へたなSFよりよっぽどおもしろい
2009/01/25 13:36
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
へたなSFよりよっぽどおもしろいのは確かだ。これまではSFの世界の着想であったものが、現代の科学では真面目な研究の対象になっている。
著者は超ひも理論やM理論等を研究する理論物理学者ということである。科学が進歩発展した現代では、同じ物理学とはいっても専門を異にする分野について理解するのは困難であるはずだが、物性論、宇宙物理、さらには半導体工学、生物工学、等々の広い学問分野にまで通じているようである。その知識を全面的に活用し、これまでは空想の範囲内であった考えを、いずれ実現する可能性があるかどうかについて、現在の科学技術レベルから検討吟味している。それらを不可能レベル一、二、三、の三段階に区分し、現在の科学技術の延長上で実現する可能性があるもの、惑星レベルや銀河系レベルでのエネルギーを制御できるレベルなれば可能なと思われるもの、現在確立されている科学知識に反するものとに、分類して解説する。
つい最近までSFの世界での話と思われていた事項が、意外と実現性がありそうなことに驚いた。ただし物理学の世界が、実験で検証できない空想の世界に近付きつつあるとの恐れもないではないが。その反面、その様な面についてもよくよく検討すれば、まだまだ検証する方法が考えられるらしい、というのも心強い。物理学者はしぶとく執念深い夢多き人種らしい。
気になったので…
2016/11/14 23:21
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投稿者:いち映画ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題に「SF世界は現実可能か?」
最先端の科学啓蒙書。
科学はどこまで来ているのかを映画を例にして解き明かしてくれる本です。
頭が薄い…
私としては難解でした。
難解(なんかい)ですので途中、
何回(なんかい)も読み返しました。
むかし、「超能力と科学」という本で
テレパシー、透明、物体移動などは
全て「嘘」である、と切って捨てた
本を読みました。
この本は、大真面目に
幾つもの超科学を現代科学で解き明かそうというものです。
あえて言うと
「永久運動の装置」
「予知能力」
この二つは確実に不可能だ、といっています。
しかし、「透明」、「ワープ」、「テレパシー」等、
可能性はある、
可能性の入口はある、
その入口を見つける可能性くらいはある、
と言っているようです。
詳しくは、ご自分で読んでください…
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「不可能」は厳密に3つに区分できる。
レベル?=既知の物理法則に反していない。百年後には実現しそう。ロボット、物体の可視化。
レベル?=既知の物理学として確立していないが否定もされていない。実現には数千年以上かかる。タイムマシン、ワームホールの通過。
レベル?=既知の物理法則に反する。どう転じても実現しない。(根本法則が変われば別。)予知能力、永久機関。
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ちょっと表面ばかりの話題が多い。内容のカバーする範囲を考えるとそれも分かるけれど、ちょっと物足りない。
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SFの世界に出てくるようなテクノロジーがどのような技術によって実現されるか、またどれくらい時間が経てば現実のものとなるかを考える本。
量子力学の基礎知識(と言っても「スピン」の概念とか本当に基礎中の基礎だが)を既に仕入れていたからか分からないが、何かの知識が足りなくて言ってることが分からないことはなく、読みやすかった。図はもうちょっとあってもよかったかなー。 だが例によって訳がいまいち。「なぜこの方程式は解けないか?」と同じ訳者だった(斉藤 隆央)。今度からこの人が訳したものは避けて原作を買おう。
2009-03-15 thru 2009-03-24
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地球崩壊の危機が迫り、人類は宇宙への長い旅路に出る。宇宙船に乗り、人々はテレバシーで交信したり好きな場所へ一瞬で移動する。宇宙人が襲来すると、真っ先に母艦の周囲にバリアを張ってレーザー攻撃を防御する。宇宙戦艦ヤマトやスタートレック、ガンダムに触発されて学者や技術者になってしまった人はどれだけいるだろう?サイエンス・フィクションを本当に「サイエンス」にしたいと真剣に考えているのは別に子供だけではないはずだ。
昔、よく友達と「もっと昔ともっと未来、どっちに生まれてみたい?」と話していたのだが、先端テクノロジー・SF好きの私は断然未来派だった。良いか悪いかは別にして、今時の子供が生まれた時からインターネットや携帯電話でいつでもどこでも連絡を取り、臓器移植で生後間もない赤ちゃんが助かったり、自分が子供の頃にはあり得なかったことが実現しているのを目の当たりにすると、「あぁ、もっと未来に生まれたかったなぁ」とため息をついてしまうことも。
この本にはSFによくでてくるネタについて実現可能なのか、物理学の専門家が真面目にかつ大胆に説明してくれる。著者は超ひも理論の権威であるが、小難しい議論や数式を一切排除し一般人に非常にわかりやすくユーモラスに、そして興味深い有名人の語録を交えて解説している。
著者はSFネタを3つの不可能(と今のところ言われている)レベルに分けている。レベル1と2はそれぞれ既に近いものが開発されていて実現できそうなものとかなり難しいが結果的に何世紀かかろうとも理論的には不可能ではないもの、3は理論的に絶対無理なものとなっている。
驚くべきことに、レベル1には「スターシップ」「念力」「テレポーテーション」「テレパシー」「地球外生命体・UFO」「不可視化」等多数リストされている。光学迷彩や透明マントになりそうな技術を研究している機関は既に多数ある。粒子レベルの物体を移動させるテレポーテーション実験は成功したそうだ。ちなみに今年はヨーロッパで最新の粒子加速器LHCが稼動して早速故障したところだが、おまけにブラックホールもできて地球消滅しないのかなぁ?と全く野次馬の私の心配も「余りにも小さすぎて一瞬にして消え去る」ということで一応大丈夫そうである。地球外生命体は探すのはとても難しいが(SETI@home でも苦戦中)でそれでも太陽系の外にある惑星は加速的に発見されているので期待できるとしている。
