ゴーストマン 時限紙幣
英米ミステリ賞総ナメ。25歳の天才新人登場! 大人の男のカッコよさ――それを堪能できる傑作ミステリの登場です。“ゴーストマン”の異名をとる「私」は、犯罪の事後処理のプロ。...
ゴーストマン 時限紙幣
商品説明
英米ミステリ賞総ナメ。25歳の天才新人登場!
大人の男のカッコよさ――それを堪能できる傑作ミステリの登場です。“ゴーストマン”の異名をとる「私」は、犯罪の事後処理のプロ。爆薬の仕掛けられた大金を盗んだ犯人を追い、爆発前にカネを奪還するのが今回の仕事。タイムリミットは48時間――。「私」による語りはクールでプロフェッショナル。裏社会のディテールに唸らされ、非情な世界観に酔わされます。『MOZU』や『ロング・グッドバイ』に燃えた/萌えた方に強くおすすめします。英国推理作家協会賞受賞、ミステリとしての質も保証つきです!
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
紙幣って本当に爆発するんでしょうか?
丸善札幌北一条店さん
著者は本書執筆時、何と25歳。本作がデビュー作で映画化も決まってと期待の新人。
何でもポリティカルコレクトネス、言葉や人種、性別はもとよりちょっとした所作からでも差別を生むべきでない、との考えを大事にしているらしいです(ソースはネット)。
なるほど、この作品でもさまざまな人種が出てきますが、ステレオタイプな悪人がいない、というか、○○に見える人間は悪い奴だ、的な偏見がないように思います。
ゴーストマンはスタイリッシュ&プロフェッショナル&ちょっとシャイなカッコ良さを兼ね備えた男。たまに失敗もするかわいいところもあります。
冒頭から引き込まれるスピード感、グイグイ読めます。
ベタッとした惚れた腫れたもなく、プロが行うタイトな犯罪にググッと焦点を当てたピカレスク小説。
ただ、それだけだと若干ドライ過ぎというか、あっさりしすぎ感は否めません。
そこで一際カッコイイ女先輩ゴーストマンが物語を締めます。
全ページからほとばしるクールなドライブ感、プロフェッショナル魂を感じる良作。続編も翻訳決定らしく、楽しみです。
プロ犯罪者キャラを演じたいプレイヤー必読
2016/11/29 15:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さすらいGM - この投稿者のレビュー一覧を見る
趣味がTRPGなので、たいていの本はその参考に、という視点で読んでしまう。
本書のことは前から気になっていたのだが、実際に読むきっかけになったのは、著者がオーバードーズで亡くなったというニュースだった。
惜しい、実に惜しい。ひとたび読み始めると、ぐいぐいと引き込まれた。プロフェッショナルの銀行強盗である主人公の一人語りが素晴らしい。5年前のとある仕事をしくじった経緯と、それによって背負った借りを返すために挑む現在の事件が、交互に語られる。
行動だけを描写する乾ききった文体に、ほんのわずかな人間味がかいまみえる。
もっともっと、この作者の小説を読みたかった。
トーキョーN◎VAのフィクサーやレッガー、シャドウランのランナー、ガンドッグあたりをプレイするなら読んでおかれるべき。亜侠にはシリアスすぎるかもしれない。
クールな悪党が疾走する!
2015/08/10 00:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨額の現金強奪を生業とする世界的なプロが主人公の犯罪小説。
一昔前の銀行強盗は、拳銃片手に銀行に押し入って、カウンターで「金を出せ!」だったが、いまやそこから数十年たって、すっかりハイテク化。昨今は極めて高度で緻密な犯罪となり、分業化も進んでいる。
その仕事の一つが「ゴーストマン」で、事件関係者の痕跡を幽霊の如く消してしまう役割だ。他に「ホイールマン(運転担当)」、「ボックスマン(金庫破り担当)」、「ボタンマン(荒事担当)」と色々な役回りがあって、企画立案者の「ジャグマーカー」の声掛けで世界各地から事件ごとに集まってくる。主人公はこの「ゴーストマン」だ。
二つの現場が同時並行で描かれていく。一つはアトランティックシティ。もう一つは5年前のクアラルンプル。先の事件が失敗し、48時間後に爆発するように設定された現金200万ドルが行方不明に。この金の行方を追うように依頼される主人公。後の事件で主人公は致命的な失敗を犯していたため、そのオトシマエとして嫌々追跡に乗り出すのだが…。
スムースな語り口と臨場感で、瞬間的にストーリーに引きずり込まれた。話の牽引力は一級品で、一度読み始めると、400ページのラストまで息もつかせず読み耽らせてしまう。
登場人物がどいつもこいつもとんでもない悪党ばかりで、強烈なノワール感を充満させている。主人公の偏執的なほどのプロ意識が実に細かく描き出されていく一方で、血も涙もない殺戮シーンや戦闘シーンもふんだんに盛り込まれてくる。勢いだけでなく、ディテールもきっちりした話で、これがデビュー作とは到底思えない。凄い新人作家が出てきたもんだ、とただ驚きながら読んだ。
まあ、非常に細かいところを突っ込むと、あれ?と思う部分もなくはないのだが。例えば、一流ホテルの使い方なんかはかなり大ざっぱだ。これだけ偏執的なプロがそれはなかろう、とちょっとムッと来た。
しかしまあ、全体に上々の犯罪小説ではある。次回作は是非読みたい。