紙の本
返り咲く
2021/10/15 21:32
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投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2巻の最後の方の経緯で京を離れるけれども、その後華々しく返り咲くなど、寂しげな話の後の華やかな展開が印象的。
巻末の解説がとても助かる。
紙の本
この巻では浮き沈みの激しい光源氏の生活が描かれている
2017/12/13 20:31
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻3では、光源氏は冤罪のため官位を奪われ須磨まで流れてゆき、非常に苦しい生活を強いられる。いずれまた都へ華々しく復帰するのだが。この巻では浮き沈みの激しい光源氏の生活が描かれている。
紙の本
平安時代
2023/06/12 17:15
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投稿者:ないものねだり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「源氏物語」は平安時代の天皇・貴族の生活を知る歴史資料としても重要。原本は未確認。写本のみが現存する。
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恩師が瀬戸内寂聴の源氏物語はいい!読め!とおっしゃったので手に取ってみた。源氏の君の浮気っぷりが腹ただしいやら爽快やら。目指せ全巻読破!
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明石の君登場!彼女は割といいポジションだと思うのですがどうなんでしょう?綺麗で教養もあって中々素敵な書かれ様だしね。また政治色が一層強くなり、源氏の君は藤壷の尼君と精神的により深く結ばれてる感じです。
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明石の君は本当に思慮深い方ですねえ…
でも紫の上のこともっと気遣いなさい!げんじ!
あ、でも一番好きな話は絵合せの回です。
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光源氏26歳の記録。プレイボーイ盛りの源氏は、異母兄弟である兄帝のご寵愛する姫に手を出してしまい失脚!遠く(といっても明石なんだけど)に流されてしまう。そんな危険を背負ってまで手を出さなくても…と思ってしまうのだが。
そんなこんなですっかり落ち込んでるかと思いきや、明石でも素敵な女性を見つけてしまうあたりがこの人のポジティブなところ。しかもそうこうしているうちにまた都に戻れることに。一件落着。
現代の私たちからすると物語がぶっとび過ぎていて「え~!!」の連続だけど、源氏の行動が大胆すぎて爽快で、彼を取り巻く女性たちの心理描写は「あるある!」と納得。まだまだ読み続けられそう。
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この巻で、印象に残ったのは、光源氏の愛した女たちのなかでただひとりブサイクで読者に強い印象を残す(?)「末摘花」。源氏にずっと忘れられていたのに、いつか思い出してもらえるはずと信じて、貧乏になって家は草ぼうぼうに荒れはて、そばに仕える者もいなくなっていっても、ただひたすら源氏を待っている。たまたま通りかかった源氏に思い出してもらえて、以後は面倒を見てもらえる(でも愛してはもらえない)ようになる。この末摘花という女、不器量なだけでなくて変わり者というか意固地というか、折々のお手紙なんかを出したりもしないから友人知人もいなくなって忘れられ、頼れる身内もなく、自分から楽しみや慰めを見つけるわけでもなく、ふっるい絵巻ものなんかをながめるくらいで、どんどん荒れさびていく家で泣きながらただただじっとしているという。なんか、他人とは思えない(笑)。瀬戸内氏が解説に書いていたように「純真」とはわたしはあんまり思わなかったけど……。まあ、紫式部もいろんなタイプの女を描いたものだなあ、と感心したり。ほかにも、六条の御息所、空蝉などのその後の話もあって、こういう後日談みたいのもあったのね、よくできてるなあ、とあらためて思う。
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やっぱり巻末の寂聴さんの解説が面白い!
朱雀帝の不憫さや、源氏の立ち回りのうまさがはっきり分かる巻。
明石の君にも紫の上にも良い顔をして調和をとろうとするあたりや、御息所の娘である齋院を利用して政略結婚を企てるあたり、この男のしたたかさがうかがえる…
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異母兄・朱雀帝の寵姫である朧月夜の君との逢瀬を契機に凋落していった源氏は、須磨への都落ちを決める。
身はかくてさすらへぬとも君があたり
去らぬ鏡の影は離れじ
別れても影だにとまるものならば
鏡を見てもなぐさめてまし
という源氏と紫の上のやりとりがとても美しい。
邸を須磨から明石へと移した源氏は、そこで明石の君という女性と結ばれ、子を産ませる。
後にこの明石の姫君を紫の上に引き取らせて育てさせるのだが、正妻であるにも関わらず子供ができない彼女の心中は穏やかではないだろう。
藤壷との罪の子・冷泉帝の即位、六条の御息所の死など大きな出来事が起こる3巻、および先の2巻は、『源氏物語』全体のなかでももっともおもしろい帖が多く収められていると思う。
「須磨」「明石」「澪標」「蓬生」「関屋」「絵合」「松風」の7帖を収録
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光源氏は、帝の愛する人との密通現場を押さえられ、官位を剥奪され、流罪になる前に自ら都を出てから戻るまでの話。最後にある「源氏のしおり」で復習すると、物語がまた一層わかる。
