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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2015/06/12
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社文庫
  • ISBN:978-4-06-264880-6

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電子書籍

三月は深き紅の淵を

著者 恩田陸

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見...

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三月は深き紅の淵を

税込 734 6pt

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三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

税込 734 6pt

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商品説明

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない稀覯本(きこうぼん)「三月は深き紅の淵を」の話。たった1人にたった1晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。

目次

  • 第一章 待っている人々
  • 第二章 出雲夜想曲
  • 第三章 虹と雲と鳥と
  • 第四章 回転木馬

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みんなのレビュー656件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

タイトルだけでも、なんて魅力的な

2023/05/31 22:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

同好の士と共に酒を飲み、ツマミを持ち寄り、夜が明けても語り尽くせずまた集う。 良いなぁ。やりたいなぁ…。

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紙の本

読者好きのための一冊。

2022/10/05 12:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

特定のジャンルのみを読み漁るのではなく、只々活字を愛し、本の世界にひたるという読書マニア向け。

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電子書籍

稀覯本マニアなら一度は読んでみたい

2022/06/02 04:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本中の古書コレクターたちが血眼になって探している幻の1冊を巡って、4つの物語が同時進行していく展開が巧みです。決して手に入らないものを追い求めてしまう人間の哀しさと、読書を愛する全ての人への温かいメッセージが胸にしみます。

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紙の本

とある本を巡る4つのお話

2021/10/31 13:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏のメロン色 - この投稿者のレビュー一覧を見る

6番目の小夜子が再放送されていた縁で、初期作品を読み始めました。
一話目が一番好きですが、三話目もなかなか余韻が残りました。誰もが納得いくようなスッキリした締めかたではないけれど、それも含めてミステリアスな世界に魅了されました。

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紙の本

面白い

2021/10/29 22:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る

1冊の本「三月は深き紅の淵を」をめぐる連作短編集。
1つの本について、こんなに話ができる仲間がいることがとても羨ましい。

4作品が収まていますが、どの作品も面白かったです。

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電子書籍

鮫島巧一は

2017/11/01 22:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mutsu - この投稿者のレビュー一覧を見る

鮫島がずっと出てくると期待して読んでいたが、第一章だけのようだった。

三月は深き紅の淵を、本のタイトルが頻繁にでてきたり、本に関する意見交換、作者はどんな人物なのか、一度読んだくらいじゃわからない。

解説つき。もう一度読んでみようかな。

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電子書籍

概ね面白い

2017/06/19 20:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品は「入れ子式小説」のようで、小説について書かれた小説です。稀覯本「三月は深き紅の淵を」を巡るエピソードが4つ収録されていますが、うち第3章「虹と雲と鳥と」は、いきなり女子高生2人の転落死から始まる古典的なミステリー展開で、それだけでも楽しめます。幻の小説はこのエピソードではまだ書かれていない、近い将来書かれるであろう所で終わっています。
第4章「回転木馬」では、この小説の作者が今まさに小説「三月は深き紅の淵を」を書こうとしているところが書かれていて、稀覯本「三月は深き紅の淵を」の粗筋として暗示されていた部分や4部構成であることを受け継ぎつつ、全然違う物語が展開していきます。「こんな書き出しはどうだろうか」という疑問文が所々にさしはさまれるので、それで初めて自分が作中作を読んでたことに気が付いたりするわけですが、一人称で語られている部分(これは執筆中の作品「三月は深き紅の淵を」の視点と執筆中の作者の視点)と、彼女という三人称で語られている部分(これの位置づけがあまりはっきりしない。)と「理瀬は…」という固有名詞で展開される不思議な学園(そこは「3月の国だ」という)の話が、とりとめのない回想シーンが折り重なるように綴られていて、気を付けないと迷子になりそうな不安定な感覚に襲われます。

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紙の本

第4章・・・

2017/01/08 18:42

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

短編集であっても、第4章めは小説の「結」なんですよ。「三月は深き紅の淵を」という幻の本にからめて、各章盛り上げてきて、いざ結の第4章で意味不明のガッカリでは本当にもったいないです。短い話でもいい、メルヘンチックでもいい、ひねりが効いてなくてもいい、とにかく「三月は深き紅の淵を」をきれいに着地させてやって欲しかったです。第4章さえしっかり締めくくれてたら、本当に良い本だったのに、作品がかわいそう。

