紙の本
泣けます
2015/09/29 20:46
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投稿者:まこぶー - この投稿者のレビュー一覧を見る
お文の実父との再会、父への思いは健気と云うか、いじらしい限りです。思わずもらい泣きしてしまいました。龍之進と本所無頼派の次郎衛とのひょんなことからの友情も、男としては羨ましい友情物語で、こんな友情を味わってみたいと思いながら読みました。
紙の本
江戸の庶民に会える
2015/08/19 10:31
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投稿者:ryusho - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の無邪気さが心にしみる。
身分を越えた交流は心温まる。
人物一人一人のセリフや行動が素朴で江戸を感じることができます。
読後に時代劇を見れば、自分が江戸にタイムスリップできるかも…
紙の本
月は誰のもの
2021/08/19 08:17
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投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
髪結い伊三次捕物余話
それまでずっと1巻1年の時間経過で書かれていたのに、
ある時突然10年後の話になっていてちょっとモヤモヤしていました
今回その空白の10年のついてのお話で嬉しかったです
宇江佐真理さん
お文をお父さんに会わせてくれてありがとう
電子書籍
髪結い伊三次の飛んだ10年
2017/05/25 19:20
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投稿者:jyue - この投稿者のレビュー一覧を見る
髪結い伊三次が火事で焼け出された後の、書かれていなかった10年が書かれている。
文の父親との再会、伊三次の心の揺らめき、
中々内容たっぷりで充実した読後感がある。
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人気シリーズの14作目。
ただし、初の文庫書下ろし。
8作目の「我、言挙げす」のラストで火事があって家を無くした伊三次とお文一家。
9作目「今日を刻む時計」では、10年がたっていたのです。
この10年間の空白に起きた出来事を描く内容になっています。
伊三次の妻で芸者のお文は、父親を知らずに育ちましたが、しだいに察してはいました。
お座敷の客として訪れた侍の海野との偶然の出会いから、互いにそれと気づきます。
さっぱりした気性のお文の、胸のうちに秘めた思いが切ない。
互いに名乗りはしないまま、手を差し伸べてくれる実の父親の気持ちを受け取ります。
祖父とは知らずに懐いていたお文の息子の伊予太。
子供の言葉がタイトルというのもいいですね。
一方、不破の息子龍之進ら奉行所の見習いの若い者らは、無頼派を名乗る若者集団を追っていました。
事件が落ち着いた後にふと出会い、互いを認め合う成り行きがまた妙味があります。
伊三次が焼け出されて、お文と離れていた時期の出来事。
不破友之進の妻いなみの、年を重ねた妻の思い。
一捻りした味わいが深く、読んでいてこちらも江戸市中をさまよい、人の心にまで共感したような心地になりました☆
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2019/2/5
すっ飛ばされて気になっていた年月を回想する形。
読んでる間は夢中だから思わないけど、章を読み終えるたびに思うのは作者が死を宣告されていて、おそらくもうかなり目前に迫ってると思われること。
だから感謝して生きようとか言われると何とも言えない気持ちになっちゃうのよね。
身につまされるけど現実にも戻ってしまう。
龍之進と本所無頼派の次郎衛の邂逅はとびきり素敵だった。
近頃影の薄い不破様の活躍も見られてよかった。
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伊佐次さんとお文さんの空白の10年間。
初めての書き下ろし。
この10年間にこんなことがあったのかぁ〜としみじみと読了。
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今までは「オール讀物」に1年半くらいにわたって掲載してから単行本化していたのだが、病床で書いたためか、デビュー作のシリーズの気になる事柄に決着をつけておきたかったからなのか、初の文庫書き下ろし。
シリーズ最初から見守ってきた読み手へのありがたいメッセージとして受け止めた。
章立てはないが、4つのストーリーが描かれる。
(1〜8)父母を知らずに育ったお文が、十年前父親に巡り会い親子の縁を喜んだ話。泣ける。