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光源氏も随分失意の晩年の雰囲気になります。しかし、これが27歳の時の日々であるというのは驚きです。須磨、明石と、神戸周辺が寂しい処と表現されるのは誠に複雑な心境ですが、平家物語でもそのような地域ですから、やむを得ないのでしょう。藤壺、朧月夜、空蝉などのかつてのヒロインたちが再度登場しますが、特に藤壺の冷めた眼は歳月を感じます。朱雀帝から冷泉帝へと源氏の実子・幼帝の時代へと移り、光源氏が後見役へ!藤原道長を思い出させる地位への出世。これからドラマはどのように展開していくのか、佳境に入ります。
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不倫や不道徳の域をはるかに超越していて厄介過ぎる。さて、今後はどうやら光源氏はさることながら、藤壺の宮との間に生まれた二世・冷泉帝が父の遺伝子をしっかりと継承してご活躍のことと聞く。未だ全十巻中のうち三巻。いかにも先は長い。
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途中で「多崎つくる」を読んだため明石で中断していた。印象に残るのは須磨での嵐。「細雪」に出てきた嵐はさらに印象的だった。それは芦屋あたりだったか。谷崎はなんらか「源氏」を意識して書いたのだろうか。ここで、夢の存在が大きく影響する。「多崎つくる」は夢の中でシロと交わっていた。シロはつくるにレイプされたと言って、それでつくるは仲間から外された。「伊勢物語」には、「あなたが夢に現れないのは、あなたが私を思う気持ちが強くないからだ」ということばがあると聞いた。私の夢にパートナーが現れることはまずない。というか、身近な人間がほとんど登場しない。出てくるのは間遠になっている実家だったりする。最近は少ないが、自分が高校生くらいにもどって、授業を受けている夢を見ることも多かった。夢は考えるとおもしろい。明恵も漱石も読まないといけない。さて、明石の君に産ませた子どもを、紫の上が育てるというのが次の巻の話だけれども、二人の女性の思いというのはいかがなものなのだろう。明石の君の都での住まいは嵐山のあたり。もっとも、その辺は京の都には入れてもらえないと井上章一さんが言っていたから、源氏からすると、そう易々と会いに行ける場所ではなかったのかもしれない。それでも月に1回とか、お泊りで出かけていくダンナ様を見送る妻の気持ちはどんなだろう。一夫多妻というのは女性たちにとってはどんな思いがするものなのか。というか、それって男性は余っているということ?即興で歌が読めない男子はつらかったろうなあ。
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政敵右大臣の娘、朧月夜の内侍との密通現場を右大臣に抑えられたことで、源氏は官位を剥奪される。そしてこれ以上、流罪という恥をかかされる前に、源氏は自分から須磨へ都落ちする。
紫の上や藤壺の尼君や今まで情を交わした人や数々の女房や付き人との別れ。源氏はお供を数名だけ連れて、須磨の侘しい屋敷に引っ越す。
その別れの様子や須磨というところの侘しさを“あはれ”“悲しい”とあまりにも連発しているので、もう、源氏に同情する気持ちは無くなった。だけど、当時の須磨のような田舎の侘しい景色を“あはれ”と表現するのも日本独特の美意識だなあとしっとりした気持ちになった。
人間で私の心に沁みたのは、源氏よりも朱雀帝である。故桐壺帝とコキデンの太后の息子で、源氏の異母兄。源氏嫌いの母、コキデンや右大臣の言いなりで気が弱く、最愛の朧月夜も源氏に寝取られたのに、怒りを表さず、それでもずっとお側に付けている朧月夜に対して「私が死んでも、あの人(源氏)との生き別れほどには悲しんで下さらないのだろうね。」としみじみ話している。ああ、朱雀帝様おいたわしい〜。この人絶対いい人だよ。優しいところは、故桐壺帝に似たのかな。コキデンとは似ても似つかない。
源氏が須磨にいる間、都では朱雀帝が病気になり、帝位を東宮(藤壺と桐壺の息子とされるが、実は源氏との子)に譲ることを考え始める。そうすると、まだ若い今の東宮が帝になったときには後見人として政治を行う人物が必要→源氏が必要と考え、とうとう、コキデンや右大臣の反対を押し切って、源氏を都に呼び戻す。帰ってきた源氏やそのまわりの者は、官位が元に戻っただけでなく、昇進する。源氏は内大臣として活躍。
冷泉帝(元、東宮。自分と藤壺との息子)の後見人として面倒をみるだけでなく、二条院の側に自分が目をかけた女性(末摘花も)を何人か住まわせるお屋敷を新築したり、須磨時代の奥さん、明石の君を京に呼び寄せたり、亡き六条御息所の娘の元斎宮を入内させたりと忙しい。自分もそろそろ出家するつもりで、嵯峨にお堂も建てているが、仏の道になんて入れるの?
こんなふうに源氏天下になってきた中、いよいよ退位する前の朱雀帝は恋仇であるはずの源氏を何度も御前に呼び寄せて、政治の相談に乗ってもらったり、昔の思い出話を楽しんだりしている。勝ち組じゃないけど、いい人。そして、朧月夜にいうことには
「あなたは昔からあの人(源氏)より、私を下に見くびってられたけれど、私のほうは誰にも劣らない愛情をあなたに持ち続けていて、ただあなたのことだけをしみじみと愛しく思っていたのですよ。あの私より優れた人が再びよりを戻して、あなたのお世話をなさるにしても、愛情の深さということでは、なみなみならぬ私のそれとは比べものにならないと思います。」と誠実なお言葉。こういう人が一番自分を大事にしてくれているって気づかなきゃね。
源氏は明石の君を京に呼び寄せたことで、葵の上に嘘をついたり誤魔化したりして気を使っている。明石の君との間には姫君が生まれ、可愛くてしようがないんだけれど、紫の上との間には子供がない。紫の上は、あちこちの女の人のお世話で忙しい源氏をいつも待つばかり。
“当たり前にいてくれる人”のこともっと振り返ったほうがいいよね。源氏も。