読割 50
Holy Brownie (4)
Holy brownie 4 (YKコミックス)
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紙の本
サービス過剰なエンターテイメント。テーマは重い
2007/02/06 02:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:考える人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔、天声人語で、国連の平和維持軍について読みました。日本の戦国時代も単なる内戦状態ですが、そこに戦車や戦闘機がのりこんできて強引に戦闘を終結させようとしたらどう思う?という意見。
本書は童話「小人の靴屋」の設定を下敷きにした社会風刺ギャグマンガです。
最初エロ漫画誌で連載されていた作品で、成人指定はついてませんが毎回のように性描写があります、要注意。でも主題はそこではないのでエロ漫画じゃありません。
小人の靴屋とは夜中に小人が仕事を代わりにやってくれるという話です。主人公はその小人というか妖精というか天使のような存在で、神の命令により人々の望みをかなえてやるのが仕事です。一話完結式で、主人公のふたりがどんな時代のどんな国にも現れ、ある特定の人間を救おうとします。
これじゃファンタジーぽいですが、じっさいはSFで、たとえば中世、人間に限りなく近い機械仕掛けの人形を作ろうとしている「靴屋」がいたら、主人公たちは何百年も未来の技術を運用して精巧なロボットを製造してしまうのです(冒頭につながる)。この辺もう、何でもあり。ギャグですからね。
主人公たちは、人類誕生から滅亡に至るまでの歴史を知っている万能に近い存在です。私たちと違って特定の国や時代に属しておらず、価値観・倫理観の面で、ありえないニュートラルなポジションにいます。
愚かな人間のどんな無茶な願いも実現できる。でもそれで本当に彼らを満足させ救うことができたのか? その結論が読者にも常に問われている物語といえるでしょう。
主人公たち。ピオラはマジメなツッコミ役で、相方のフィオはすべてを知り尽くした愉快犯です。
最初から「自分たちは神様の便所紙」と笑っていたフィオが、自分たちの存在に意味はあるのか。といった疑問を改めて呈します。
ここからストーリーの本筋というやつが少しずつ姿を現し始めました。
話の描かれ方も変化します。もともと主人公たちに救われる側の人生を描くのがメインで、主人公たちはガイド役でした。それが次第に、主人公たちが彼らを救うためにどんな手段を考え、どう判断するかに焦点が移ってきた気がします。
個人的な感想というか推理ですが、2巻でフィオが抱いた疑問への解答も見えてきました。主人公たちが任務を果たす意味、それは「人間とはなにか」を学ぶためです(って連載は読んでないので、べつの真相が明らかになってたらどうしよう)。
ふたりは肉体をもたない情報生命体ですから、どうやらこれは人工知能を人間に進化させるために必要なことをやってるんじゃないかと感じたんですよね、4巻を読んで。
本書で描かれたピオラの初仕事の様子から、フィオとピオラの差異も感じました。フィオは試作機で、そのデータからピオラが作られた印象を受けたんです。
もしかしたら最終的にフィオは廃棄される運命ではないか、という考えまで脳裏をよぎります。本人それを察しているような、そんな気配がしませんか?
3巻にあった人魚の話。永遠の命を捨てて人間になろうとした(そして、なった)彼女の「人間らしさ」を、ピオラはヒステリックに断罪し、受容しませんでした。その次の話では「さいきん対象の人間の思考に同調しがち」という自らの変化を感じるシーンも入ります。
そういうのを4巻の後に再読して気づいたり、深く読み込むぶんには面白かった。純粋に続きが楽しみです。
紙の本
エログロ風SF御伽噺4巻目
2018/11/30 20:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
童話世界の話がちょっと多目かな。
アルカードの旦那が出てきたのには笑った。
そういえば掲載誌が同じだっけ。