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電子書籍
幽女の如き怨むもの
著者 三津田信三
十三歳で遊女となるべく売られた少女。"緋桜"と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。戦前、戦中、戦後、三つの時代の謎の身投げの真相は"幽女"の仕業か...
幽女の如き怨むもの
幽女の如き怨むもの (講談社文庫)
商品説明
十三歳で遊女となるべく売られた少女。"緋桜"と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。戦前、戦中、戦後、三つの時代の謎の身投げの真相は"幽女"の仕業か、何者かの為せる業か。謎と怪異に満ちる地方の遊郭を舞台に、ミステリランキングを席巻した"刀城言耶"シリーズ第六長編、文庫降臨。
目次
- はじめに
- 第一部 花魁──初代緋桜の日記
- 第二部 女将──半藤優子の語り
- 第三部 作家──佐古荘介の原稿
- 第四部 探偵──刀城言耶の解釈
- 追 記
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紙の本
圧倒的ストーリー力
2022/08/25 16:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ルリノツキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりにこの本を読んで
どうして自分が遊女や遊郭にそこそこの知識があるのか思い出しました
全てはこの本からの情報が殆どでした
遊女の視点から語られるストーリーは
とても痛々しく、読むのが辛くしんどいです
それとは、裏腹に圧倒的ストーリー力で
あっという間に読まされてしまいます
「スラッシャー廃園の殺人」とは又違う陰鬱で重く痛いお話です
怖いというのを広義に捉えなければ
怖いという言葉などで納めてはいけないような怖く辛い読中読後の気持ちです
物語とは切り離された扉の裏のページにある「妻に本書を捧ぐ」という文字が読後に重く疑問を持って刺さります
紙の本
時代をまたがる遊郭の怪
2021/12/31 15:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラーミステリーの秀作として知られる刀城言耶シリーズの第六長編。ですが、まず目につくのは妖異魑魅の類より人間の業・怖さ。遊郭に売られてきた少女の視点で語られる話は痛々しく、引き込まれるのに読み進めるがキツイという二律背反状態に。
死者も出ますが事故の可能性が高いような描写で、そうでないにしろ推理を働かせる余地が乏しい。結果、ミステリーというより遊郭を舞台とした風俗や悲恋を描く物語プラス怪異譚という雰囲気です。……と思っていると最後のどんでん返しに足元をすくわれます。やっぱり本シリーズは本格ミステリーなのだと思い知らされました。
紙の本
一つの真実を起点に一気に解決
2018/11/25 15:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
刀城言耶シリーズ第6弾の舞台は遊廓。戦前、戦中、戦後と3つの時代にわたり、3つずつ起こった合わせて9つの身投げの真相を追います。第1部の主人公は花魁。正直読んでいて辛くて可愛そうです。第2部は遊廓の女将が、第3部は作家が、それぞれ主人公。そして第4部で刀城言耶がようやく登場。身投げは呪いなのか、殺人なのか。たった一つの真実を起点に鮮やかに解決!実はシリーズで一番見事かも、と思うくらい、良かったです。
紙の本
これぞ三津田!
2015/12/20 12:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Zero - この投稿者のレビュー一覧を見る
傑作でした。量もすごいが、一気読みさせる構成と展開が抜群。あとラストの謎解きとその先に残る謎が本シリーズ独特の雰囲気を醸し出している。
紙の本
遊郭で生きた花魁の人生
2015/09/07 22:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鹿ノ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前の長編「水魑の如き沈むもの」に続き、今作も分厚い長編。
第一部の初代緋桜の日記はまさに「花魁」の内容で、怪奇めいたところもあるけれど、花魁について深く掘り下げ丁寧に書かれていたので、勉強になった。
身売りをされ、苦界に落ちた女性の悲哀を感じた。