想像を絶する、ストーカーのすべて
2020/08/20 23:09
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これでもかと実例が書かれているすごい本だった。少し独断専行的なところはあるが圧倒された。
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中々エグイ内容だった。一番興味深いのは「ストーカー規正法」は憲法違反(幸福権の追求や表現の自由といった自由権の侵害)の可能性があるという点。最高裁では棄却されているのだが、すぐに処罰できるのではなく、まだ犯罪が行われていないのに警告するという行政色が強くなっている。本来裁判所が行う仕事を警察が行うという限界がある。よって警察署によっても対応はマチマチになるし、警察も大変だなという事がわかり、安易に警察を責めるのもどうかな?って気はしてきた。
著者自身がストーカーの加害者でもあり被害者でもあり、これまで500件の相談に対応しており、その内容も多岐にわたる。よくここまで無事でこれたなと感心する(殆どの人はその辺の普通の人だったり、それなりの地位にある人がプライドを傷つけられてというパターンらしい)のだが、有名な逗子事件も担当しており被害者が殺されてしまったという失敗もあり、自分のやり方を正当化するのではなく、失敗から学んだ事も赤裸々に語られており、説得力がある。
いろんな事例を見ていると、加害者と被害者は紙一重というか、双方に言い分はあり双方に被害者意識があり、刑事事件に発展する前段階においては、先に法的に訴えたほうが被害者で訴えられたほうが加害者なのかな?って気はする。双方が正当性を主張し、相手の行為を不当だと思ってるわけだし。だから、頭に来た相手に復讐したいなら、何事も合法的にやればよいのであり、初めから法的に復讐すればスッキリするのにと思うのだが、第3者が介入してくると自分の恥も晒す事になるので、中々踏み切れないのかなと。
ストーカーの半分は女性、警察への相談件数は年間2万だが(警察沙汰にならないのは10~20倍ぐらいはあるだろう)、警告に至るのは1割。といった数字情報も興味深い。この世に出会いがある限り、殺人はなくならないし、ストーカー行為もなくならないだろう。法律の問題と心の問題があるが、制度的に両面共現実に追いついておらず、サポートできていない問題があるが、お友達や新恋人への相談は厳禁であり(事態が悪化する可能性大)、専門家への相談をした方がよいのは確かだろう。労働紛争では労働審判といった公的な紛争解決機能があるが、恋愛紛争に関しても同じような警察ではなく公的機関による紛争解決機能があってもよいのかもしれない。今後、制度面で充実する事に期待したい。
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加害者は抵抗するために様々な鎧を身に着ける。鎧とは一言でいえば、プライド。学歴とか職業とか。
プライドが高く傷つきやすく、自分を抑圧してきた人は他人のことも批判の目で見る。
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五〇〇人以上のストーカーのひとたちと接してきた著者が、ストーカーの心理について書いた本。あんまりほかにない本なような気がする。
この本を読むとストーカーって心に余裕がないねんなぁと思うけど、ストーカーとそうでないひとはあくまで地続きの存在で、そういう感覚は忘れないでおきたい。
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伊勢原事件(2013.神奈川県) 住民票の閲覧制限 ストーカー病(福井裕輝氏) 道徳的社会化 任意入院、措置入院、応急入院、医療保護入院 精神障害者アウトリーチ推進事業 認知行動療法 条件反射制御法 逗子事件(2012) 逮捕時の結婚後の姓の読み上げ 千葉母親刺殺・次女連れ去り事件(2009) 逮捕監禁 長崎西海市事件(2011) 国家賠償法 共依存 エンプティ・チェア(ゲシュタルトセラピーの一種) 略式命令 男女問題解決支援センター ストーカー規制法における特別遵守事項 被害者等通知制度 高村光太郎『最低にして最高の道』
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「ストーカー」される側の情報は、いろいろと出てくるが、する側の情報は一方的だったりするので、人それぞれではあるけれど、こういった新書で、その一端でも知ることができた。。。でも、なんか、釈然としない。。。
自分だって、どうだったんだろうと思う。。。ストーカーの解決には、最適解はないのかも。
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ストーカーについての説明や対策法についてわかりやすく書かれている。実例も交えてありわかりやすい。どのようにストーカーになっていくのか、ストーカーの思考パターンなど。ストーカー依存症からストーカー病になるという解釈も興味深い。ただストーカー病状態になったら精神科に措置入院というのはどうなんだろう。一時的に隔離はできても、現在の精神科医療ではストーカーへの治療は十分できるとは思わないのだが。
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私自身は無いけれども「ストーカーされた人」あるいは「それはストーカーじゃないの?」という行動をとる人は身近に居る。
まず、ストーカーと聞いて思い浮かぶのは、理不尽に付きまとい、ついには事件となるような事例。
