個性的で面白い紀行文
2018/12/05 09:06
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『隅の風景』(2013)は紀行エッセイで、作者の趣味と独断が思いっきり炸裂していて面白いです。ビールがそんなに好きか?とかそんなに肉ばっかりよく食べられるな~、と突っ込みたくはなりますが(笑)
エッセイを読んでいると、恩田氏は旅に出ると着実に小説のイメージを得ているのだということが分かります。観光地に行って何をどう感じるかというのは極めて個人的なものですけど、日本の観光は「点と点」を結ぶことしか考えておらず、途中の線がない、だからゆっくり思索しながら歩いて行こうとする人たちのための歩道や休憩所がないという指摘に続いて、「日本は国民が思索することを好まない」という結論を導き出すあたりはなるほどなと感じました。
「スペイン奇想曲」を読んで、今度は北スペインにも行こうと秘かに決意を固めました。
チェコの「ふしぎな庭」の本を読むクジラの話が面白かったです。
作者の趣味と独断が思いっきり炸裂
2018/11/22 01:51
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恩田氏は旅に出ると着実に小説のイメージを得ているのだということが分かります。観光地に行って何をどう感じるかというのは極めて個人的なものですけど、日本の観光は「点と点」を結ぶことしか考えておらず、途中の線がない、だからゆっくり思索しながら歩いて行こうとする人たちのための歩道や休憩所がないという指摘に続いて、「日本は国民が思索することを好まない」という結論を導き出すあたりはなるほどなと感じました。
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単行本を買ったのだが、書き下ろしの『ゲニウス=ロキ覚書』が読みたくて購入。
紀行文だがこれがやたらと面白い。着眼点がユニークで、登場する料理がやたらと旨そうなのがポイントだろう。個人的に食べ物のことを書かせたら吉田健一が最高峰だと思っているが、現役の作家では恩田陸が一番『旨そう』なエッセイを書くのでは? ビール党というのも勝手に親近感w
矢張り外国のことを書いたものがいい。特にスペインの巡礼路を辿った『スペイン奇想曲』が楽しめた。
書き下ろし『ゲニウス=ロキ覚書』では、自作とその舞台になった土地について短いコメントが記されている。未刊のタイトルが早く書籍化されますように……。
『闇の絵本』(※未刊)のコメントには首がもげそうな勢いで頷いた。
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前々から、恩田陸さんの紀行エッセイなんて面白いに違いないと思っていた。とにかく酒の話は出るし、色んな本の話は出るし、妄想は膨らむしで楽しく読めた。旅の楽しみ方はもちろん、そこで何を感じ、どう解釈したのかなど、恩田さんの嗜好/思考を垣間見ることができた。自分も訪れてみたい地域も幾つか見つけることができた。
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恩田さん、ビール飲み過ぎ(^^)
旅の醍醐味は、やはり美味しいものとの出会い。
もちろん、史跡の探訪も楽しみの一つですけどね。
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飲んで食べて、恩田さんもお酒好きだったのか?
旅に出てあちこちからギフトを受け取って帰って来る。そして書く書く書く。
創造する苦しみと産み出す歓びと、読者へのギフト。読む歓びをありがとう
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そのひとが「旅人」かどうかは、その人が書く文章でわかる。
残念ながら、本書ではそれが感じられなかった。残念。
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酒池肉林の旅。読んでるだけでおなかいっぱい。
このひとは小説に比べるとエッセイはいつもスピード感が失われて停滞した感じになってしまうのがもったいない。
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旅先の見どころや来歴、その土地の美味しいものなど十分予習したうえで行く正しい旅。観光が苦手な私も観光旅行に行きたい気になってくる。
饒舌な感じがニガテ。沢山歩き、楽しい仲間と沢山飲んで食べてるところが好き。
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紀行文は、独特な興奮が好きではないんだけど、この人のはやっぱりあっさりしていて読みやすい。
私は別に旅が好きじゃないけど、ちょっと行ってみたいと思うような内容だった。首塚とか
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淡々とした文章の中に、旅先の土地に近寄りすぎず、遠すぎない独特の距離感があって、こういう旅の感覚・見方もあるのかと、(自分が旅をするときにはあまり思わない感覚なので)少し驚きましたが、望郷を思い出しながら遠くを旅をしているような、気負いもてらいもなく、旅を味わえる内容が良かったです。
チェコの回が特に興味深かったので、いつか行ってみたいです。
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紀行文と知らずに読みました。酒や地元の料理に舌鼓というありきたりな内容ではありますが、所々に霊感や風景の奥深くにうごめいている魂を感じるような描写がありました。特に東西の巡礼に関する部分なんかに、先日読んだ「夜の底は柔らかな幻」につながるものを感じました。なるほど本人も言っている通り、小説のヒントを求めて旅をしているんですね。小説家の生活って昔から旅がちで、あまり変わっていませんね。
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恩田陸らしい旅のエッセイ。
巡礼の話なんかは読んでいてとってもわくわくしました。
熊本の回は、馬刺好きには垂涎。
夜の奈良を「夜の底にいるという感じ」と表現するのは、関東育ちの奈良人としてはそれこそ、心の底から共感できます。
巻末のブックリストがまた興味をひく内容で、読んでみたくなる本や写真集が目白押しです。
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恩田陸のエッセイ。
割と静かな文章なんだよな。
私は時々、恩田陸と梨木香歩が混ざってしまうんだけど、このエッセイもまた梨木さん風味を感じました。
最初は淡々と読んでいて、このまま終わっちゃうのかな~と思っていたけれど、後半の日本編は結構面白かった。
私も旅に出たくなり、三度目の『まひるの月を追いかけて』を読みたくなりました。
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著者の調子のせいもあるのか、『恐怖の報酬日記』ほどの伸びやかさが全体的にないかな?
どことなく真面目な態度で旅を見つめており、羽目を外す感が不足している。
ただそんな中、熊本編は期待どおりの楽しさ。とにかく楽しく飲み食いしましょうや、ってな感じの気楽さの楽しさが伝わってくる。
エッセイにはこういう愉しみを求めちょります、当方は。