現実に起こり得るかも
2015/12/13 12:48
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投稿者:ずんのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本で書かれている球界再編といったことは、最近の野球の日本での他のスポーツと比較した時の地位の低下ということを考慮すると、起こっても決して不思議ではない現象が書かれていると思います(アイスホッケーのように)。
サッカーやラグビーのゲーム・選手が当たり前のように国境の垣根を越えている中で、野球は日本独自の文化を今まで作り上げてきたが、それが逆に現在の停滞に陥る原因の一つになっているように感じます。
その意味でこの本で描かれている内容は、プロ野球ファンとしても決して物語だけの他人事の話として片付けられない内容だと思います。そんな刺激を受けたこの本に5点の評価を付けます。
スポーツの世界だけではないグローバル化
2015/05/01 07:38
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投稿者:oiaia - この投稿者のレビュー一覧を見る
近鉄とオリックスの合併で、日本プロ野球機構の様々な課題を社会が知ることになった。本書はこれらの課題を解決するために、アイスホッケーのリーグのように、日本の外とリーグを構成しようとするストーリー。早いストーリー展開の中でも、色々な人がプロ野球にかかわっていることを知ることができる。また、実現性ゼロでない改編案に、自分が賛成か反対か揺れる。
ここに出てくる話はプロ野球であるが、同じ構図は別の世界でも見ることができる。自動車、製薬といった業界の一部で起こっているグローバル化を読みながら思い浮かべた。
やはりそうきたか
2015/10/15 16:01
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投稿者:しまんちゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本プロ野球の再編というのはファンが抱くテーマだと思います。それにメジャーを引き込み、どんな展開になるかと思いきや、最後はそこに落ち着いたかという感じ。ネーションズの話、某関西球団に通じるものがありますね
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投稿者:金吾庄左ェ門 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本のプロ野球界を4球団に再編しメジャーリーグに合流するという構想が実現し、タイトル通り、読んで字の如く日本球界は消滅してしまいます。
セイバーメトリクス理論を駆使する主人公がそんな構想を叩き潰してくれるかと思いきや、そんな事はなく、自チームの優勝に貢献する以外見せ場がなく、独立リーグのGMに治まりほのぼのと終ってしまいます。
メジャーリーグの良い面ばかりを見て、再編・合流した日本球団がメジャーリーグの悪い面ばかりに突き当たってしまうのが、ちょっとした救いでした。
球界再編を題材にした異色のスポーツ小説
2015/08/17 12:38
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
プロ野球の球団合併を題材にしたフィクション。球団合併の一報がマスコミに報じられ、球界に激震が走ります。第2の球団合併の噂も流れ、12球団が10球団の1リーグ制への移行が予想されるなか、選手、ファン、球団フロント、審判などの様々な立場の登場人物が織り成す物語。ストーリーの進行に連れて、この合併が単なる球団数の削減ではなく、日本のプロ野球界が4チームに集約され、韓国、中国のチームを加えて6~8チームによるMLBの「極東ディビジョン」を形成するという遠大な構想の一部であることが露になっていきます。合併に反対する選手達、自らの野望のもとに構想を進めるフロント。果たしてこのMLB編入という構想は実現するのか・・・。
野球のプレーシーンは少ないですが、球団に関わる様々な立場の人達の世界を著者が丁寧に描いてくれるので全く飽きません。2004年のプロ野球再編問題の時、固唾を呑んでその成り行きを注目した人なら、間違いなくストーリーに没入できます。
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和製マネーボールかと思ったら違った。わかりやすい実物が存在するモデルを設定し、ありえそうな発想がぽんぽん飛び出てくる展開が楽しかった。本当にこうなるのではと今も思うくらいの迫力とリアリティもあった。
常に野球ビジネスの話がメインに流れ、余計な展開や描写がほとんどないのもまたよかった。
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文庫版を再読。フィクションとは思えない日米球界の合併シナリオともいえるストーリーはリアリティがあった。実際にこのような事態になったら、自分はどう思い、どう行動するかと考えさせられる作品であった。
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プロ野球の球団合併を題材にしたフィクション。球団合併の一報がマスコミに報じられ、球界に激震が走ります。第2の球団合併の噂も流れ、12球団が10球団の1リーグ制への移行が予想されるなか、選手、ファン、球団フロント、審判などの様々な立場の登場人物が織り成す物語。ストーリーの進行に連れて、この合併が単なる球団数の削減ではなく、日本のプロ野球界が4チームに集約され、韓国、中国のチームを加えて6~8チームによるMLBの「極東ディビジョン」を形成するという遠大な構想の一部であることが露になっていきます。合併に反対する選手達、自らの野望のもとに構想を進めるフロント。果たしてこのMLB編入という構想は実現するのか・・・。
野球のプレーシーンは少ないですが、球団に関わる様々な立場の人達の世界を著者が丁寧に描いてくれるので全く飽きません。2004年のプロ野球再編問題の時、固唾を呑んでその成り行きを注目した人なら、間違いなくストーリーに没入できます。
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めちゃくちゃ面白かった!
