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  • 販売開始日: 2015/05/29
  • 出版社: 新潮社
  • ISBN:978-4-10-309611-5
一般書

ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

著者 塩野七生

紀元前3世紀後半、イタリア半島統一をなしとげ、興隆の途についたローマ人が初めて大きな危機に直面した。北アフリカの強国カルタゴとの直接対決。象を伴ってアルプスを越えた規格外...

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ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

税込 1,540 14pt

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商品説明

紀元前3世紀後半、イタリア半島統一をなしとげ、興隆の途についたローマ人が初めて大きな危機に直面した。北アフリカの強国カルタゴとの直接対決。象を伴ってアルプスを越えた規格外の名将ハンニバルと、ローマの全権を託された若き執政官スキピオ。地中海の覇権を賭けたポエニ戦争はいかなる結末を迎えたのか――。 ※当電子版は単行本第II巻(新潮文庫第3、4、5巻)と同じ内容です。

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みんなのレビュー56件

みんなの評価4.5

評価内訳

すがすがしき兵(つわもの)たちの物語

2007/06/06 23:48

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 イタリア半島を統一したローマが次に直面した敵、カルタゴ。地中海を支配するこの商業民族との120年におよぶ戦い—ポエニ戦争(前264〜前146)は、都市国家ローマが帝国国家へと進化してゆくうえで必然的な戦いだったが、それは決して平坦な道ではなかった。特に、第2次ポエニ戦争においては、カルタゴの名将ハンニバルによりイタリア本土を侵攻され、ローマは絶体絶命の危機にさらされた。そんな彼らに最終的勝利をもたらしたのは、第1巻『ローマは一日にして成らず』においても描かれたローマ自身の次のような態度だった。
 その1、それまでのローマが常に示していた同盟諸国に対する寛容に満ちた政策。敗者にさえも自分たちと同等の権利をあたえようとするローマを裏切ってまでカルタゴ側につこうという信義を欠いた同盟都市は、ほとんどいなかった。ローマを窮地に追い込んだハンニバルの甘い誘いを受けても、それは変わらなかったのだ。
 その2、度重なる敗戦という屈辱的経験に耐え、かつそこから学びとる態度。ローマ史上最大の敗北を喫したカンネーの戦い以降のローマ軍は、天才軍師ハンニバルに対し真向勝負には出ず、「ぐず男」と揶揄されたファビウスのもと、持久戦法をとるようになる。そして、そのように耐えに耐えた十数年の後、ローマ軍はハンニバルの戦法を徹底的に自分のものとした若きローマの将軍スキピオのもと、ついにザマの戦いにおいて宿敵ハンニバルを破ることとなる。
 戦記はまた、ローマ、カルタゴ軍ともに数々のドラマも描き出している。幼少の頃より、ローマへの復讐を誓いそれを実行に移した孤高の武将ハンニバルと、それに付き従うカルタゴ兵たちとの静かなる君臣関係。戦死した敵将マルケルスの遺体を前に長い間、黙祷をささげるかのごとくたたずむハンニバルの姿。明るく屈託のない性格で人をひきつけるスキピオと、それに従う副将レリウス、ヌミディア武将マシニッサらとの友情。ポエニ戦役後に再会をしたハンニバルとスキピオとの語らい。...これらを読むとき、いにしえの武人たちのすがすがしさを垣間見たような気がして、熱いものがこみあげてくるのは私だけだろうか?
 その一方で、物語の終盤は悲哀の色合いが深まる—平和の訪れたローマでスキピオを待っていた晩年の屈辱、奇しくも同じ年に起るスキピオとハンニバルのともにさびしい死、そして第3次ポエニ戦争で壊滅するカルタゴの最期...百年の戦記そのものがまるで、盛者必衰の理を感じさせてくれるかのようだ。
 カルタゴを滅ぼして後のローマは、地中海の覇者としての道を突き進んでいく。それは新たな発展と繁栄の幕開けであると同時に、古きよき時代の終息でもあった。
 古代のつわものたちの夢を追うような一巻であった。

