紙の本
ゲームニクスが日本のモノづくりを救う
2009/01/11 00:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ゲームニクス理論」とはテレビゲームを科学し、ゲームの「人を夢中にさせる」ノウハウを理論体系化したもの。その日本発のノウハウは、今や世界に通用する共通言語となったという。本書では日本のお家芸ともいえるテレビゲームについて、その操作性やユーザ・インターフェースに関する優れたノウハウを惜しげもなく書き記している。コアなゲーマーだけでなくビジネスマンにも面白く読めることだろう。
それはゲーム作りの基本技術であり、クリエーターのセンスに左右されない普遍的な事実なのだという。著者はこの理論はゲーム以外のどんなものにも応用できると考えている。
テレビゲームにはマニュアルを見なくても始められること、遊んでいるうちにハマって上手くなっていく、という2つの不文律がある、という。使いやすさ、人に優しい、シンプル、分かりやすさ、という視点がゲーム以外の製造業、モノづくりを主産業に据える日本から失われつつある。「日本のものづくりは、いつからかテクノロジー優先になってしまい、最終的にそれを使う消費者を大切にする精神を忘れてしまった」と指摘する。その結果が機能追加のたびにボタンが増えていく家電のリモコンであったり、分厚いマニュアルだったりする。メーカーの押し付けがユーザのストレスさえ生んでいる。実際、使われない機能が多いことは容易に想像できる。
つまり、多機能・多様化する製品・サービスの行き着く先には誰も使えないものになってしまう可能性がある。旧来の大量生産型の製造業では日本のモノづくり企業は生き残れないだろう。かといって多機能だけに突っ走って、ケータイのように国内だけでガラパゴス化しても市場は限られてしまう。テレビゲームにならった「使いやすい、分かりやすい」商品やサービスを世界に発信していくべきだと著者は考えている。ゲームニクスを日本の新たなモノづくり戦略の一つに加えるべきであろう。
現在、製造業の現場で中心を担う人たちはテレビゲームを始めた世代以降の人々なのではないだろうか。だから本書の内容は理解できるはずであり、多くのヒントを得られるはずだ。
第二章ではゲームニクスの4つの原則を掲げている。その一つ、第三原則の「はまる演出」は職場でのOJTにも応用可能だと感じた。いかに効果的に人材を育成するかについてもゲームニクスに学ぶ点はあると思う。
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この本を読んでもゲームニクス理論はわからないし納得できない
2012/02/18 09:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は 「ニンテンドー DS が売れる理由」 という本のなかで 「ゲームニクス理論」 を提唱している. この本はそれをゲームをよく知らないひとにも解説し,応用をしめそうとしたものなのだろう. ゲームニクス理論の 4 つの原則つまり 「直観的なユーザー・インターフェイス」,「マニュアルなしでルールを理解してもらう」,「「はまる演出」 と 「段階的な学習効果」」,「「ゲームの外部化」 ― ファミスタで読み解く」 を解説し,ゲームニクスがなにをもたらす <はず> であるかを,いろいろな面から書いている.
しかし,この本からはゲームニクス理論はよくわからないし,わからないままに応用について書かれても納得することはできない. ゲームニクスについては,具体的にゲームやゲーム機を分析するなかから原則を説明している 「もとの本」 を読んだほうが,えるところはずっと多いだろう.
