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大聖堂―果てしなき世界(上)
14世紀のイングランド、キングズブリッジ。騎士の息子でありながら建築職人となったマーティンは、老朽化した伝説の大聖堂を復旧し、イングランドでいちばん高い塔の建設を決意する...
大聖堂―果てしなき世界(上)
大聖堂−果てしなき世界 上 (SB文庫)
商品説明
14世紀のイングランド、キングズブリッジ。騎士の息子でありながら建築職人となったマーティンは、老朽化した伝説の大聖堂を復旧し、イングランドでいちばん高い塔の建設を決意するが……幾多の人々が織り成す波乱万丈、壮大な物語。全米ベストセラー第1位。
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紙の本
杞憂の面白さ
2021/12/04 17:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
続編ものですが、まずページを開けて目についたのは、前作と比べて登場人物の多さ。あれだけ面白かった前作を上回れるのか。読む前からこちらが心配してしまいましたが、全くの杞憂でした。前作は登場人物も少なく、誰が悪い奴かもはっきりしていた反面、今回は登場人物が多いため人間関係も遥かに複雑で、まだこの時点では前作と違い、圧倒的な悪人もおらず、まだまだ手探りで読んでいる感じです。次に期待です!
紙の本
災害小説としての側面
2020/03/30 21:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
ケン・フォレットは「巨人たちの落日」を読んだが、第一次世界大戦前から新しい秩序が支配する大戦後へと、大きく時代が動いた節目を世界的な視野で捉えた壮大な作品で数多くの登場人物の動かし方も鮮やかだった。
その彼の代表作と言ってもいい「大聖堂」の200年後が舞台となっている本作品。
第二部まで読み進めてきたが、やはり面白い。登場人物も前作の末裔だったりするものの、全く新しい作品と言っていい。今回も政治的な側面、羊毛市のテコ入れを図る経済的な側面、それぞれの人生や恋模様など盛沢山だが、上巻の大きな転換点となる橋の崩落事故に特に注目したい。とてもスペクタクルなシーンだが、作者はこのシーンを高台から橋を見ていた建築家の徒弟の目を通して、まず崩落に至る原因と直前の兆候の発見、そして事故発生を目撃させている。次に自分の命を守ることに全力を傾けている少女から見た生存への執着とその後の行動、さらにいち早く救助に駆け付けて的確な指示をだし、現場を混乱から秩序へと導く羊毛商人の娘、最後に当時としては最先端な治療を施す従軍医師(実は理髪師)のリアリストぶりで締めくくっている。この描写の流れがとても現代的だと思った。この事故の直前には修道院で魔女裁判が行われ、頭のイカれた女があっという間に死刑宣告を受けるシーンがあっただけに、その対比が鮮明だ。一方は私たちがイメージする無知蒙昧な中世で、もう一方は論理的、先進的な啓蒙主義の時代で一体どちらが作者の描きたかった時代だったんだろう。それぞれの時代には前時代的な側面と、やや突出した先進性が混在しているものだということなのか?エンタメだけでなく、いろいろ考えさせてくれる小説だ。