商品説明
ヤクザにたかり、弱きをくじく、冷酷非情な刑事が帰って来た! 史上最悪の刑事禿富鷹秋(とくとみたかあき)――通称ハゲタカ。警視庁神宮署の放し飼い。彼にかかれば、上司もキャリアも関係なし。警察組織を食い荒らし、南米マフィアを翻弄し、さらには関係を持った女性をも平気で見殺しに――。圧倒的存在感で描かれた悪漢、神宮署生活安全特捜班のハゲタカの非道ぶりをご覧あれ。本邦初の警察暗黒小説、待望の第二弾。
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紙の本
醜いうえに派手好き、しかも暴力を振るうことに躊躇わない、そんな禿富がこの話ではどうも変わってしまったようです。それがいいかどうかは疑問ですが
2006/02/07 19:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
《渋谷の片隅で小さなバー〈みはる〉を営む桑原世津子の店に、元敷島組の宇和島が法外なみかじめ料を出せと言ってきた。その宇和島を叩きのめしたのが、神宮警察署の警部補禿富だった》
好き嫌いはともかく、最近の日本の警察小説に登場した人物のなかで、異様さで群を抜くのは逢坂の『禿鷹の夜』に登場した禿富鷹秋でしょう。暴力を躊躇わず、組織そのものを拒否するような警部補というのは他の小説でも見ますが、派手な背広に異様な顔つき、おまけに冷酷は珍しいものです。
元敷島組の組員で、いまはマスダに乗り換えた宇和島博。裏切ることを何とも思わない男が目をつけたのは、少ない売り上げで何とかやっているバー〈みはる〉でした。主人の桑原世津子は40代後半の独身。気の強さが災いして、男と長続きしないのが玉に瑕ですが、もともとは美人。宇和島が世津子に要求した金は20万。稼げなければ、暴力バーにして稼がせてやるというのです。
拒否した世津子に怒り、暴れだした宇和島を取り押さえたのが、一見警察官とは思えない30代の男。それが渋六組と関係がある神宮警察署生活安全特捜班の警部補 禿富鷹秋でした。でもそのご面相ときたら・・・
マスダに鞍替えした宇和島は、自分の顔が効く神宮警察署の刑事課長代理の鹿内警部に、禿富を懲らしめることを依頼します。その結果、禿富は渋六の幹部 水間と歩いているところを、鹿内に命じられた三人の男たちに襲われるのです。傷を負った禿富は、旨いレンコンの甘煮を出してくれた世津子の店に転がり込みます。
暴力団の縄張り争い。日本で一旗あげようとするコロンビアに本部を持つマフィア・スダメリカナ。以前、禿富にミラグロという殺人者を差し向けたマスダ。暴力団に情報を売ることで便宜と金を得る警察官たち。
『禿鷹の夜』に続くシリーズ第二弾です。男達の欲望が、怒りが、不満が暴力となって渋谷の夜を血で染めていきます。前回は、決して好ましいとは思えなかった禿富が、今回は実に格好いいのです。無論、相変わらず身勝手ではあります。人を、組織を無視するところは全く変わりません。にもかかわらず、何かが変わりました。それがシリーズ化のせいか、それを見抜いた読者が作者にシリーズ化させたのか。逢坂のシリーズ、公安、御茶ノ水署、そして禿鷹、重蔵、西部劇、重さに差はあるものの、どれも面白い。その分、スペインものが俗っぽくなってきているのは、仕方ないのだろうか・・・