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えげつない犯人。
恐ろしいほど練りこまれた犯罪。
惜しむらくは、キャラクターが、座ってない事か。
立つ以前に座ってない…。
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人気ミステリー作家、成宮彰一郎の妻が行方不明になった。事件性が高いと見た三鷹署の新米刑事ノボルは、先輩刑事の佐藤とともに捜査を開始。次々に容疑者候補が浮かぶ一方、警視庁本部の組対四課や捜査一課も事件に関与してくる。「どうせなら死んじゃっててくんないかなぁ…」不愉快な言動を繰り返す夫、成宮の真意とは―。完全犯罪を「完全」に描き切る、前代未聞の傑作ミステリー!
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ミステリ作家が自ら考えた完全犯罪の完全さを証明すべく策を練り、犯行後の体験をも自分の次回作に生かそうとする物語である。そもそも主人公の作家・成宮彰一のキャラクタや考え方が、極めて身勝手で不愉快である。もちろんそれが著者の狙いであるので、まんまと成功していると言える。たとえ罪に問われなくても、これ以上ないほど心証は悪いのは当然である。だが、思わぬ人物が思わぬ反応をすることで、心の揺れが一瞬露わになるところは、少なからず胸がすき、その後の刑事の対応も応援したくなる。だが結局はどんな罪に問われようと、反省することはないのだろうな、と思えて後味はよくない。ラストのエピソードが唯一の救いである。絶対に現実にあってほしくない一冊である。
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語調がなんというか断切り調で、どうもキャラに同調できずに楽しくならないままでした。
展開としては変わっているし興味深いた思うんですけど。
最後は無理やり納得させられたようで…
多分、私とは相性が悪かったのかな
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完全犯罪をもくろむミステリー作家の仕掛けたとんでもないトリックと、警察との闘いを描いたミステリ。タイトル通り、この犯人は非常に不愉快でむかつきます。動機も不愉快。警察頑張れ!と思いながら読みました。
トリック自体はさほど難しいものではないのだけれど、盲点とも言えるかも。なるほど「完全犯罪」とはこういうものなのかもしれませんが。なんというか、「ミステリ的には美しくない」って意味ではこれもまた不愉快、かも。
と、とことん不愉快な作品ですが。読後感は不愉快じゃありませんでした。やっぱりこうでなくっちゃね。
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奥さんを殺した犯人はコイツだって誰もが確信してるんだけど、一事不再理で殺人罪に問えなくなった。成宮、悪い奴だな、ホント不愉快だわぁ。知能犯だし、犯罪や法律に詳しい(?)ミステリー作家だからやっかいなんだわ。
佐藤刑事の決め言葉「まだ教えてやんねえよ」には愛がある。そのセリフを佐藤への返信に使った新米刑事の兼子、やりきった感がよく表れてると思った。最後までよく頑張ったねぇ・・・。
ノンキャリで定年も近い三鷹署署長「なんにも恐いものはねえんだ。クビにできるもんならやってみろ!」と啖呵を切る。カッコイイ!
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木内一裕?読んだこと無いなぁと何気なく手に取りましたが、巻末のプロフィールを読んで「あぁ~藁の楯の作者」と思い出しました。
藁の楯、内容は忘れましたが読み応えのあるミステリーだったと思います。デビュー作だったんですね。
そしてそれから約10年後の本作というわけです。
読んでみて、一言で言うと『不愉快』です。
登場人物の犯人も、被害者も、刑事も誰一人共感のできる者はおらず、情に訴える内容でもなく、ただただ自分勝手でわがままな人たちが織りなす話です。
ではなぜ最後まで読んだのかと言われると、やはり結末はどうなるのかと野次馬根性です。
そういう点では、作者の目論見は成功なのでしょう。
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人気ミステリー作家の妻が行方不明になった。
完全犯罪を目論む作家と警察のバトル。
木内さんの作品を初めて読みました。
良かったです。
次回作も読んでみたい作家です。
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一事不再理で殺人罪に問えなくなった警察がどんな方法で成宮を落とすかが読みどころで、犯人対警察の息詰まる心理戦と意表を突く展開で面白いです。
しかし、成宮がそれほど不愉快に感じるキャラクターではないですし、佐藤刑事のキレ者ぶり、マスコミやネットの騒ぎっぷりなどの描写も足りず、全体的に淡々としている印象。クライマックスの盛り上がりもいまひとつな感じで残念です。
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不愉快な犯人の話しをずっと読んでムカムカしたのだけど、最後のページでちょっと救われる。
というか、本当は最後までムカムカさせて終わらせたかったはずの木内さんなりの読者へのサービスなのかもしれない。
でも、東野さんばりの推理ものではない、圧倒的なバイオレンスな物語を木内一裕さんには、ぜひぜひ期待している。
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面白かった!たった今読み終わった。内容だけ見れば、性根の腐った男の犯した犯罪をどう暴いていくか。それに尽きるが、最後のシーンがなんとも言えないほど秀逸。
さて、ここからはネタバレ。
売れっ子作家が、自分の妻で完全犯罪を犯してみたいという、そんな理由で殺し、警察の目を誤魔化し、見事起訴されず、もう殺人の罪で裁かれることは無くなった。そこで、頼りになる先輩刑事を本部に取られた頼りない刑事のノボル。彼に殺人者を罪に問うことができるのか。
知能が高い犯罪者と頼りない刑事の戦い。殺人の罪で裁けないってところがこの小説のキモ。飽きることなく最後まで楽しめること間違いなし。
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成宮というミステリ作家がいた。
彼の妻は行方をくらませ、そして死亡が確認された。
彼は妻を殺したのか?