レベル2ではタイムマシンや光速以上での移動などが挙げられているが、それでも数千年以上かければ何とか先がみえてくるらしい。のび太の机の引き出しから乗り込むタイムマシンは非常に洗練された高度な技術なのだ。
レベル3には「永久機関」と「予知能力」の2つである。これらは物理学の基本法則を初めから覆すことになるのでレベル1や2のような現在の理論では解明できないとしている。解明できないだけで不可能だとは言ってないので、いつかアインシュタイン以上の科学者が現れることを期待する。彼も「一見ばかげていないアイデアには、見込みがない。」と述べている。
真の問題は以上のような夢の技術が実現される��で、自分の人生があっという間に尽きてしまうということと、人類や地球自体のもつ時間にもきっと終わりがくるということだ。このような本を読んでいると戦争や不景気、地球温暖化などで苦しむ人類がなんともあわれで原始的で孤独な存在に思えてくる。いつの日か太陽エネルギーで動くスターシップを開発し、宇宙の旅に人類が旅立てるようになるだろうか。
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日系アメリカ人物理学者の著作の翻訳本。SFで出てくる「フォース・フィールド」(日本ではバリヤーですね)や「テレポーテーション」などが実現可能か?を現在の最新物理学から検証するのが本書の中身です。
取っ掛かりはSFでおなじみの技術ですが、中身は量子論が中心となっていて、なかなか手ごわいです。だけど翻訳が良かったのと、解説が丁寧だったので、何となく分かった気になります。
この本を取っ掛かりにして、量子論の本に進んでいくのもよさそうです。
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最近、アニメやSFなどで書かれていることの実現可能性を評価する本が
増えてきていますが、その走りだと思います
これは非常に面白かった(だから他のものも出てきたのかもしれませんね)
SFが正しく未来を評価していかなくてはいけないのを感じた
それと、過去SFで描いた未来を正しく選択して現在に至っているのだろうか
と疑問に思った
人間を作り変えるところまで来てしまっている人類はこれから正しい選択が出来るだろうか?
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SFに登場する科学が実現可能なのか。これを著者が真剣に考察しています。
しかしながら、こういった技術ができるのが何世紀も後だということを知るとなんだが残念な気分に・・・その時まで生きていたい、その時代に生まれたかったと思ってしまいました。
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2011.01.15 読了
東浩紀の『クウォンタム・ファミリーズ』読了後、物理の世界に興味を持ち、読んだ。
名著である。
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現在不可能にみえても将来的には可能になるであろうものを不可能レベルⅠ、判定不能だができるかもしれないものを不可能レベルⅡ、絶対無理なものを不可能レベルⅢとして、わかりやすく科学を解説。中には科学ではなくもはや形而上学の領域に入っているものもあるが、読み物として面白い。
ニュートン的な絶対的時間空間概念が、アインシュタインの特殊・一般相対性理論によって覆ったように、現在真と認められている普通科学が将来的に大きく揺るがされる可能性は大いにありうる。
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物理学の専門家から見たSFのガジェットを考察しています。SF好きにはとてもおすすめできると思います。内容はタイムマシン、テレポーテーションなど。
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「全ての情報は0と1に置き換えることが出来る」、と二百年前に言ったなら、あなたは狂人扱いしかされないだろう。しかし今では小学生でもコンピューターの二進数原理を理解している(賢い子なら)。現在「絶対無理=impossible」と思われる事象も、単に今の時代が追いついていないだけなのかも知れない。今不可能でも、いつか可能になるのではないか? 少なからずの子供たちが、そうした動機で科学者を目指した。著者もそんな内の一人だったらしい。
(続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/200904/article_8.html
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SFなどに出てくるテクノロジーは実現可能か、という疑問を最新の物理学の現状を解説しつつ答えてくれる。ミチオ・カクは1-2年に一冊ぐらいのペースでこの手の一般向け科学書を出してくれるが、本人が一線で活躍する物理学者であり、かつ、普通に読める内容に噛み砕いてくれる。ありがたいことだ。。。・ニコライ・カルダシェフによる文明の分類(今の地球はタイプ0)タイプI;惑星に降り注ぐすべての太陽光線を利用してエネルギーを取り込むタイプII;太陽の全エネルギーを利用できる。スタートレックの惑星連邦タイプIII;銀河全体のエネルギーを利用できる。スタートレックのボーグ、スターウォーズの帝国。・宇宙エレベーター;地球から高度160kmまで到達できれば、太陽系のどこへ行くにも半分はすぎたようなものなんだとか。地球の重力圏を振り切るのにものすごくコストがかかるため・ファインマンはかつて、反物質は時間を遡っている通常の物質に過ぎないと考えていた。宇宙はたった一つの電子から成り立っており、それが時間を行ったり来たりして物質を形成しているのかもしれない、という解釈もある--1 不可能レベル1(フォース・フィールド;不可視化;フェイザーとデス・スター;テレポーテーション;テレパシー;念力;ロボット;地球外生命とUFO;スターシップ;反物質と反宇宙)2 不可能レベル2(光より速く;タイムトラベル;並行宇宙)3 不可能レベル3(永久機関;予知能力)
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この本ではSFに登場する技術を3つの不可能レベルに分けて説明してくれており、ほとんどの技術が現時点では実現させられないけれども、不可能なことではないのだそうだ。ワクワクする話である。
とはいえ実現するまでを想うとあまりに壮大なスケール。物理学の世界って実はロマンの世界だったのか。