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首相列伝-伊藤博文から小泉純一郎まで-
著者 宇治敏彦
日本の指導者たちはいかなるリーダーシップを発揮したのか? 小泉首相にいたる歴代首相56名の人物と業績を具体的な視点で述べた,歴史がわかる,社会がわかる,政治がわかる一冊。
首相列伝-伊藤博文から小泉純一郎まで-
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首相列伝 伊藤博文から小泉純一郎まで
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紙の本
2001/10/14朝刊
2001/10/19 22:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一八八五年(明治十八年)の内閣制度発足以来、伊藤博文から小泉純一郎まで、首相に就任した五十六人の政治家について、人物像と業績・功罪を述べた解説書である。巧まずして、一国のトップリーダーはいかにあるべきかを考えさせる政治指導者論になっている。
戦前・戦後を通じて、われわれは結構しっかりした指導者を持っていたことが分かる。戦前では伊藤や山県有朋は強力なリーダーシップを発揮し、原敬や浜口雄幸は政党政治家として傑出していたと言っていい。戦後も吉田茂、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄、中曽根康弘といったところは論じるに足る存在だ。
小泉首相が歴史上どのように評価されるかは、まさにこれからだが、果たして昨今の宰相はどうだろうか。経済だけでなく政治指導者の世界も、二十世紀の最後の十年が「失われた十年」になっていないだろうか。
五・一五事件で政党政治が終焉(しゅうえん)、二・二六事件をへて敗戦に向け、ひた走った当時の首相と、九〇年代の首相は歴史の相似形になっている——本書を読むといや応なくそんな感想を抱かざるを得なくなるところがある。
執筆陣は編者のほか、金指正雄、北村公彦、小西〓應、富田信男各氏のジャーナリストや政治学者で、論文ではなくエピソード中心の平易な記述となっている。歴代内閣の閣僚や年表も親切で、各首相ごとのコラムやエピソードは興味深く、資料としても価値がある。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001