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日本人よりもしっかりと日本人のことを思い書かれた内容だと思います。我々日本人が見失っている点・見落としている点がたくさんあるように思います。その原点を見つめ直すに良いのではと思います。
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ウォルフレン氏の本はいつも日本に対する愛情が感じられる。これもそう。無関心が最大の敵、権力の腐敗を許すまいと立ち上がれたはずの人が、無関心や無気力、あるいは怠慢を理由にそれをしないことが問題であると。最後の、政治家に日本を導くチャンスを与えろ、とはその通りですね。アメリカの言いなりでマスコミは政治家を貶め、それを疑問に思わず国民は信じてしまう。危険です。
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東日本大震災をあけての、日本が抱えてる問題点を論じる。
TPP、緊縮財政、原発、沖縄問題。
財政健全化を目指すあまり、必要な公共福祉が蔑ろにされる、
家計と国家を同列で論じるのはナンセンス、というのは大いに同意。
一方で、市場原理至上主義が危険なのはわかるが、=小泉改革に際しての民営化が格差を生んだ、アメリカナイズされただけだ、というのは違う気がする。
セーフティネットの拡充が不足してただけであって、アプローチは間違ってないだろう。
鳩山首相の政治哲学が真の主権国家を思っていた、太陽光発電こそ最上のエネルギー源、沖縄基地不要論など、現実的でない見解に感じられた。
新書1冊では、論点はひとつに絞ったほうが深くて説得力があるとも思う。
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カレル ヴァン ウォルフレンの新書。主題の選び方の基本は彼そのもの。そこに5つの罠というタイトルをつけるという新書アレンジが加わって、民主党に期待し、その政権が失敗に終わった理由は日本が実質的に未だアメリカの支配下にあるという事実であると解く。なにしろ札束をすればいいのに、という部分の主張に全く同意できないので他の部分に対しても懐疑的な目を向けてしまうが、マクロ経済的な分析としてのドル紙くず論は全く同意。FXで賭博しているみなさんもここらへんだけは理解していてから賭博してほしいと切に思ってる。最後の5つめの罠(権力への無関心という怠慢)は、良心的な欧州のインテリの常識っぽくて大好き。そのように生きていきたい。
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いろいろと気付きを与えてくれた1冊。
・リーマンショックの根源は、金から金を生み出す狂気的金融マーケット。さらにそれを促進した新自由主義的思想。
・金融マーケットの肥大化により生み出された貧富の差
・財政緊縮は解決策ではないという示唆
・沖縄は日本国ではないという感情
・軍産複合体の現状
それに対して日本はどうしていくべきかと。(横山)
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TPPの問題が書かれていたので、第三者から見たこの問題に関する意見を知りたく購入しました。
このTPP論議でいつも感じる事は、反対派の意見には多くの数値と理論が展開されているのに、賛成派は『安くなるのは消費者に良いことだ』と言った風な大雑把な表現が目立っている点でした。
基本的に自由貿易は賛成派ですが、気になる点であった規制や制度の共通化と言った事に関する隠された部分の答えが書かれているのではと思います。
財政に関しては緊縮か出動の意見は分かれると思いますが、現状の欧米日を鋭く見抜いていると思われる点や、これから先の日本に対する提言は大変考えさせられました。
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TPP、財政緊縮、原子力発電、沖縄、権力への無関心・・・
どうも諸悪の根源は世界経済の金融化。製品やサービスなど社会にとって価値あるものを実際に生産するという面倒な中間プロセスを経ることなく、金から金を生み出す手法が世の中にはびこってしまった事にあるようだ。これによって生み出された資産とは、金融機関の帳簿上に記されただけのでっちあげにすぎないいんだけれども、翻弄される世界経済の愚。日本は、まだましな状態にあるという。
いやぁ、この本を読んで、ますます投資というか、資産運用に対する熱が醒めました。
(2012/5/29)
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取り上げている話題はすばらしいと思うが、
議論にキレはない。
TPPに関してはそれが経済的な協定だけでなく、政治的な協定も含むことを指摘する程度の議論しかできていない。
原発に関しては完全に門外漢という感じだ。
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気になった1点のみ。
著者はソーラー発電を推しているが、ソーラー発電では夜間の発電量が下がってしまうことを考慮して言っているのだろうか?
