- 販売開始日: 2014/12/02
- 出版社: リイド社
- ISBN:978-4-8458-4673-3
てくてく~東海道ぬけまいり~
著者 山崎浩
『黒鷺死体宅配便』の“山崎峰水”が“山崎浩”名義で描く新境地!はじめての冒険は456キロメートル!? 江戸から伊勢を目指し、子供ふたりが東海道をいざ進む!!江戸時代―親や...
てくてく~東海道ぬけまいり~
商品説明
『黒鷺死体宅配便』の“山崎峰水”が“山崎浩”名義で描く新境地!
はじめての冒険は456キロメートル!? 江戸から伊勢を目指し、子供ふたりが東海道をいざ進む!!
江戸時代―
親や主人の許可を得ずに、伊勢神宮へ向かう人たちがいました。名目上は伊勢参りというものの、彼らの目的は諸国漫遊などさまざま…
少女・いちと少年・十は、伊勢にいる父に会うために東海道を進みます。
【旅のしおり】
第1話 品川宿
第2話 川崎宿
第3話 神奈川宿
第4話 保土ヶ谷宿
第5話 戸塚宿
第6話 藤沢宿
第7話 江ノ島
第8話 平塚宿
第9話 大磯宿
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女性も楽しめる日本の歴史漫画
2015/09/14 13:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代、庶民の旅が著しく制限されていた中で、仲間やご近所同士で講を作り、資金を集め、お伊勢参りや善光寺参りに代理人を派遣する習俗が行われたのだが、通行手形を必要としない旅の方法には、本作のタイトルの「ぬけまいり」があった。
表向きは寺社詣ででありながら、多分に娯楽的な性格を持つ、この非公式の旅に挑むのは、伊勢で宮大工として働く父を訪ねる少年とその親類の少女で、周囲に告げずに勝手に家を飛び出す形で始まった、大人でも十日はかかる冒険には様々な危険と困難が予想され、街道が整備されているとはいえ、それなりの覚悟と気構えが求められるが、主人公伝十郎は、どこか気の抜けた、ボンボン気質で、それによって引き起こされる出来事や体験を、読者は子供の視線を通して味わうのが、本作の主眼である。
都市化された江戸を離れるにつれ、田園風景や海辺の光景が広がり、そこに住む獣や鳥、魚や昆虫のさりげない生態を、作者は、客観的に、好意的に掬い、叙情的な旅の心情を盛り上げる。
浮世絵や古写真を参考にした風物は、どこかで見た記憶を呼び覚まし、現代の読者を、フィクションとは言え、過去の日本人の暮らしの中へと誘い、真実味を持って、心に迫る。
二人が出会う大人は皆、善良で、悪意がなく、子供だけの心許ない道中に、幾多の便宜を図り、目的地に一歩ずつ近づけるように、陰に陽に、力添えをするのも、本作の読後感を爽やかなものにするのに役立ち、好感が持てる。
旅芸人や農民、巫女さんや旅籠のおかみさんなど、チャンバラとは無縁の市井の人々との触れ合いを描く本作は、アクションシーンに重きを置く読者には不満かもしれないが、老若男女をと問わずに楽しめる作品であり、是非、手に取って、過去の日本の情景を追体験してもらいたい。