嵐のピクニック
著者 本谷有希子
弾いている私の手首の下に尖った鉛筆が近づく――。優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気「アウトサイド」、カーテンの膨らみで広がる妄想「私は名前で呼んでる」、ボディビルにのめり...
嵐のピクニック
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商品説明
弾いている私の手首の下に尖った鉛筆が近づく――。優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気「アウトサイド」、カーテンの膨らみで広がる妄想「私は名前で呼んでる」、ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い「哀しみのウェイトトレーニー」他13編。キュートでブラック、しかもユーモラス。異才を放つ著者初の短編集にして、大江健三郎賞受賞作。
目次
- アウトサイド
- 私は名前で呼んでる
- パプリカ次郎
- 人間袋とじ
- 哀しみのウェイトトレーニー
- マゴッチギャオの夜、いつも通り
- 亡霊病
- タイフーン
- Q&A
- 彼女たち
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短編集がブレイクスルーだったかな
2016/04/30 17:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:soprannome - この投稿者のレビュー一覧を見る
本谷さんご本人の発言も参考になると思い、掲載します。
短編集(「嵐のピクニック」)がブレイクスルーに近くて、こんなに遊んでいい
んだって気づいてからは重く書くのはやめて、私、重く書くことが向いてない
なって思って、それから軽く軽く書くことを心がけてやったら、どんどん自分
の中でなんかしっくりくるようになって来た。
重く書こうとしてるときよりずっと(重いもの、暗いものが)うごめく気配のよ
うなものが伝わってくる。出そう出そうとすればするほどそういったものって
伝わらなくて、逆に振っちゃたことが自分の中でブレイクスルーだったかなっ
て感じ。(2016.01.29 ラジオ番組のインタビューより)
笑えます!
2016/04/01 21:02
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
どれも狂気、膨らむ妄想、哀しみなど盛りだくさんの短編集。
好きなのは「哀しみのウエイトトレーニング」。
無関心の夫に気を使いながら過ごしている主婦が、本当の私はこんなはずではないと突然ボディビルにのめり込む。
独り言のようなつぶやきがおかしく、どんどんボディビルの効果が出てムキムキになっていく姿が目に浮かんで笑が止まりません。
コーチから「世間はボディビルには冷たいですよ」と言われたるが、夫にも相談せずどんどんムキムキになっていく。
恐ろしいんだけどおかしい。
こんなになった奥さんに相変わらず気づかない主人に、悲しくなって家を飛び出しジムへベンチプレスを上げにいく。
追い掛けてきた主人の前でボディビルのポーズを決める奥さん。
モー想像しちゃいます。
痛さが癖になりそうな
2015/08/23 09:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
痛い小説を読んだ。解説で大江健三郎が「奇妙な味」の翻訳作品に例えておられるが僕はそうは思わない。一般にいう「奇妙な味」と称される作品には当時の米国の商業的必然として綴られた作為を感じるが、この作者の作品の奇妙さからは今の日本という国の天然自然の発想という感触が感じ取れる。だから“イタイ”そしてこの痛さはクセになる予感を覚える。僕はもうこの作者を好きになっている。
不条理の世界
2017/05/27 05:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
普通の人がふとした瞬間に不条理世界に陥るというか、数ある短編がみんな物悲しく哀れな不条理世界。趣味としての読書だと、もう少し楽しめるもののほうがいいかな、とおもってしまった。そういう意味では不条理がうまく抉り出されてるのかもしれないが。
いいのは一編だけ
2019/12/17 22:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
第7回大江健三郎賞受賞作です。何故これが評価されたのか私にはわかりません。短編集ですが、ほぼ全滅です。「マゴッチギャオの夜、いつも通り」だけはいいと思いましたが、他は全滅です。
面白い
2016/02/18 01:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒロユキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ふらっと立ち寄った書店で目についたので購入。
「ちょっと暇潰しになればいいか」ぐらいの軽い気持ちでページを開いたら、あまりに面白くて夢中になってしまい気づいたら半日で読み終わっていました。
文章、構成、ストーリー、全てが完璧で鳥肌がたつくらい素晴らしい。買っても絶対に損だと感じない1冊。