無論夜間の電力量を原子力並みに供給する必要は無いだろうが、原子力の代替としてソーラーを使うのであればその点は考えなければならないのでは?
また、夜間という毎日の問題以外にも日本には梅雨がある。東北地方など冬は雪の日も多い。本当にソーラーで大丈夫なのだろうか?
夜間や悪天候な日の分の電力を蓄電する施設まで作るのであればかなり広大で高コストなソーラー発電施設を作る必要があると思え、こういった点は地熱発電などよりも劣るところだと思うのだが。
※僕は原子力推進派ではないが強固な脱原発派というわけでもない。念のため
このソーラー推しから孫正義べた褒めへの流れは読んでいてどうしても引っかかった。
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金融、沖縄の問題に対して非常に無知であったため、分かりやすく噛み砕いて書いてあったのでよかった。しかしながら、脱原発の章では普段大学でもよくエネルギー関連の文献を読んでいることから物足りなく感じた。なので、この著書は「世の中で何が起こってるかよく知らないから知りたい!」レベルの人向けかと。個人的には、5つ目の罠で挙げられていた権力への無関心が印章的であった。この著書を読んで新自由主義、アメリカと日本のこれまでの歩みを詳しく知りたいと感じた。
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■経済
1.もし初めから海外メーカーと価格競争を強いられていたら、日本の重工業も化学工業も今日のような発展を遂げることは決してなかったらだろう。世界に冠たる日本の自動車産業も、20世紀半ば以降の高率関税という壁で守らなければ、産業として成立することすらなかっただろう。
2.政権の座から転落する前の自民党と同様、日本の官僚もほとんど過去に生きている。官僚たちがそのような生き方をするのは、事態をかき乱すようなことをすれば、昇進できないからである。
3.日本にとっての罠とは、執拗に続く有害な慣例に対処しようとしないということだ。それは本来、習慣を基盤として生じ、さらに思考によって培われ正当化される。しかし本質的にはやはり習慣であるため、それはきわめて執拗につづく。
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真の「国難」に目を覚ませ!と日本贔屓のウォルフレン氏が指摘する最新本。
冷戦後もあいも変わらず世界戦略構図を変えない、ペンタゴン主導のアメリカ。
それに翻弄される日本、ヨーロッパ社会。
そして、ますます先鋭化するユダヤ系大資本。
アメリカ国家をもコントロールしてしまっている巨大資本。
基本的には、以上のような構図が5つの罠を生んでいるとしているようだ。
ヨーロッパ社会よりは傷が浅さい日本。
はてさて、日本国民はこのサジェッションを受け入れられるのか。
「国家なき国」日本の正念場である。
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書きおろしと言っても翻訳された日本語なので、ちょっと読むのにつまる感じがあります。
内容は至極当然の課題で、現状と照らし合せると、日本政府は5つの罠全てに自ら喜んで国民を陥れようとしています。
確かにこの国は「国家」ではありません。
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1994年に良書「人間を幸福にしない日本とおいシステム」を書いて注目をあびた著者が、現代の日本の状況に対して再び警鐘を鳴らした。
現在、日本は、アメリカやEU諸国よりもましな状況にあるという前提で日本の現状を好意的に捉えている。しかし次に記す5つの罠にはまり込むとアメリカの思うつぼになり、EU諸国と同様な失敗をおかす恐れがあると考えている。①TPP;これは経済だけの問題でなくアメリカの政治的な押し付け。これを推進するとアメリカ企業の搾取にあう。②財政緊縮;EU諸国でみられる国の負債に目をむける緊縮策は本来金融機関の失敗が問題だったのを国の問題に摩り替えている。③原子力政策推進;日本は太陽光エネルギーのトップをはしるべき、原子力推進させるべきでない。④沖縄の米軍基地;アメリカの保護国日本、自立すべき時。⑤権力への無関心;アメリカの侮蔑的な態度に対して自己主張をすべき。
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はまると脱出不可能な罠、TPP、財政緊縮、非公式権力、対米隷属沖縄、権力への無関心
オランダの人なのに、日本の状況を論述できるなんて、ジャーナリストってすごい。