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こっちはゲームニクスの理論編。主義主張は一貫していて、誰に頼まれたわけでもなく、作業に上手にのめりこまされていくゲームは、どのように構成されているのかについて解説した本。ゲーム製作は、一見感性に支配されているようで、実際はかなりちゃんとした報酬のもとに緻密に構成されていることを丁寧に説明している。この原理に従えば、家電製品などのコンピュータのインターフェースもかなり洗練されるはずであろう、というスタンスは納得がいく。今はやりの繊細で丁寧なおもてなしの作法という、相手の行動を先読みして、その先を提供する、という考え方を実践するためのノウハウ集なのである。
触っただけでうれしい、というのはすごいことなのだ!p.68,69の一覧表がこの本のキモであろう。
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日本のゲームクリエイターが常に心がけてきたことが「やさしく使える」ということで、それが日本のゲーム業界の世界的な成功でもあったということを例を変えて繰り返している本で、大切な基本なのだろうけれど、新書とはいえもう少し先に踏み込んで書いてもいいだろうと思った。ボードゲームしか知らないとかいう人にはいいかも。
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現代の成功例にはゲームニクスと呼ぶ以下の4つの原則が適用されてて。
第一原則:直感的なユーザインタフェース
第二原則:マニュアルなしでルールを理解してもらう
第三原則:はまる演出と段階的な学習効果
第四原則:ゲームの外部化(実世界とのつながりのこと)
これらをwiiの成功の話を例にとって解説してある。
さらにはi pod やgoogle、mixiもこの法則は成り立つから成功したとのことだった。
確かに。当てはまっていく。
あとPS3やビスタがあるけど、売れる商品は物足りないくらいの機能でいいらしい。
その方が直感的なUIを提供出来るから。
wiiみたいにボタンこんだけ?みたいな感じが◎だそうな。
でも逆に。
すかぱーとかケーブルTVが爆発的に伸びないのは
リモコンのボタンが無いせいらしい。(300チャンネルに対して、数個のボタン)
ボタンが増えてもTVを見れる時間に限界がある以上伸びない気がするけど。
仕事と違って、別々に他の人が見れば満足!ってものでも無いので。
けど、PCをこれ以上何か進化させるにはマウスの変化も必要なのか?
と思った今日この頃でした。
読みやすいのでそこそこオススメ
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12月4日読了。日本のゲームが体験的に心がけてきた、ユーザにやさしい・ユーザをひきつける仕組みがゲームニクスなのだと。「1.直感的なユーザインタフェース」「2.マニュアル不要の操作」「3.ユーザの段階的な熟練・ハマリ」「4.外部世界との接続」がポイント。ゲームだけでなく昨今のヒット商品、iPod、mixi、Googleにもこの理論は適用できるのだとか。言っていることはいちいちごもっとも、という感じだが、こうした概念を言葉にすることこそ、新しい価値を産むことに他ならないという気がする。薄い本だしアッという間に読めた。
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新書です。著者の下の名前が私と同じなので、書店でふと手に取りました・・。そしたらこの方は私の母校の新設学部の教授ではありませんか!・・というわけで、買いました。扱われている題材は、最近革命的ともいえる市場拡大を成し遂げたゲーム業界の立役者、「ニンテンドーDS」のヒットの理由を「インターフェイス」や「学習効果」などの切り口で科学的に解説し、それを別の分野の異なる市場においても活用できるのではないか、というもの。新書って、目次を見ればいいものかどうかわかりますよね。
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何に応用できるか、はこちらのほうが多くふれられているが、4つの特徴については「ニンテンドーDSが売れる理由」のほうが具体的に解説されている。
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ユーザビリティなのでした。
一流ホテルのおもてなし技術とかに近いのでは
だから日本はゲーム強いのかもね
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ゲームは説明書がなくてもだいたい遊べるのに、家電などはなぜ分かりにくく、使いづらく感じるのか。
それは、ゲームはゲームニクス理論を基に作られているから。
そう主張する著者の理論を基に、世の中にゲーム性がいかに必要かを説いた本。
ゲームは子供でも分かりやすいように、遊んでいるうちに操作方法が分かるように作られている。どうしたら、先への進み方が分かってもらえるか。どうしたら、操作しやすく感じるか、を常に考えながら設計されています。
まさに日本の文化「おもてなし」
家電のデザインなどに足りないのはこの部分だと思います。
どんどん技術が進歩して、色々な機能を詰め込みがちになってる家電。
そういう所に足りないのは、いかに楽しく使えるか、使っている時にいかに快感を感じるか、いかにストレスを感じさせないか、ということじゃないでしょうか。
そんなときにゲームニクス理論を、ちょっとだけでも導入したら、
もう少し、人にやさしい製品が出来るかもしれないですね。
毎日使わずにはいられない、ついつい熱中してしまう。
そんなゲームのいいところを取り入れた製品が出来て欲しいな。
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子供がマニュアルも読まずにはじめて夢中になるゲーム。
その制作現場で培われたノウハウをまとめ,他分野への応用を説く。
マニュアルを読まなくても遊べるゲームを手本とすべしというのは,
私もずーっと前から感じていたので共感できるが,もっとオドロキが欲しい。
あと,やや任天堂寄りのスタンスが気になる。
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[ 内容 ]
国内販売数が、携帯電話人口の約5分の1に届いたニンテンドーDS。
ブレイクするiPod、グーグル、ミクシィ。
これら一人勝ち商品の共通点が「ゲームニクス理論」だ。
日本のゲームは、スペースインベーダーやドラクエに始まりWiiに至るまで、初心者もマニアも共に熱中させることのできる世界でも稀有な存在。
ゲーム制作のノウハウを体系化したのがこの理論。
ポイントは「使いやすく」「使い込める」ものづくり。
あらゆる分野に応用できる日本発の知恵だ。
[ 目次 ]
はじめに ゲームニクスとは何か
第1章 なぜ、子供は食事を忘れるほどゲームに夢中になるのか?
