国民を捨てて顧みない政府と役人への復讐劇
2015/10/18 18:25
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投稿者:陪堂居候 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人手不足の時、南米から日系人のパスポートを持った人達が沢山日本に働きに来て、景気が悪くなった途端に契約を切られて途方に暮れて……というニュースをテレビで観て日本人として肩身の狭い思いをしてきました。ところが驚いたことに、そういう「不人情」は今回が初めてじゃあなかったんだね。そもそもこうした「日系人」のみなさんの祖先が日本から南米に移民した大昔に、耕しても何も実らない石ころだらけの畑をあてがわれたり、「聞いてた話と全然違う」という目に遭わされて日本政府の出先機関に抗議すると……まるで取りあって貰えない。つまり、政府と役人が口裏を合わせて南米諸国に移民を送り出しておいて、その「日本人たち」を捨てて一切顧みない、という事が組織的に行われていた事をこの本を読んでつぶさに知りました。そういう「国家としての犯罪」に敢然としてリベンジする主人公の姿に共感を覚えました。是非一読してみてください。
ワイルド・ソウル下
2013/04/28 04:53
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投稿者:アカクラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
娯楽小説
爽快なストーリー
2024/11/09 11:30
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
残念だったのは、思ったよりも計画がしょぼかったことくらい。ただそこを除けば、ストーリー、結末は爽快そのもの。何よりも貴子の存在がその爽快さに華を添えていて良かったです。エピローグのブラジルの風景の描写も好きです!
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
政府の対応があっさりしすぎなかんじはするけど、
結構好きな終わり方でした。
山本さんが意外だったかな。
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なんとなく買って読んだ「君達に明日はない」からはじまり、「借金取りの王子」そして新年早々読了した「ワイルド・ソウル」この本は久々に感動した大作でありました。
※この作品は歴史上の事実を素材にしていますが、ストーリーは著者によるフィクションであることをお断りしておきます。
と最後にあるように、実際に行なわれた「移民政策」を題材にしている。
しかし、この移民政策… 僕は噂には聞いていたが、という程度の予備知識しかもっていませんでしたが、凄まじく過酷な環境に生きざるを得なかった日系移民達の声を聞いたような気がします。
この物語「ワイルド・ソウル」は国に騙され家族を失い、絶望の中で生き抜いた彼らの「野蛮な魂」であると言える。
熱いものがこみ上げてくるパワーのある作品です。
是非読んで頂きたい一冊。
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前半の重苦しい内容に比べると、軽い。エンターテイメントだから仕方がないかもしれないが、もう少し南米移民の実態を描いてほしかった。
でも、本書を通じて南米への興味、意味した人たちへの興味がわいてきた。それに関する本も読みたい。
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201003 前半の史実部分と後半のフィクション部分のバランスも良くすぐ読めた。読後の感じも好き。面白かった。
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ブラジル移民の話が詳細に記述されており、当時の外務省の失態の数々が明らかにされています。食料不足、国の約束だからと言って、国民をむしけらのように扱う・・・むごい。何でも100%信用はできないという現実に気づかされます。
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意外とあっさり、復讐劇は幕を閉じてしまう。
でも、ブラジル生まれの日系人の底抜けの明るさ。
そんなキャラクターはとても魅力的だ。
あと、コロンビアマフィアのボス。
どんな悪党にだって、情はあるもんなんだなあ。
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下巻は報復実行~逃亡~ラストのその後まで。
報復計画が2段階になっていて、かなりのボリュームがある。
読後感は、ブラジル人の底抜けの明るさが印象的で物凄く爽やか。サンバ的。
ブラジルに行ってみたくなった。
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手放しで面白かったと言える本。下巻の中頃からはもう、「読まずにはいられない」感じ。もう一度生まれ変わった松尾の今後の人生を思うと、悲しい想像のほうが膨らんでしまうこともあり、祈らずにいられない。
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いやー面白かった。久々骨太エンターテインメントでした。そう、たとえれば、「太麺大盛り、脂多め、トッピング全部載せ。卵ご飯追加」かな。大満足。
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遂に始まる復讐劇。
誰の命も奪うことなく現存する権威の化けの皮を剥ぐことを目指して練りに練られた計画、そして警察との知恵比べ。
今テレビのスイッチを入れればこの事件のことが映るのではないかと思わす程の臨場感の中、犯人(主人公)、警察、報道、過去の関係者、夫々の思いが深々と描かれ、外交に対する軸が無く世界中の笑いものになっている現実の政治も綯い交ぜとなり、スピーディーな展開に読み応え充分。
計画実行の末に手にしたもののは彼らが受けた仕打ちからすると聊か軽く虚しい感も。ケイに代表されるブラジリアンの、世界中を愛する明るさがそれを救う。
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下巻。やっとこさ読了しました。主人公たちの「復讐」の方法が、スマートでかっこいい。若干、(そんなにウマくいくもんかぁ〜?)という気がしないでもないですが。ちなみに、リーダー格の「衛藤」さん、たしかに大分県ではポピュラーな名字です。ヨソでは多くないようですが。こんなところにも、作者の細やかなこだわりが見えたりして。「あとがき」から、作者の本作に対する並々ならぬ思い入れがうかがえます。んで、未発表の作品があると書いてましたが、ホンマでっか?結論としては、垣根センセはほんとぉ〜にクルマが(とくにマツダ車が)好きなのだなぁとゆうことが再認識されました。はい。
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大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞受賞
物語の主要人物のキャラが立っている。しっかりとしたキャラ設定とストーリー展開でぐいぐい読ませる。上巻第一章「アマゾン牢人」では緊迫感がある過去の状況を描ききり、涙がこぼれる。一転現在に転じストーリは展開される。あれだけ重苦しいムードとは一変、ラテンの乗りで、暗いはずの復讐劇もなにやら最後まで明るさを忘れない。この小説はそこが成功しているのだ。最後のハッピーエンドはみんなの期待を裏切らない。