しかしながら、これを読むと、ストーカーは理不尽ではあるものの、それなりのルールが存在することが分かる。そのルールの理由は「自分が傷つきたくない」というもの。傷ついていることを認めまいとして、相手に過剰な責任を負わせたり、別れることを認めずストーキングをやめられない。
現状を認識すること、そして未来を向かなければ、ストーキングは終わらない。
とりあえず、身近にそういう事例がある以上、いざというときはこうすればいいという本を読んでおくのに損は無いと思う。
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今わたしは何を感じているのか、何故そう感じているのか。「ストーカー」という言葉から勝手にイメージしてしまう「異常性」を冷静に考えてみると、その根っこにあるものは特殊特異なことではない。いずれにしても「事件・犯罪」としての現実を知るにつけ、ひとつひとつに丁寧に向き合う、ことの絶対的な重みを感じる。
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ストーカーについて考察した本です。
ストーカーを犯罪とするだけではなく、病気として捉える視点は興味深かったです。
警察は法を犯した人を捕まえますが、秩序の維持のためであり別に治療を目的とはしていません。そして、ストーカーは精神病とは診断されにくい現状にあることが書かれていました。
警察側でもストーカーに関する知識や意識が人によって異なり、対応に差が見られ、ストーカー被害の拡大に繋がっていると述べています。
また、ストーカーへの対処方法や警察との連携の仕方などが載っているので参考になるかと思います。
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ストーカーになってしまう人々は、心を患っている事が多いらしいが、その根幹には育てられた環境、家族に問題がある事が多いらしい。相手の心を開かせられると、本人が心の闇に気付き、瞬間に改心する事もあるとか。多くの人が幸福になれることを願ってやまない。
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被害者と加害者の命を守ろうとする著者の覚悟に感服しました。
「ストーカー病」になってしまうと、特に理由がない限り、何年経ってもその想いが弱まることはないと。確かに強い想いは簡単には消えない。自分の中にある原因と向き合い、未来の自分について考えていかないといけない。心の病と全く同じですね。
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なかなかタメになる内容でしたね! まあ、内容の詳細はあんまし覚えていないんですが…(!) なんかストーカーに対しては暗示?をかけて治すようなことをやっていましたねぇ…あれも治療の一環なんでしょうか? 薬物療法ではないので本当に治っているのかどうか、女性の皆さんは不安に思うんでしょうけれども…多分、大丈夫だと思います! ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
ストーカーの症例がたくさん紹介されていましたけれども、ストーカーする方々、とにもかくにもコンプレックスが強くてアレですね、馬鹿にされることに過度に敏感というか…こんな人物、近くにいたら怖いな~…などと他人事ながら思いました(!)。
ヽ(・ω・)/ズコー
なんか童貞をコンプレックスに思い、殺人未遂にまでなる人とか居ましたけれども、いやぁ、凄いですね…童貞というのは…人に殺人までをも犯させてしまう…何かなんでしょうね!
というわけで、専門的なことが書かれてあるところは割と飛ばし読みしたんですけれども(!)、ストーカーによる、様々な刑事事件の項はなかなか読み応えのある内容でしたね…おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー
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自らのストーカー被害の経験からストーカー被害を削減するためカウンセラーとして活動している人の書かれた本。
生々しい話が多いので、被害に遭われている人は生きた心地がしないんだろうなと感じた。危険度の評価の線引きの難しさなど、よくわかった。被害者にも非があるようなエピソードもあるので、建前の話だけではないのでリアリティを感じます。
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■男性ストーカーが女性のプライベートな空間を攻撃することが多いのに対して,女性ストーカーは男性の公的な場面を狙う。
■お金と愛は別物というように金銭の話が出てきたら解決は早いともいえる。
■第一信号系とは防御,接触,生殖という次世代を作るための本能行動と適応行動をつかさどる。
・本能を満たす行動の結果,生理的報酬を得る
・これが繰り返し行動を成立させる
・「本能行動」が過度に作動すると過度な「防御」反応としてPTSD,パニック,反応性抑鬱,自傷行為,放火が現れる
・過度な「摂食」反応では過食,病的な賭博や窃盗などが現れる
・過度な「生殖」反応は露出,痴漢,強姦となって現れる
・「適応行動」が過度に作動すると,アルコール,ニコチン,覚せい剤などの物質摂取が現れる
■第二信号系とは思考の場であり他の動物にはない。
■思考もまた生理的報酬を作ることができる。
・何か目標を立ててやり遂げたときは最後に生理的報酬が生じ,その行動が反復されやすい
・つまり頑張り屋さんは次も頑張る
・悪い現象としては強迫症状
・こうしたメカニズムが「依存症」の正体
■ヒトが第二信号系の中枢,思考の場を持つこと自体に問題の根があるといえる。