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判官贔屓もローマの強さがあってこそ

2002/03/17 19:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この巻は戦争の天才ハンニバル1人に捧げられている。歴史上何人も現れる戦争の天才であるが、ハンニバルはその中でも最上級の天才である。この評価は異論をみないだろう。
 その天才が、どうしてもローマには最終的な勝利を得ることができなかった(局所的な勝利は数知れないが)。判官贔屓好きと言われる日本人にとっては、この天才の悲劇ぶりが楽しくて仕方がないはずだ。
 ただ、この判官贔屓を楽しめるのも、ローマの強さがあってこそ。ローマが弱ければ、ハンニバルがあっけなくローマを打倒して話が終わってしまう。何度ハンニバルが勝っても、戦いが終わらず、最終的にはハンニバルが破れてしまうというできすぎたストーリーができるのも、ローマの底のない強さがあってこそなのだ。
 ローマの強さに感謝しながら、判官贔屓を楽しもう。
 

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ハンニバル戦争

2024/01/27 20:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る

Iは教科書的だったが、段々面白くなり一気読み。と言っても1週間以上かかりましたが。ハンニバルの襲来に対するローマの戦い。読むべし。

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筆が踊っている

2022/02/15 18:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

この「ローマ人の物語」シリーズ以降、単なる小説家というよりは司馬遼太郎に続く歴史小説家の地位を確立した作者である。ただ先輩の司馬遼太郎と比較すると、いかにも筆が渋く読みにくい難点のある作品が多い。しかし、この作品は世界史上、屈指の戦術家ハンニバルのおかげで、作者の筆が踊り ワクワクするような躍動感ある作品に仕上がっている。

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ハンニバル登場

2017/08/07 21:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

ハンニバルの存在感の大きさは驚くほど。彼の戦術の冴えの凄みには唸るしかない。彼のライバル・スキピオといい天才の世紀だったのだな。

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システムと、天才と、歴史の必然。

2003/05/29 23:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Taka.★ - この投稿者のレビュー一覧を見る

第二巻はポエニ戦争、それもハンニバルが主役となる第二次ポエニ戦争に書幅の殆どが割り当てられている。
アレクサンダー大王以来の戦術の天才、ハンニバル・バルカの畢生の大事業『ローマ東征』に対して、共和政ローマというシステムが、いかに敗れ、いかに苦闘し、いかに学び、そして最後に勝利するかのプロセスが、塩野七生独特の視点と筆致とで活写されている。
そしてハンニバルという劇薬を克服したローマが、必然的に覇者への道を踏み出すに至る過程も。
教科書では決して感じることのできない、歴史の作られる場面におけるダイナミクスを感じることのできる珠玉の一編。
一人でも多くの人に手にとってもらいたい物語である。

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ローマ繁栄は

2021/01/31 15:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

ローマが、かつて、なにゆえにあの繁栄を得たのか……それは常勝将軍のハンニバル率いるカルタゴをやぶったからに他ならない。しかし……なぜ、ハンニバルはローマに敗れたのか…この本で、…よくわかります。

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とてもついていけない。

2009/08/24 08:15

11人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昔は塩野氏のファンで新刊が出ると欠かさず読んでいた。しかし、この本でローマの寛容?な政策にも関わらす、カルタゴが自滅したかのように書かれていたから、彼女におさらばした。カルタゴ側にも誇りや愛国心があるのを見落としているからだ。
 昨今の「新自由主義」を称する面々が韓国併合を正当化したり、左翼がチベットや東トルキスタン(以前だったら、同志レーニンが厚顔にも政権奪取前後は独立を認めると言いながら支配したロシア帝国の諸民族をはじめ、彼が独立を承認したはずなのに再併合したグルジアや同志スターリンが総統と結んだ独ソ不可侵条約によって併合したバルト三国等。ポーランドが独ソ両軍によって分割された事も。)について無視している姿に似ている。
 ローマ帝国が歴史的に見て興味深い存在には違いないが、「支配の天才」とか「理想の国家」とか言うのは持ち上げ過ぎだ。ヨセフスの「ユダヤ戦記」に書かれたマサダでの集団自決前にエレアザル・ベン・ヤイルが語ったという、シオニストがマサダを聖地にした演説を読んだ方がいい。

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2007/05/03 06:58

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2007/06/24 14:38

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2007/08/11 13:59

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2008/05/16 18:01

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2012/09/10 19:23

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2008/09/12 22:57

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2009/04/21 14:54

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