめいっぱい。
小説じゃなくても、こういう本を読むのはたのしい。自分の世界がちょっと変形したり広がる感じ!
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今まで気になりつつも作品を手に取ったことはなかった川上未映子さん。
平台に並ぶ新刊文庫のコーナーで、ひときわ目立つラブリィな表紙に目が行って、今回初めてページを開いてみました。
そしたら「イズミヤ」の文字が目に入り、あ、そうか、大阪の子やったんやな、とそこにあった行を読んでみると、思っていたよりもなんとなく気が合いそうな気がして、買ってみました。
今回のこの「世界クッキー」は雑誌や新聞に掲載された文章をまとめた本で、話題はいろいろあるのだけれど、特に、「本に関すること」や「言葉や文章に対する気持ち」を書いたものは、とくにおもしろく感じました。
単語の気持ちになってみたこと?
確かに、ないな・・・・
本棚には本しかなくて、物語は残っても、人は残らない。
そうやね。
背表紙がお墓のように見えてくる?
そりゃ大変や!
あらためて言われなければ気がつかないようなことを囁かれるような、はっとするような、そんな小気味のよい感情。
一冊を通してそんな気分になる本でした。
友達とおしゃべりしたくなるような時、「なんでもいいからしゃべって」みたいな何を求めるでもない気分のときに、本棚から取り出して読みそうな気がします。
川上さん独特の関西弁まじりの書きことば、句読点が少なめの文章から(それで前は苦手だと思ったのだったっけ)、声は聞いたことないのだけれど、ラジオで流れてくる朗読に耳を傾けているような、そんな印象のする本です。
「文庫本のためのあとがき」で、いい人やな~、と思いました。
作者さんが読者のことをこんな風に気遣ってくれる、というのもあんまりないことのような気がして、やさしい人だなあ、と思います。
背表紙の作品紹介に「きらきらしい58篇」と書いてあるのですが、
きらきらしい、っていい言葉だな。
きらきらしい毎日、意識したらきっとまわりの何もかも、違ってくる。
自分のまわりにあるきらきらしいものを、視線を変えれば、もっとつかまえられそうな気にさせてくれます。
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クリスマスの話が特に秀逸。エッセイ集。
こんな毎日泣いたり怒ったり感じまくるって忙しいなーて思うほどに多感。
そして読んでて暑くなったり、日陰の湿った感じがしたり、動悸がとまらんって感じやったりめっちゃ伝わる。
川上未映子は文末の匠。散らかしまくっておきながら(実際には気持ちよく流れている)、すんと収まる感じ。文章読んでるって感じがめきめきする。
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相も変わらずすてきな語調、語感。
すっかりやみつき。たのしいな。
でも、あとがきでちょっと泣いたり。
やさしいなあと思ったのです。
言葉は、ただの言葉のわりに、
なによりもこころを動かすことがあるな。
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エッセーって頭の中にある日常で遊ぶ人が書くものよ。
って感じ。
エッセーなら俺でも書けるって思ってるなら一回読んでみるといい。
自信になるかもしれないし、キッパリ諦めつくかもしれない。
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「乳と卵」での芥川賞受賞をはさんだ時期に、連載されたエッセイをまとめたもの。
なにかしらの賞を受賞するということはゴールなのか、スタートなのか?
ここら辺の著者の認識がすごくおもしろかった。
内容はけっこう行間がなくって、読むのがしんどいこともあるが、やっぱりおもしろいし、著者のあとがきが良い。
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オモロマンティック・ボムから遡って購入した「世界クッキー」。
作中に「うふふ、世界のほうも、クッキーのほうも、ここで隣りあわせになるなんてことは、夢にも思ってなかったはず」とあるように、言葉の遊び心に富んだエッセイ。「わたしの選択」「ホテルの内部」「あなたは、いつか私を見掛ける」「会いたいも、ただの言葉かしら」などがお気に入り。発想自体よりも、その表現や文体、言葉遣いに唸らされて、何度も読み返したくなる。
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独特な語り口で普遍的な感情や違和感を綴っているエッセイ。受賞の言葉群が抜群にかっこいい。「自分は変わってます」感をそんなに出してないのにきらきらと光って見える中毒性の高い文章だ。