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電子書籍

麦の海に沈む果実を読む前に

2016/12/09 09:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

読んだ方がいいと思います。リンクしています。私はこれを読んで麦の海にはまりました。恩田さんの奇妙で不思議な世界観すごく好きです。

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紙の本

まさに恩田陸さん・・・という1冊かと。

2015/10/17 01:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「三月は深き紅の淵を」という謎の書籍に関する、ミステリ風の連作短編、あるいは長編小説。注意事項は、ミステリだと思って読むとガッカリするかもしれない、という点のみ。本作は(狭い意味での)謎解き小説ではないと私は思います。本作の魅力は(恩田陸という作家の魅力は)謎解き部分にあるのではなく、「謎かけ」部分にあるのですが、よくよく考えてみると、読書の魅力の大部分はここに集約されている。
私は、本作が好きすぎて、新作を読まなくなってしまいました、良くない読者ではありますが、これほど最初から引きずり込まれた作品も少ない。良い小説だと思います。

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紙の本

稀少本をめぐる連作集です。

2006/06/23 22:41

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 久しぶりに恩田作品を読んでみました。
本書は、恩田さんの初期作品で「三月は深き紅の淵を」という、
幻のミステリを巡る4作の連作集です。
 最後の作品で恩田さん自身と思われる作家の独白っぽい
ものがあり4作の位置付けが判るのですが
一作目は、サラリーマンが会社の会長が含まれるミステリの好事家
の会合に参加する話
これは、実は、こんな「三月は深き紅の淵を」というミステリなんか
ないんじゃないかと、いうお話し。
二作目は、女性編集者が、作者の謎を求めて、旅行する話
これは、ミステリを書いた作家を中心に添えたお話し。
三作目は、謎の死を遂げた、女子高校生を巡るお話しで
これは、このミステリが、書かれるかなり以前のお話し。
そして4作目は、小説を書こうとしている作家と、
夢の中のような不思議な経験をする少女の話。
これは、ミステリが書かれる過程というか、書く直前もしくは、書いている最中のお話しと、なっています。
どれも、一応、独立していますが、微妙にリンクしていて、
謎が、重層に絡み合って出来ています。
 恩田ワールドという言葉があるのですが、
久しぶりに読んで正にそんな感じだったなぁと思いました。
上手く説明できないのですが、恩田さんの書く言葉の霧の中に
取り込まれてぽわ〜んと、した雰囲気に飲み込まれる感じです。
霧の中に入ってぼんやりする感じですかね、、。
 その霧が、謎だったり、ミステリの仕掛けだったりするわけです。
 4作目の作家の独白が、恐らく恩田さん自身に近い、
感覚と感情の吐露で非常に興味深いです。
深夜に書いた文章は、かなり暴走していて、翌朝読み直すとあまり使い物にならない
とか、物語というものに対する、自分自身のスタンスなんかも、書かれています。
深夜に書いた、ラブレターって危ないって、言いますからね、、、。
 恩田ワールドに迷い込んでください。

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紙の本

読んで損なし!

2006/06/21 22:39

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る

恩田陸の新刊を読みました。いや〜これはいい!
恩田陸の会話形式(Q&Aみたいなやつ)に飽きてたけど、これはまるで違う!
小説って、物語自体の面白さや文章のうまさも大事だけど、「綴られ方」の新しいパターンを作るのが本当に難しいと思う。
ドミノやQ&Aしかり、あのパターンを生み出した恩田陸もすごいけど、今回の「三月は深き紅の淵をという、幻の作品を、三月は深き紅の淵をという作品で綴る」技法を生み出した恩田陸は同じ人だけどもっとすごいと思う!
読み進めば進めるほど面白い!
ぜひ一読あれ!

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紙の本

恩田さんって本当に“サービス精神満点”の作家さんである。

2004/04/22 23:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

約3年ぶりに再読した。
恩田さんの作品って読めば読むほど味が出てくる。
本作は今となれば恩田さんの特徴が1番あらわれた作品といえるかもしれない。
とにかくこの方は本好きなのであろう。
本作を読むとそれがひしひしと伝わってくるのである。
一般的に言われている“引き出しの多さ”も彼女の本好きから生まれた所以であると体感出来る。

さて、内容的には「三月は深き紅の淵を」というタイトルの幻の本にまつわる話である。
たった1人にたった1晩だけ貸すことが許された本をめぐるさまざまなエピソード…
全4部からなる構成であるが、ワクワク感を持って読めるという点では本作は傑出した作品となっている。
イメージ的には“テレビドラマのオムニバス形式みたいな感じで楽しむべき作品”かもしれない。

やはり入れ子形式の作品として考えると構成力の素晴らしさが目につくのであるが、第1章〜3章までのそれぞれのストーリーも読者を釘付けにしてくれる点は忘れてはならない。
個人的にはやはり切なさが1番漂っている第3章が良かったかな。
いずれにしても、専業作家になる前に書かれた作品で作者の意欲が読者に伝わってくる点が嬉しい。

今回特に注目して読んだのは最終の第4章である。
初読の時ほど第4章に関して違和感を感じなかった。
1人称で語られてる部分があり恩田さんの“野心と本音”を垣間見ることが出来たような気がする。
ある程度恩田さんの作品を読まれた方にとってはきっと大きな収穫であろう。

