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投稿者:ねこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず1ページ目から引き込まれてしまった。あまりにわかりすぎる梢恵の状態と気持ち、うん、この主人公には共感できると確信し読み進めた。途中専門的な事柄がでてきてやや退屈な部分もあったけど期待通りの話だった。震災の話があり阪神淡路大震災を体験した私には胸の痛い思いだった。忘れかけていた…忘れてはいけない。
登場人物がみんないい人で実際はそんなにうまくはいかないと思うけど読み終わってホッとした、読んでよかったと思う。そして片山製作所の社長の話は胸に響いた。
紙の本
『ジウ』シリーズでお馴染みの誉田哲也氏による働くこと、生きることの意味を問った作品です!
2020/08/15 10:41
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華』(ムー伝奇ノベル大賞優秀賞)、『アクセス』(ホラーサスペンス大賞特別賞)をはじめ、『ストロベリナイト』、『武士道セブンティーン』といった話題作を次々に発表されている誉田哲也氏の作品です。同書は、恋も仕事も中途半端、片山製作所勤務の「役立たずOL」梢恵に、ある日まさかの社命が下されたことから物語が展開します。単身長野に赴き、新燃料・バイオエタノール用のコメを作れる農家を探してこいというのです。行く先々で断られ、なりゆきで農業見習いを始めた24歳の梢恵に勝算はあるでしょうか?働くこと、生きることの意味を問った作品となっています。
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ユニークな面白さ。
2016/01/17 20:41
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投稿者:ごん太2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何年か前若者が林業に挑む小説があって映画にもなった。小説も映画も痛快だった。この本は数少ない農業を素材にした小説。それだけでもユニークだ。小説の分野が推理や警察にいつまでもとどまっていること自体が時代遅れともいえよう。
今回の主人公は一見さえない女の子。ある事情でやむなく農家に住みこむことになる。当然農業を手伝わなければならない。葛藤や試練を経てそこの家族の温かさに支えられて、ヒロインがたくましくなっていく過程は、思わず応援をしたくなる。
いま日本の農業がかかえているしんどさは厖大なものだ。そうした現実を見据えて、なおサクセスストーリーとして完結させた筆者は、世間に改めて問題提起をしたといっていいだろう。
もう一点、家族のありようみたいなものも心に残る珠玉の作品だといえる。映画化を望みたい。
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心が洗われる!
2015/12/27 15:10
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投稿者:ヤス - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすが、誉田作品。心を綺麗にしてくれる、心温まる1冊
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幸せの条件とは?
2015/11/20 13:49
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投稿者:とし - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても楽しく拝読しました.
小さな機械メーカーに勤務する冴えないOLの梢恵は,社長の一声で急遽,バイオエタノール用のお米の調達に奔走することになります.物語中に起こる東日本大震災によって「食」に対する思いを新たにした梢恵は,ある決意をし,行動を起こします.そんなこんなの中,梢恵が成長していく物語です.米作りについても学べます.果たしてバイオエタノールは作れるのか.幸せの条件とは何か? さわやかな読後感の作品です.
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爽やかな気分になりました
2015/09/29 13:06
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投稿者:たら男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
農業と女の子、この先どうなっていくのかと期待をしながら読んでいるうちに一気読みしてしまいました。警察小説に書かれているようなグロい描写もなく、ほっこりとした気持ちで読み終えました。
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幸せの条件
2015/12/28 17:20
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
働くこと、生きることを問う新境地ですね。ジウとはおもむきが全く違います。農業見習いを始めたOLは気持ちよく読めました。
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結構良かった!☆4.5って感じ。
この本を読む前に、原田マハの「生きるぼくら」を読んだのでなんだかコメ作りづいてる私。美味しいお米が食べたくなるなあ。新米の季節だしねー。
バイオエタノールから農業体験まで、内容は盛りだくさん。農業とはこんなに大変なものなのか。しかしながら、苦労して育てた作物の収穫は楽しいだろうな。子どものような感じかな。
梢恵の成長が垣間見れるのも楽しいところ。もちろんみんながみんな、農業を勉強したら変われるというわけではないだろうけど、少なくとも梢恵にとっては「必要」だったんだ。幸せってこういうことなのかな。
登場人物も良かった。朝ドラに向いてる話だと思うんだけどー。続編が出てもいいな。
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誉田哲也になる“お仕事小説”。
