紙の本
関西弁しゃべる女の子は好きやしね
2019/07/02 22:11
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『その街の今は』は、芥川賞作家になった柴崎友香の小説です。
少し前にすてきなテレビドラマになっていたので原作を読もうとしたけど、品切れだったのです。
受賞を機に再版されたのかな、やっと手に入りました。
読んでみると、ドラマよりあっさりしていて、そうか、この話は映像や画像がある方がええんや、と気づきました。
古い街の写真に興味を持つ女の子の話なのですから。
でも、文体が繊細な感じで、ストーリー的にはなんてことない話やのに、楽しめました。関西弁しゃべる女の子は好きやしね。
紙の本
未来へ歩む
2018/05/02 10:20
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社を辞めてアルバイトをしながら次の仕事を探す、28歳の女性の何気ない日常が味わい深いです。大阪市内の過去の写真に惹きつけられたヒロインが、自分自身の将来を見つめていく瞬間が微笑ましかったです。
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いたって普通のお話。内容は特にナイヨーなんだけれど、そこがまた魅力かな。
2011/07/11 11:43
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投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪に住む28歳のカフェ店員歌ちゃん(女性)のお話。
どうってことはない日常と、歌ちゃんの趣味である「昔の大阪の写真を集めること」が合わさって、なんとも言えないやさしい雰囲気を醸し出している作品。
「内容は特にないよー」なんだけれど、それはそんなに悪くない。
ゆったりとした文章。
やさしいひとびと。
独特の雰囲気を構築している。
ただ、登場人物の描き分けが曖昧で――特に女性――その点が非常に読みづらかった。これは誰?これは誰の発言??と何度も立ち止まってしまう。やさしい雰囲気とのメリハリがあったら尚更よかったかな。
でも、その曖昧さがまたやさしい雰囲気に繋がっている、とも言えなくもないのだけれど。
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大阪愛に溢れてはいますが
2021/01/23 19:01
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪愛に溢れている。逆に言えば大阪愛など関係ない人にとっては、退屈かもしれない。特に何かが起きる訳でもありませんし。登場人物たちも、描かれ方がちょっと淡白かなと思いました。
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2015年によかった本10位以内に入れた本。もう一回読みたくなって。「おまえ……、おまえはぁ、一人でも大丈夫やけど、おれは、あいつのことはほっとかれへんねん、って言うねんやん」「ほんまにそんなこと言うんや」「あほや」。そう!それ!あほやって言ってたいのよ。あほや言うてても、いろいろよく見てたり大事に思えたり、よかったって思ったりするのよ。昨日読んでた本は、時間は命っていうのはいいなって思ったけどあとはきれいなことばっかりで疲れた。
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きょうのできごとが好きだったので読んでみた。大阪の街がよくわからなかったから、歌ちゃんがその大阪に力を入れる理由とか(そんなのないかもしれないけど)大阪の描写はやっぱりわからなかったけれど、良太郎や鷺沼さんとのモヤモヤは万国共通であるね。そればっかりじゃ小説として成り立たないけど、そこに街を入れたところが新鮮であった。
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ドラマ版の雰囲気にひかれて
昔と今がつながる時の、歌ちゃんのどきどき感わかる。大阪の街に馴染みはないのに、なんだか懐かしさを感じる!
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大阪が舞台の小説。自分も行ったことのある場所も出てきて親近感がわきます。でも短い小説のわりに読みにくい・・・「きょうのできごと」はスラスラ読めたと思うのですが・・・。古い写真を集める趣味、なんだか良いですね。
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帰省したきっかけで5年ぶりくらいに読み返した。柴崎作品の中では一番好きな小説。掲載された新潮を当時隣の席だった女の子に半ば無理やり読ませた記憶がある。
大阪で生まれ育った普通の若者が日常を過ごしている様子があまりに自然で、風景に溶けんこんでいく。自分も同じようにそうであったから。
街は少しずつ変化していって、自分も年齢を重ねるごとに変わっていく。お互いに変わらないつもりでも。
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きょうのできごと(田中麗奈の関西弁はよかった)原作者の作品。
大阪の街、古い町並みの写真、あったことのない人々の顔。
去っていく人、やってきた人、出会った人、別れた人。
古い会社、残っているビル。つぶれた会社、残る会社。
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柴崎友香 2009. 『その街の今は』新潮社,158p.,324円.