お座敷の客として来た隠居の侍海野は、お文を見て美濃屋の内儀が探していた娘ではないかと問う。二人が駆け落ちし引きはがされた後に自分が生まれてたことを知っていたが、相手をおもんばかって否定するが海野は親愛の情をかけてくれた。「月は誰のもの」とは伊与太が海野に問うたことば。
(9〜16)本所無頼派を名乗り鬱憤晴らしに悪さを働いていた旗本の二、三男たちのリーダーだった薬師寺次郎衛に、不破の息子龍之進が邂逅し、互いを認め合う話。
龍之進ら奉行所の見習い組は、彼らを捕らえようとして最後の誘拐事件を解決するが、誰も捕らえられなかった。龍之進が荒れていた時期になじんだ芸者小勘が、勘当されて駄菓子屋の親父となった次郎衛と暮らしていた。
(17〜23)焼け出されてお文と別居していた時期の伊三次の、おでん屋の女将との淡い思いと捕り物の話。
(24)不破友之進の妻いなみの、嫁と不破への思い。
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件のシリーズ最新刊で10年間の空白ができたため、大好きなシリーズなのにちょっと違和感が生じていた。そんなファンの気持ちを汲んでいただいたのか、語られなかった10年の間の出来事を綴った書き下ろし作品。
お文の父親の話、本所無頼派の顛末、そして伊三次の出来心など、心が温まったり人間関係の煩わしさを知ったり。ますますシリーズの深みが増す一冊である。
それにしても、「月は誰のもの」と尋ねる伊与太のかわいいことこの上ない。
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なんとなくひといき、といった感じの、物悲しさが
あった一冊。
手の届かない月なんて、誰のでもないのに。
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短編集のような長編。カキオロシ。
最新刊がどの時点の話か、よくわからなくなってきた。
ま、それでも十分楽しめる。
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L
いつのまにか生まれてた、お吉の生まれた頃の話。生みの母親の話は未だ記憶に鮮明でここでまたお文の親がらみの話で嬉しい。
そのほか、伊三次や龍之進、友之進の妻いなみののエピソードてんこ盛り!
いなみの話はあぁそうだったと身内を思う気持ちで読んでしまった。
伊三次の気持ちといなみの気持ち、なんかぐっときた。
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最近は子供世代のお話が多くなっていて少し寂しかったけれど、今回はお文や伊三次の心情を描いてくれて嬉しかった。特にお文が実の父親に会えたお話に感激。また度々語られることのなかった十年のお話を是非書いていただきたいものです。
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短編の様な長編。
10年間の空白が、雪が解けるように、氷解!
お文の父親にも再会。
どちらも、言葉に出さないのに、心と心が通い合う。
その描き方に、作者のうまさを感じる。
大火事で、何もかも、無くし、身体一つと家族だけが命からがら逃げることが出来たが、お文の子供伊与太が、おもちゃも無く、月を見て、『月はだれのもの』と、訊ねる所は、子供にとって、自分の所有物の無さに、無念を感じているのかと、ほろりと、させられてしまう。
人情味豊かな作者が、描く人物像が、素敵である。
龍之進と次郎衛の昔話から、江戸の武士の長男、次男の差が、理解出来、又それゆえ、友と呼べる仲には、難しい物があったのだと、、、、
又、武士の嫁姑の面白さも描かれており、楽しく読み終えた。
66歳で、乳がんで、永眠との事、このような人情味あふれた時代小説が、読めなくなるのが寂しいです。合掌。
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文庫まるごと書き下ろしという贅沢な1冊。
『無頼派』と『純情派』(中二病的で恥ずかしくなるけど、当時彼らそれくらいなんだよね)の決着やら、お文の父親のこと、不破さんちの長男のやさぐれに巻き込まれた感がある芸者さんのその後など、気になっていたいろいろなことをこれでもかというほど、書いている。
個人的には緑川さんちの御新造があのぎすぎすした家庭や男衆や奥さんをなごませてくれているエピソードがよかった。
不破さんちの奥さんも1巻の頃と比べると大人になって、自分の人生をいいものだと受け止められる度量も出てきてよかった。
伊三次の浮気未遂事件もいつもの宇江佐さんなら嫌な終わり方をしそうだけれど、ほろ苦いくらいで終わっているし、それなりにすっきりした終わり方。
家を乗っ取られた娘さん姉妹も性格がよい子で、容疑者になった奉公人を思いやってるし、その奉公人もご主人夫婦を本当に慕っているし、姉妹のおばさんも殺されたご夫婦もいい人ばかりで、悪い人は真犯人のみという、どうしたんだ、宇江佐さん! めっちゃいい話のうえにラストも放り投げたような書き方じゃない。
後味のよい番外編集でした。