商品説明
完璧な市場予測で資本主義をリセットせよ!
新国立競技場の工事現場で働く中谷は、そこで不思議な老人と出会う。老人は見るからに肉体労働には向いておらず、仕事をクビになるが、彼は大穴馬券を中谷に託していた。老人が去った直後、工事現場では爆破事件が起こり、翌日馬券は見事的中する。
多額の現金を手にした中谷の前に再び老人が姿をあらわし、彼が進める壮大な計画を手伝うよう依頼される。実は老人は感情をも計算して完璧な市場予測をはじき出す「エアー」というシステムを開発しており、高級ホテルのスイートルームでエアーを操り、瞬時に巨額の富を生み出すのだった。
老人から代理人に指名された中谷は、日本政府にエアーを提供する交渉の窓口として政治家や官僚たちと会うことになる。政府が持つ、より大きなデータをインプットすることでエアーは最強になり、市場予測は完璧なものに近づく。その力に気づいた財務省の若手官僚・福田はエアーの導入を推進するが、中谷が要求してきたのは、福島の帰還困難地域を経済自由区として、自分たちにその運営を任せよというものだった。
現代日本の難題をつまびらかにし、壮大なスケールで展開する、読み出したらやめられないスーパーサスペンス小説。
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紙の本
半現実的な構想が非常に良かった
2016/01/21 13:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Spring has come - この投稿者のレビュー一覧を見る
導入部分からは想像のできない方向へ物語は展開していく。よく考えると荒唐無稽な部分もあるが、それを感じさせず、半現実的な印象すら与えつつ、軽快なテンポで進んでいく。ラストはシンプルにストンと落としてあり、大変に面白い小説だ。
電子書籍
面白かったです
2016/01/17 16:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の書いたものは初めて読みました。予備知識もなくミステリ小説なのかなと思って読み始めましたが、冒頭から先が気になる感じでぐいぐい引き込まれました。シーンの切り替わりがすぱっとしていて冗長なところがなく、上手いな思える文体です。途中から謎解きミステリではなく駆け引きを楽しむ感じの流れになり、それも面白くはあったのですが、序盤の爽快感や疾走感が失われた感じがしました。あと印象に残った点としては、人物の描かれ方があっさりしてるかなというところです。キャラに愛着を持つタイプの作品ではないですね。総じて、上手く、面白く、人に薦めたい作品でした。