関ヶ原(上)(新潮文庫)
著者 司馬遼太郎
東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦...
関ヶ原(上)(新潮文庫)
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商品説明
東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか?
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日本史の沸点に身を置いた日本の恩人
2004/09/05 03:14
19人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は西軍・石田三成と東軍の徳川家康。時は1600年、戦国末期であり、上杉謙信、武田信玄、北条氏綱そして織田信長といった戦国の英雄はことごとく鬼籍に入り、徳川家康は唯一といってよい生き残りである。
家康は秀吉の進行にさえ一歩も引かず、小牧長久手の戦いでは遂に追い返してしまう。家康には内心敵わじ、と思った秀吉は家康征伐を諦める。家康を放置しておき、秀吉は天下を統一した。しかし、家康は秀吉の死を境に天下統一の野望を公然と示すようになる。
それを許すまいとして立ち上がったのが、石田三成であった。おそらく三成がいなければ関ヶ原さえ起こらず家康は天下を統一したであろう。全国の大名は表面は西軍についているが、多くが内通し、東軍についていた。秀吉に子供のころから育てられた福島正則、加藤清正まで裏切っている。
三成は正義の人として描かれている。彼は秀吉を裏切る不忠義者を絶対に許したくなかった。これは本心だったと思う。石田幕府を開くことなど考えていなかったろう。実に、石田三成は日本人の面子をギリギリで保った功労者であった。家康さえも「人というのはこうも簡単に恩人を裏切れるものか…心が冷えるわ」とまでいっている。これで誰一人忠義を示さなかったとしたら、江戸時代など世界に恥ずかしくて堂々と言及できなかったろう。
数少ない三成の同士である大谷吉継は最後まで戦った。宇喜多秀家は1万7千の大兵力で西軍の主力として最後まで戦った。東軍は10万を超す大軍がことごとく働いてる。2千の兵で、しかも目の見えない大谷の後ろから表面上は味方だった裏切り者の槍が迫る。その人間模様は現在の国際情勢に通ずる所がある。「すべての国は裏切りうる、仮想敵国である」というのはチャーチルの言葉である。
大谷との友情、毛利の裏切り、島津の中立、上杉の正義、三成の情熱、そして何よりも家康の大戦略。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とはマルクスの言である。現代に生きる知恵が「関ヶ原」には込められていると思います。司馬文学の最高傑作であり、日本史のクライマックスである「関ヶ原」は現代人全てに教訓を与えるものであり、全ての人にお勧めすることが出来ます。
魅力的
2017/06/08 17:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わやん - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説やドラマの中では憎まれ役の三成が、人間味溢れる魅力的な人として描かれています。
生真面目な分だけ嫌われる彼を慕わしく思う左近や初芽など、三成側の人々も忠義に満ちている。
その分家康の緻密な嫌らしさが引き立って、どんどん憎らしくなっていきますが…。
結果はわかっているけれど、三成を応援しつつ中巻下巻にいざ進まん。
真田も少し出てほしい
2017/02/10 19:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:前田利家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田が出ればもっと良いけどこれもこれでよい
時代ものとしては圧巻です!
2019/01/04 10:51
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の歴史史上、天下分け目の戦いとなった関ケ原の合戦を見事に描いた作品です。特に、己とその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国武将の人間像を浮き彫りにした点が見事です。この合戦での主役を演じた一人、石田三成はいかに戦ったでしょうか。ぜひ、本書をお読みください。
石田三成再評価
2022/11/13 18:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ最近、再評価され小説の主人公になることが多い石田三成である。その再評価の元祖でありおそらく今後とも同系統の本の首席を占めるであろう司馬遼太郎の大作である。古典的でオーソドックな解釈に基づきながらも、関係者登場人物の心の動き、言動を本当に見てきたように描き出している、作者司馬遼太郎の力量に改めて感服する。
狐と狸
2016/11/06 17:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国の天下人といえば、やはり織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人であろう。
この3人の中で誰が一番好きかと問われればそれぞれ好みの問題もあろう。
ただ不思議なのは秀吉である。晩年の朝鮮出兵などどう考えても暴挙愚挙としか思えないが、それでも今でも人気が高いのはどうしてだろう。
そんな三人と比べれば、石田三成などは小さい小さい。
もしかしたら家康に勝ったかもしれないほどの武士ながらどうも人気が出ないのは三成の魅力のなさだろうか。
しかし、現代のビジネスマンとしてはどうだろう。
案外優秀な人物だったかもしれない。
いや、それにしてもこの性格だから、なかなか人はついていかないような気もする。
そんな三成が生涯をかけた大いくさ、「関ケ原の戦い」。
おそらく日本史の授業でも欠かすことのできない東西を二分しての戦いであるが、当然そこに至るまでには多くの人々の思惑が交錯している。
司馬遼太郎が描く「関ケ原」は文庫本にして三分冊になっている長編。
まずその最初となる「上巻」では秀吉の死から次第に力を見せつけていく家康とそれに歯噛みしていく三成の姿を描いている。
加藤清正たちに追われて敵将家康の館に逃げ込む三成など、家康三成双方の思惑が面白い。
まさに狐と狸の化かしあいです。
家康三成だけでなく脇をしめる清正や家康の謀将本田正信、あるいは三成側の島左近など一人ひとりの描写が細かい。
もちろんこれはSFではないので戦の結果は動かしようもないが、歴史はなんと面白いのだろう。
それも司馬遼太郎の作家としての出来の良さともいえるが。
昔も今も変わらぬ人の世の摂理か
2023/10/05 09:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ランディ・B/M - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田十勇士などを読んでいた小学生くらいの頃は、何故関ヶ原で西軍が負けたのか、その後、豊臣が滅んだのか理解できく、義憤を感じていたが、社会人を経験して、人は感情や自分の損得で動き、それを計算しながら行動・言動する者が強者として生き残っていくということが実感でき、それを再確認できる本。昔も今も正しいことが正しいのではなく、生き残った者、出世したものが正しく、強いという結果だけ。もっと早く気づいていれば、とも反省する。
濃厚な歴史小説
2021/06/27 11:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
関ヶ原の戦いが出てくる歴史小説はこれまで腐るほど読んできて、あらすじはバッチリ分かっているはずの自分にとって、大歴史小説家が描く関ヶ原はどんなものかと楽しみに読みました。ある種王道の歴史小説でありながら、時たま作者の余談も入りながらで、楽しめました。濃厚な内容で、上巻は秀吉が亡くなる直前の辺りからスタートし、家康の大坂城二ノ丸入場まで。後半になるほど家康と謀臣本多正信のやりたい放題、悪逆ぶりが目につきました。
豊太閤の死から
2002/07/08 08:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
天下を文字通り分けた、天下分け目の合戦、関ヶ原の戦いについての小説。
意外と合戦に至るまでの政治的な駆け引きに主眼が置かれた書き方がされている。
豊太閤の死直前から始まり、豊太閤死後の家康の変貌、石田三成と福島・加藤をはじめとする武断派諸将との軋轢がどのようにして家康に天下を取らしむる結果になったのか、その複線に終始する一巻。
いしだみつにゃん
2017/09/03 09:40
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あくあ9いっぱい - この投稿者のレビュー一覧を見る
いしだみつにゃんでお馴染み石田三成と徳川家康のお話。戦国オールキャストの名に恥じない多彩な脇役達がしっかり働きます。