冒頭を読んだところで、これはお仕事小説によくあるパターン-どうしようもない主人公が自分の意思とは関係なくとんでもない世界に放り込まれる-だなと見て取れ、さてこれからどう展開するのかなと思う。
話は山谷あまりなく、唯一不穏な動きがあった文吉さんのエピソードもそういうことではなく、季節の移り変わりに従い米やその他の作物が育てられていく様が描かれる。
間に東日本大震災を挟み、これは作者からするとエネルギー問題や食糧問題に瀕し書く動機を与えたことらしく、またそのことは物語に説得力を与えたと思う。
一方、ヒロインはそれほどの挫折もなく、周りに助けられ農業を経験していく内に物語は丸く収まり、都会育ちのヒロインが一度も腕や脚、腰が痛くならない、そんな仕事のキツさが描かれていないところがやや不満。
ただ、登場する人物が誰もが良い人で読んだ後味は悪くなく、仕事について考えさせられるところもあったりして、ズンズン読ますところはさすがと思う。
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あらすじ(背表紙より)
恋も仕事も中途半端、片山製作所勤務の「役立たずOL」梢恵に、ある日まさかの社命が下された―単身長野に赴き、新燃料・バイオエタノール用のコメを作れる農家を探してこい。行く先々で断られ、なりゆきで農業見習いを始めた24歳に勝算はあるか!?働くこと、生きることの意味を問う、ジウ』シリーズ著者による新境地。
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地味で自信がない主人公が会社の出向先で成長するお話。
内容的にはありきたりだけど、元気をもらえる一冊。
梢枝みたいに素直に頑張れる人になりたい。
H27.11.1~11.6読了。
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農業を中心としていろいろなことを考えさせてくれるのが、誉田哲也さんが書かれた「幸せの条件 (中公文庫)」という物語だ。最近、書店の平台にも置かれていることの多いこの一冊は、忘れてはいけないことがしっかりと書かれている一冊だった。
《あらすじ》
主人公の瀬野梢恵は、2年前に三流私大の理学部を卒業した24才のOL。理化学実験ガラス機器の専門メーカーである片山製作所に勤めているが、理学部を卒業したにもかかわらず専門的な仕事には就くことができず、伝票などを処理する事務員として毎日を過ごしていた。
恋人とも微妙な距離ができていて、恋も仕事も中途半端な状態の梢恵。ある日、社長の片山から新燃料であるバイオエタノール用の米をつくる農家を探すよう、長野への長期出張を命じられる。
片山が開発したバイオエタノール抽出装置に使用する原料調達が目的だが、元来一生懸命に何かをするということをやってきていない梢恵にとっては、契約を取るまで帰るなという社長の命令は衝撃的だった。
半分旅行気分で長野へ出かけた梢恵だったが、行く先々の農家でことごとく門前払いをくらってしまい、いきなり初日から途方にくれることになってしまう。そんな梢恵に手を差し伸べてくれたのが、休耕田を持つ農家と契約して農業を行う『あくもぐ』という農業法人だった。
『あくもぐ』の代表である茂樹には厳しいことを言われたものの、妻の君江や娘の朝子に励まされて農業を一から勉強することになる。急遽、長野の『あぐもぐ』に住み込みで働くことになった梢恵にとっては、除雪からビニールハウスの設営など知らないことだらけの毎日だった。
それでも、厳しくも優しい農業法人のメンバーと過ごすうちに、梢恵は徐々に働くことや生きていくことについていろいろなことを感じ、考え始める。そんな時に東日本大震災が発生。一旦は片山製作所に戻った梢恵だったが、大震災をきっかけとして梢恵の中で何かが確実に変わっていった。
この物語は農家が直面している課題や農業の素晴らしさなどを縦軸にして、東日本大震災のことや原発事故のことなどがどのように生活に影響してきたかが描かれている。しかし、そのことをことさら強調するのではなく、さりげなく取り上げているところに好感を覚えた。
人が生きていくためには何が必要なのか、働くということはどういうことなのかということを、押し付けがましくなく自然に伝えてくれるところが良い。また、エネルギー問題や食糧問題などがわかりやすく丁寧に描かれており、読み終わった時には爽やかな気持ちになるとともに、働く勇気や大切なことを教えてくれる一冊だった。
誉田哲也さんといえば刑事物などのハードボイルドな小説を書かれる方だが、新境地とも言えるこの作品は、心にしみる素敵な物語だった。
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あまり期待せずに読み始めた。しかし、先が気になり次から次へ急いでページをめくることになった。
社会人になって間もないOLの梢恵。辛うじて入れた会社で期待もされず過ごしていたが業務命令をきっかけに農業に出会う。
ここから彼女の成長が始まる。そして農業の仕事としての魅力を彼女も読者も知っていく。
楽しかった。自分を必要とされるよりも生きていく上で自分で自分に必要なものを見つけ出す。
仕事、そして仲間に恵まれた幸せな彼女を見ているのがとても楽しかった。
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本屋でタイトルに一目ぼれ。一気に読み上げた。主人公の成長が目に見えるような表現で、誉田さんはすごいと思った。農業が大切なことはみんな分かっているけど、本当の意味で必要だとか、生きる人のためとかということばが重く感じた。続きが読んでみたいような、これくらいの終わり方でちょうどいいような。
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誉田さんのこれまでストベリーナイトなどのミステリーものとは別次元の視点で描かれた「農業」・「エネルギー」問題を真剣に考え直させられた1冊。
農業の苛酷さを生々しく、農業を知らないOLが米作りに没頭し、会社の社長から『(中略)大切なのは、誰かに必要とされることなんかじゃないんだ。本当の意味で、自分に必要なのは何か・・・。それを自分自身で見極めることこそが、本当は大事なんだ。(P428より)』と会社のクビを宣告。
正に、自分自身が生きていくためにやりたいこを見つけた主人公のOL。
それを取り巻く農村の人々の温かみを感じた物語。