第4章はまとまり感においては物足りない面も否めないが、きっと『麦の海に沈む果実』へのプロローグへと繋がる作品だと割り切って読むことが出来たからだと思う。
少しは恩田作品の知識も付いて来たかな(笑)

いずれにしても恩田さんのサービス精神満点なところがギュッと詰まった1冊だと言えそうです。

トラキチのブックレビュー

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紙の本

謎の本にまつわる4つの謎の物語

2002/06/20 23:44

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者不明、たった200冊しか作られず、それも、
大部分は作者の代理人によって回収されたとされる自費出版の本。
『三月は深き紅の淵を』。
この、1冊の本をめぐる4つの物語。

もう、この設定からして、素晴らしく魅力的、そして魅惑的。
恩田陸というこの作者の本は初めて読みましたが、
初めて読むのがこの作品というのは、とてもラッキーでした。

第1章から、もう、夢中なってしまいました。
友人が持っていたはずのその本を、膨大な書庫の中から、
謎のメッセージを解いて探し出そうとする老人達。
彼らが巧一を招待したその目的は?
なんとも、富豪というのは酔狂なことを、という感じなのですが、
この4人の老人が、とっても魅力的。
ちょっと風変わりではありますが、本をとても好きなのですね。
彼らの会話からそれがびしばし伝わってきて、分かる、分かる!って。
それに、その中の1人が連れている犬の名前ときたら!
なんて、なんて、まぁ(笑)
そして、4人が変る代わる説明する『三月は深き紅の淵を』のアウトライン。
もう、これを聞いただけで、この作品を読みたくてたまらなくなりました。
それを、そのままこの本のタイトルにしているところに、
きっと、なんらかのトリックがあるのだろうなと思いつつ、
そんなことよりも、その、読む人を片っ端からとりこにするその本を、
とにかく、読んでみたくてたまらなくなったのです。

彼らに出された「宿題」を解こうと、必死に頭を働かせる巧一。
そして、なんらかの答えを呈示しては、次々ひっくり返されて(^^;
でも、最後に巧一が見せた驚くべき冴え。
そうそう、こうでなくっちゃ!
4つの章の中で、この章が、とにかく1番好き。面白かった。
もちろん、他の章が好きでないというわけではありません。

第2章は、夜行列車で旅する2人の編集者の物語。
彼女たちの目的も、また、『三月は深き紅の淵を』を探す旅。
列車の個室の中で、酒盛りをしながら(!)繰広げられる2人の、
作者が誰かという推理合戦の面白さ。
推理って、そのどこかの段階で、ぽんっと何かを飛び越える瞬間が
大切なのかもしれません。
隆子に、そのジャンプのきっかけを与えてくれたものが、2人を
夜行列車に乗せたのです。
そして、旅路の果てに目にしたものは…。
隆子と朱音の掛け合いがスリリングで楽しい章でした。

第3章は、いったい、どこで『三月は深き紅の淵を』とつながるのか、
最後の最後まで謎でした(私の察しが悪いのだろうな〜)。
冒頭で起こる2人の少女の死。
彼女たちの周囲の人々の、その死への様々な思惑で話は進むのですが、
どこにも、『三月は深き紅の淵を』が見当たらないのです。
2人の死の謎。
そして、『三月は深き紅の淵を』の謎。
2人の少女の関係に、目が離せませんでした。

そして、最後の章。
これだけは、私は、ちょっと馴染めませんでした。
こういう形式って苦手なのです。
語られる、とある学校の物語、それ自体は、その雰囲気は、私の好みです。
けれど、1番の山場で、いろんなパーツがここに収束してくるはずの、
この章にはまれなかったのは、残念でなりません。
もちろん、この最後の章こそ全てのカナメであるのでしょうが、
私にとっては、3章までを連作短編にしてくれた方がよかったかも。

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紙の本

謎のルールが謎を呼ぶ

2002/05/28 09:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あき - この投稿者のレビュー一覧を見る

これは、鍵となる本「三月は深き紅の淵を」をめぐる連作短編集で、4作品が収まっています。
それぞれの作品は、主人公となる人物も、その人物への本の関わり方も違い、各作品、独立した話になっています。けれども「作者は明かすな・一人につき一晩のみの貸し出し・コピーは厳禁」などという本につけられた条件は一貫しており、それによりまとまりがついています。
一作ずつ、本当に読み応えがありました。本を巡る謎解きもさることながら、一作ずつ完全に独立しているうえに、まったく雰囲気の違う話が織り交ぜてあるので「まさに一冊で4度美味しい」本でした。

数冊、恩田陸さんの本は読みましたが、長編よりも、このぐらいの中篇小説の方が、特に面白く感じます。

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