だとしたらどうやって?なぜ?
被疑者はみな怪しい。
同期もそれぞれありそうだ。
一方、成宮の妻もひと癖のある人物だ。
だからと言って殺されていいわけではないが、愛憎入り混じった人間だったようだ。
成宮は不愉快極まりない。
傲慢で自己中心的。
自分は誰よりも優れていると信じて疑わないし、注目を浴びたくて仕方がない。
どこまでが本当でどこからが嘘なのか。
せせら笑い、高くなりすぎた花を明かしてやりたいが、刑事の砂糖とノボルはどうやって犯人を見つけ、どうやって罪を償わせるのか。
犯人のプライド、刑事の矜持。
さて、勝利するのはどちら?
快楽殺人、愉快犯。
こうした人種は確かに存在する。
ひとの心に添えない、自分のためにしか生きられない。
そうした特徴を持ったひとの全てが犯罪者だと言い切るつもりはないが、時にこうした特徴が他人を傷つけ、恐ろしい方向へ向かってしまうことがあるのは間違いない。
物語の中だけなら面白いかもしれない。
多様性は認めるべきだと思うし、「普通」を押し付けることの怖さも理解はしているつもりだ。
しかし、実際に人を傷つけることを厭わず、チリカスのようにしか他人を見られないような人物が隣にいたとしたら。
綺麗事ばかり入っていられない、私もそんなふうに相手を扱うしかないだろうか?
いや、違う。
一番恐ろしいのは自分は普通だと信じ、そこからはみ出るものに対し先制攻撃をする「普通」の人の心なのだ。
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ひねり過ぎなのか何なのか分かりませんが、なんとなくスッキリしないモヤモヤ感の残るストーリーでした。
ミステリー作家が自ら描いた完全犯罪を実行して、世間に誇示するという内容なのですが、それ自体も突飛な話ですし、その完全犯罪を崩そうとする警察の姿もいまいち迫力に欠けているような感じで拍子抜けでした。
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自ら考えた完全犯罪の実効性を示すためだけに、完全犯罪を成し遂げようとするミステリー作家のお話。
いわゆる一事不再理を利用した完全犯罪。その壁を警察がどんな司法制度を使ってどう突き崩すか、終盤までは面白く読めたのだけれど、、、いきなり捜査の主導権がベテラン佐藤刑事から新米金子刑事にバトンタッチさせられて拍子抜け。まぁ、新米刑事に攻防相手が変わったからこそ、ミステリー作家さんに変な動揺が生じ、ボロが出ちゃったのかもだけど。もうちょっと緻密な理詰めで捜査を進めていくものと期待していたので、ちょっと外れた感が残ったかな。せめてもう少し、成宮と愛海の関係性を描いてくれれば、心理的揺さぶりの効果も納得できたかもしれないけど。
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ミステリー作家の成宮彰一郎の嫁が行方不明になり警察は嫁の足取りを追う。携帯も財布も自宅に置かれたまま、自宅のコップには強姦殺人の前科があるヤクザの男の指紋がついていて、警察は拉致監禁を想定し捜査を続けるのだが…全国に名を残す完全犯罪を目論んだ犯人の自己顕示欲と法律に精査してる頭脳、知能犯の語りは面白い。図書館で借りた本。
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自分が留守の間に妻の成宮瑠璃子が行方不明になったというのに驚きもしないミステリー作家・成宮彰一郎。三鷹警察署の佐藤とノボルは最初から怪しいと睨んでおり、やがて証拠をみつけた警察は任意同行をかけ、厳しい取り調べをはじめる。その中で「秘密の暴露」となる証言を導き出し、成宮彰一郎を揚々と起訴するが、それとは全く異なる場所から異なる状態で瑠璃子の死体が発見されてしまい、警察は大混乱に陥る。
最初から自分が犯人だといわんばかりの態度をとり、任意同行されてもわざと腹が立つような言動を繰り返して警察官が自分を恐喝させるように仕向け、やってもいないことを自白。そして証言は強要されたものだと自分で自分を弁護し、一事不再理を勝ち取る。それによって警察は、こいつは犯人だと確信しながらももう手出しすることができない。「不愉快犯」「完全犯罪」とはなるほどなぁと。小説はノボルの視点と彰一郎の視点、両方から描かれており、読者側は成宮が犯行を行っているのが間違いないのがわかるため、余計に腹が立つ(苦笑)。一度無罪として世に放たれてしまった犯罪者をノボルら警察は捕まえることができるのかどうかが見もの。