第2章 ゲームニクス理論-総論
第3章 “任天堂一人勝ち”から分かること
第4章 iPod、グーグル、ミクシィ…本当のヒットの理由は?
第5章 ゲームニクスが医療・福祉・教育分野を救う
第6章 ゲームニクスが日本の未来を明るくする
おわりに 日本のもてなしの文化を見直すこと
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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売れるゲームとはどんなものか?
それは、ゲームニクス理論を取り入れているゲーム機だった。
大切なのは、使いやすさ。
今のテレビリモンコンのボタンの多いこと、それは誰にでも使いこなせるものではありません。
ですが、ニンテンドーDSを見ると、誰にでも直観的で使いやすいものだとわかります。
スペースインベーダーしかり、テトリスしかり、これらのゲームは操作方法がとてもわかりやすく、そしてヒットしています。
ゲーム初心者に、いきなり10個ものボタンがあるコントローラーを手渡したら、困惑し、ゲームは難しく面白くないものという印象をもたれてしまうかもしれません。
ゲームをしたことがない新規ユーザーの獲得のためにも、使いやすさは重視され、それがDSのヒットに繋がった一つの要因だとわかりました。
確かに、納得できる理論です。
この理論は、ゲームだけではく、説明書が分厚い電化製品にも応用してもらいたいものです。
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サイトウアキヒロのゲームニクスとは何かを読みました。なぜ、テレビゲームは面白いのか、子供たちをとりこにするテレビゲームの面白さが分析されていました。(1)直感的なインターフェース(2)マニュアルなしでシステムが理解できる(3)はまる演出と段階的な学習効果(4)ゲームの外部化単純に技術的に優れていてもこのような考慮がされていないゲームは淘汰されていく、という主張でした。これは、ゲームだけでなく他のパッケージプログラムにも適用できる原則ではないかな、と思ったのでした。
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ゲームニクスとは何か?
最近、マーケティング界隈ではゲーミフィケーションというバズワードが出回っている。かなりの勢いだ。
これはゲーム的な仕掛けを応用することでユーザーエクスペリエンスを向上させるような取り組みなのだが、紐解いていくとゲームニクスにたどり着く。
では、ゲームニクスとは何か?
ゲームニクスとはゲームを科学することで「人を夢中にさせる」ノウハウを抽出して理論体系化したものであると、著者は定義している。
おお!これぞ、今求めるもの!ということで読了。
新書なので、大変サクっと読めます。
メモ
ゲームニクスの原則
1、直感的なユーザーインターフェース
2、マニュアルなしでルールを理解してもらう
3、はまる演出と段階的な学習効果
4、ゲームの外部化
総務省の情報大航海プロジェクトに際して、
重要なのはどれほどすばらしい検索アルゴリズムを開発し、ユーザーの行動履歴を分析して情報マッチングを行う”環境”などを整備したとしても、最終的に重要なのはユーザーインターフェースだということです。
なかなか目から鱗情報が多かったのでおすすめです。
目次
はじめに ゲームニクスとは何か
第1章 なぜ、子供は食事を忘れるほどゲームに夢中になるのか?
第2章 ゲームニクス理論―総論
第3章 “任天堂一人勝ち”から分かること
第4章 iPod、グーグル、ミクシィ…本当のヒットの理由は?
第5章 ゲームニクスが医療・福祉・教育分野を救う
第6章 ゲームニクスが日本の未来を明るくする
おわりに 日本のもてなしの文化を見直すこと