読割 50
電子書籍
臓器農場(新潮文庫)
著者 帚木蓬生
新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は「無脳症児」──。病院の「特別病棟」で密かに進行していた、恐るべき計画とは何か? 真相を追う規子の周囲に、忍び寄る魔の手……。医療技...
臓器農場(新潮文庫)
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臓器農場 (新潮文庫)
商品説明
新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は「無脳症児」──。病院の「特別病棟」で密かに進行していた、恐るべき計画とは何か? 真相を追う規子の周囲に、忍び寄る魔の手……。医療技術の最先端「臓器移植」をテーマに、医学の狂気と人間の心に潜む“闇”を描いた、サスペンス長編。現役医師としてのヒューマンな視線、山本周五郎賞作家の脂の乗り切った筆致が冴える、感動の名作。
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紙の本
人間・環境描写が素晴らしい医療ミステリー
2003/09/05 09:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:竹中けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
臓器移植ビジネスに絡む組織犯罪というテーマは今日的であるが、描かれている人物や風景描写に大変魅力のある作品という意味では普遍的な美しさを持つ。まず、自然環境があり、町があり、そしてその中に住む人間が病院を舞台として描き出すドラマ。病院は単なる事件の舞台だけではなく、様々な人が織り成す物語によって成り立っている。これは当然のことだが、この当然のことがきちんと描かれているミステリーは少ない。この作品をミステリーと呼ぶかどうかは意見の分かれるところではあろうが、ミステリーは「人間が描けていない」とよく言われるが、この作品を読んで「人間が描けている」とはどういうことなのかが良く理解できて、目からうろこであった。極めて醜悪なテーマであるにもかかわらず、読後感が素晴らしく、さすが現役精神科医と思わせるところが多かった。例えば、重要な脇役として登場するケーブルカーの車掌−彼のその後を扱った作品をぜひ読みたい、など、登場人物がその後どのように生きていったのだろうと、大変気になるような人物が描かれている。普通の市井の人の日々の生活がドラマ展開にもまた小説全体にも大きく影響を与えている。ミステリーとしても、一般小説としても、秀作といってよかろう。「生きる」こととは何か、という問いかけにも一石を投じるスピリチュアルな側面も持った作品である。
紙の本
リアリティー抜群の病院描写に目が離せなくなる!
2002/07/16 18:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マユゲネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
無脳症児と臓器移植という、現実に起こっていそうな問題をリアリティーたっぷりに描いた作品。
筆者自身医者であることから、病院内での描写や、医学界の様子が丁寧に描かれてあり、それだけストーリーにリアリティーが感じられる。
臓器移植に関する各問題は、これからも起こることが予想されるだけに、非常に現実感のある、読み出したら止まらない作品である。
紙の本
そもそも「命」とは何かにまで掘り下げた味わい深い作品となっている。
2017/12/15 11:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名から「臓器移植」絡みだとは判るが、それに「無脳症児」を絡めることで、そもそも「命」とは何かにまで掘り下げた味わい深い作品となっている。「臓器移植」が一般的な方法となった現代医療のなかで、臓器売買や、臓器の為の乳児売買や人攫いまで一般化して社会問題となってるので、本書もその流れと思ったがもっと深かった。千人から二千人に一人生まれるという「無脳症児」は「人間としての生を受けていない」というのが現在の一般的見方らしく、本書もそこを突いて「脳死判定の必要の無い使い勝手の良い臓器提供“物”」として利用することに対しての問題提起となっている。作者はその答えを明確には提示していないが、その構図をP-607に4者の立場として簡潔に纏めている。実に難しい問題ですね。
紙の本
ショッキングなタイトル
2002/07/16 19:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:樺夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ショッキングなタイトルに誘われて、読み始めた。
内容は、新人ナースが勤めている病院では、全国でも有数の子供への臓器移植が盛んなところ。だが、そうそう都合よく乳幼児が脳死する訳ない。では、どうやって調達しているのだろう? そんな疑問を探るうち、仲間の医師が事故死し、友人が自殺する。ふと漏れ聞いた無脳症児の噂。作者の著書のなかでは、とくにハラハラスピーディーに読めた。