続きが気になってページをめくる指が止まらないとは、こういうことを言うのかなと。
すごいリアリティー。
この中で書かれていることはいつ起こっても不思議じゃないなぁと思えるほど現実味があった。
主な舞台が横浜の球団で関内のスタジアムってのもあまりにも身近でますますリアル。
ここ数年の日本のプロ野球界を見ていたら、これくらいのインパクトのある改革がむしろ必要なのかもなぁと思ったり。
ひいてはプロ野球だけではなく、他のスポーツでも同様の問題や課題があるよなぁと感じたり。(実際に関わっている二輪モータースポーツ界でも、これくらいの 大きなインパクトがあれば変われるのかなぁ(^^;;
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解説も含め571ページ。しかも上下左右のマージンがせまく、ページに文字がびっしりと並んでいる。上下巻にしても良いくらいの量だけど、出版社としてはそれでは売れないと考えたのかな?
しかし、この小説めちゃくちゃ面白い。帯に「ページをめくる手が止まらない(二宮清純)」「ラストまで一気に読ませる(北上次郎)」とあるけど、まさにそのとおりだった。
文字数の多さと冒頭に「セイバーメトリックス」の公式が出てくることから、読みはじめたときは「なんか面倒くさい小説なのかな?」とも思ったけれど、ぜんぜんそんな事はなく、「この後どうなるんだ?」→「やはりそう来たか」or「まさかそう来るのか」と小説の世界に素直に飛びこんでいけた。
エピソードもてんこ盛りで、どんでん返しもいくつか用意されており、まるで良質のハリウッドエンタメ作品を楽しんでいる感覚(褒め言葉です)。最後の方はやや力技で持ってった感じもするけれど、読後感はさわやか。
お腹いっぱい堪能しました。
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ハードカバー発売時には「話題にはなってるけど、文庫待ちでええか」と思い、いざ文庫になったらなったで見落として、やっと読みました。
中盤までは、特に選手、球団内のシーンは堂場瞬一っぽいけど、堂場瞬一の方が上かな、という印象。女性の書き方が薄っぺらく感じるのも堂場っぽい。いや、どちらもそこにそれほど重点が置かれてない、ってこともあるんでしょうけれども。
その分、後半のスパイ探し辺りからの企業活劇はなかなか。スピード感もむしろこちらの方が試合のシーンよりある。
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再読しました。
ダークヒーローとも言える牛島の造形は見事だと思います。
日本プロ野球のステークホルダー相関を考え直してしまう。良書だと思います。
スポーツ小説でもあり、経済・企業小説でもあります。
一昔前、実際にパ・リーグで球団が消失し、1リーグ制が提唱されました。その時、ファンと選手会が反発し選手会が主導してストライキに突入しましたが、ファンを中心とした世論のほとんどは選手会を指示していました。
その様子は非常に感情的でポピュリズムと捉えられても仕方がない状態でした。
プロ野球は文化なのか?ビジネスなのか?
プロ野球球団にとってのステークホルダーとは誰なのか?
プロ野球球団の社会的目的は何なのか?
あの騒動のあと、そんなテーマを冷静に考えることなく現在に至っています。
プロ野球をビジネスと考えたとき、またプロ野球球団の運営の主軸を企業価値の向上と考えたとき、日本プロ野球のその様態はアメリカのそれと比べるとあまりにも脆弱に映ります。
好むと好まざると資本の波は押し寄せて来るでしょう。そんなとき我々は自分の足で立っていたいものです。
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10数年前に国内を揺るがしたプロ野球再編問題。その衝撃再びの如く、日本のプロ野球チームが4球団に統合されMLBに加入したとしたら…。豊富なデータに裏打ちされた戦慄のシナリオ。
今後のプロ野球の目指す道を考えさせられる。グローバル化を目標とするか、草の根的の『おらが町のチーム』を選ぶのか。近年の広島、福岡、東北、北海道の地域球団の元気さをみると、日本が選択すべき道は後者のような気がする。赤瀬川隼さんの『球は転々宇宙間』を再読したくなる。
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面白かった。日本プロ野球界の考えるべき課題がリアリティ十分に描かれている。球団オーナー、選手、GM、ファン、その家族などがそれぞれの立場で悩み、考え、奔走する姿が全く間延びすることなく描かれている。物語としての結末もエンディングも良かった。
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コロナ禍の影響で楽しみにしていたプロ野球の開幕も大幅に遅れている今日この頃、野球成分を補うために積読となっていたこの小説に手を伸ばした。
セイバーメトリックス理論に基づきチームを作りあげる大野俊太郎。一方でとてつもない計画を立案、秘密裏に進行させる牛島輝也。その計画が明らかとなり、選手、フロント、ファン、オーナー、新聞記者…さまざまな立場の人たちの思いが交錯する。練りに練った計画に唸らされたり、それぞれの立場の正義を応援したくなる。中盤以降は一気読み。伏線もすべて回収されスッキリ。私にとってはハッピーエンドでした。
しかし、日本のプロ野球頑張れ!と改めて応援したくなりました。