私が手にしたのは新潮文庫版で,単行本の初版は2006年とのこと。実はつい最近までこの作家の名前は知らなかった。映画好きの私は当然『きょうのできごと』は公開当時劇場で観ていたが,妻の書棚にその原作本が置いてあり,「ああ,あれって原作あるんだ」という程度でその場で読まなかったし,名前も覚えなかった。
さて,最近の私の会社の仕事はムラがある。そして,大半はいたって暇である。そんな時にサボってみられないのは,ネットでの検索。私の場合は当然遊びではなく,研究関連のネット利用だが,そんなときに引っかかったのが,この作者,柴崎友香しのインタビュー記事。
http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi091_shibasaki/20090528_4.html
こんな2009年のものである。そう,検索ワードは「地理学」で引っかかったのだ。彼女は私より年が3つ下で大阪府立大学(こちらはWikipedia情報)での専攻は「地理学」だったらしい。大阪府立大学には福田珠己さんという優秀な地理学者が勤めているが,私が彼女に初めて接触したのは,私が1994年に『地理科学』に掲載した論文の抜き刷りを送ったときで,その返信の手紙が残っていた。彼女は学部卒が修士修了後に徳島県立博物館に勤め,その後出身大学の関西学院大学の大学院に入り直した。その後大阪府立大学に就職するが,柴崎友香さんが在籍した時にいたかどうかは不明。ともかく,柴崎さんはインタビューに書いているように,卒業論文を「写真による都市のイメージの考察」というタイトルで書いていたらしい。私の卒論は1993年に『人文地理』に掲載され,都市イメージの言葉はあえて用いていないが,このタイトルで卒論を書くんだったら私の論文を読んでいる可能性は十分にある,と勝手に嬉しくなってしまったり。
そんなこんなで,その卒業論文をいかして書いたという『その街の今は』という作品を早速書店で購入して読むことにした。少なくとも,映画の『きょうのできごと』は非常に好きな雰囲気だし,私もその後写真を研究テーマに用いたり,インタビューのなかに出てくるポール・オースターも当然好きだし。
ということで,読み始めましたが,さすが都市と写真をテーマにした卒論を書いた人だけのことはある。非常に緻密な観察眼から成り立っている小説です。というのも,主人公に自分自身を重ね,古い大阪の写真を集めるのが趣味だという設定。昔の写真を集め,それを手に同じ場所を訪れることを密かな趣味にしている主人公。単に見た目の風景の新旧比較というだけではなく,上の世代の人たちにさりげなく昔の大阪について話を聞くという徹底振り。その代わり,ドラマティックな物語展開はありません。まあ,それは映画版『きょうのできごと』を観ていれば分かることではありますが。しかし,確かになかなか魅力的な作品を書く作家ではありますね。単に風景に対して鋭い観察眼をしているだけではなく,人物描写についてもいえます。
ところで,文庫版には川上弘美さんが解説文を寄せています。これがなかなかコンパクトながら鋭いところをついています。といっても,私はまだ柴崎さんの作品を2冊しか読んでいないのに対し,川上さんはこの解説のために,���んだものは読み返し,読んでいないものも読むという徹底ぶりで柴崎さんの作品世界の特徴を捉えたというから当たり前か。その解説文で,川上さんは柴崎さんを唯一無二の存在と表現していますが,これは有り体の表現としてではなく,柴崎さんであっても,ちょっとした日常の出来事の展開の違いで作品は変ってくるという。つまり,さまざまな偶然性がもたらすものが柴崎作品の特徴だという。柴崎友香という確固たるアイデンティティを有した作家としてではなく,自分の周囲に起こる日常のさまざまな出来事の影響のなかで,彼女はコンテクスチュアルに作品を生産するとでも言い換えることができましょうか。地理学的にもなかなか興味深い作品です。
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『その街の今は』(柴崎友香、2009年、新潮文庫)
本作は作者のみずみずしい感性を活かした作となっています。
豊かな情景描写、さりげない気持ちの変化や人の顔の表情まで頭に浮かぶからすごい。
恋愛と変わり行く大阪の街なみがうまくクロスして、ストーリーが進んでいきます。
登場する男性は草食系が多い気がしました。
(2009年5月29日)
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この小説の舞台となった街に住んでいるのでものすごく臨場感たっぷりに読む事ができました。
おしゃれなカフェでアルバイトをしている、この街ではよく見かけるタイプのおしゃれな(多分)女の子が主人公です。
その、普通の20代後半の女の子と友達との会話のトコロを読んでいると
あぁ、私も同じようなことを、延々友達としゃべり続けていなぁと思い出しました。
そしてそれがすごく楽しかった。
この女の子が、自分が居る街の昔の姿というのに興味を持つというのもすごくわかります。
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なんだか西に帰りたくなった。
田辺聖子さんを思い出す。
嫌な出来事はもちろんあるけど、
嫌な人が出てこない。
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柴崎さんの恋愛小説はリアルなんだ
恋愛小説だからって、恋愛の話ばっかしてるのはリアルじゃない
恋愛してたって、仕事もするし、ご飯も食べるし、電車にも乗る、四六時中すきな子のことばかり考えてる訳じゃない
ご飯食べてて、あ、これこないだあの子がすきっていってたビールだ、とか、電車乗ってて、並んで電車で立ってたときのあの子の背の高さを思い出してみたり、とか、そうゆう自然な感じ
酔った勢いで、良太郎にべたべたしちゃって、翌朝お互いほとんど覚えてなくて、でも知らんふりする訳にもいかず、気まずさと好意が入り交じったほどよい距離感を、心地良いと感じたり、会話がかみあわなくて少しさみしさを感じたり、ちょうリアル
あと、柴崎さんの夜の描き方がとてもすき
飲んだあとにコーヒーのみたくなるあの感じ