こんなホテルに泊まりたい
2017/01/15 17:21
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投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
万城目学と共著「ぼくらの近代建築デラックス!」で薀蓄を語りつくした門井氏に興味を持ち本書を手に取ってみた。
「ぼくらの近代建築デラックス!」での博識ぶりとはイメージが大きく異なることが本書の印象。もちろん悪い意味ではない。
全体的に軽妙にストーリは展開する。軸はタイトル通りホテルのコンシェルジュである九鬼。彼が難問珍問を鮮やかに解決していく様は、読んでいて清々しい。
全編、嫌な気持ちを抱くことは微塵もなく、読後感は爽やか。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
映像が目に浮かぶ。
と思ったら映像化されてたのね。
ストーリーの展開も画き方も上手だなあ。
楽しく読めました。
京都のホテル・コンシェルジェが主役
2018/12/25 18:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代小説の作家だったはずの門井慶喜が描くホテルのコンシェルジェの小説である。門井の著作物を読んでいると、それ以外にも建造物にも興味があるようで、ヴォーリーズや国内の洋館など歴史的な建築に興味があるようだ。
この『ホテル・コンシェルジェ』は、舞台が京都にあるシティ・ホテルで、ベテランのチーフ九鬼、フロントデスク担当の麻奈、桜小路家の御曹司で同志社の学生である清長等が繰り広げるドタバタ喜劇である。短編集ではあるが、読み切りとなっている。
せっかく舞台をシティ・ホテルにしているのだから、もう少しホテルらしい、否、ホテルを使う手を考えてみてはどうかと思う。桜小路清長が問題を持ち込み、麻奈がそれを聞き、解決が難しいので、ベテランコンシェルジェの九鬼に頼り切るというのがお決まりのパターンである。
第一作目は京都らしく、「みだらな仏像」で読者の期待を集めるのだが、残念ながら肩透かしであった。最後まで読んでみたが、その調子はあまり変わらない。続編を出すのであれば、殺人や刑事事件などは全く似合わないので、コンシェルジェが扱えるような仕事の中からありそうなものを選択し、それを理詰めで解決するようなストーリーにならないのだろうか。せっかく京都のホテル、コンシェルジェを登場させているのだから、読者の期待をそらさないでもらいたい。
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投稿者:読書はじめました - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白くない。
1話目でリタイア。
文章が硬いのか読み難い、ページが中々進まない、かなりの時間ロス。
1話はどうにか全て読んだが、内容も面白くなかった。
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前半は万能コンシェルジュが活躍、後半はだんだんヒロインにシフト、みたいな感じ。
コンシェルジュさんはホテルマンらしく裏方に回ったり、と後輩の育成となって、暗躍系の探偵さんに。
御曹司君のゆるゆる感もよかった、頼りないけど。
そしたらヒロインがもっとぐいぐいいくタイプだといいのかなー
続くっぽいけど、ちゃんとまだ続いてくれるかなぁ
このまったり感のまま続いたら良いシリーズになるような気もする。
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各話のエピソードにまつわるウンチクがなかなか興味深い。
薀蓄を披露したいがためのストーリーなのか?と思ってしまった。
不満な点としては、人物造形がもうちょっと深ければ良いのに、とか、もっと京都の地元色が感じられれば、などと思ってしまいました。
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万城目学氏との共著「ぼくらの近代建築デラックス!」で溢れんばかりの薀蓄を放つ門井氏に興味を持って、初の門井氏の小説作品。
やはり凡人が知らないような薀蓄ネタに笑みがこぼれた。
「薀蓄在りきで、後からミステリーを組み立てたでしょう。」と 突っ込まずにはいられない。
さらに門井氏に代わり薀蓄をスマートかつ存分に披露するホテルコンシェルジュというキャラクターに思い至った門井氏のほくそ笑む顔が思い描ける。
ということで、普通は可決に至れるとは思えない難事件を薀蓄で解くストーリー展開はミステリー作品としてはあり得ないと思うが、軽快な展開とキャラクターの突飛さと事件のばかばかしさは、薀蓄好きのコメディー作品として楽しく読めた。
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誘拐事件も起きなければ殺人事件も起きない。
本人たちからしてみれば大きな問題かもしれないが、他人からみればどうでもいいような些細な謎を解き明かしていくライトミステリーである。
これといって悪人が登場するわけでもなく、登場人物たちはちょっと世間知らずだったり、ほんの少し親バカだったり、かなりアクが強かったりと個性的だ。
だが、その個性的であるはずの登場人物たちがなぜか薄っぺらい。
表面的な描写に終始して、わかりやすい喜怒哀楽がそのまま描かれている。
あえて軽いタッチにするために人物像を掘り下げなかったのかもしれないけれど・・・。
謎解きに関しては特別驚くようなトリックもなければ、派手な仕掛けもない。
コンシェルジュの枠を越えた九鬼という人物を描きたいための物語のような気もするが、そのわりには九鬼自身もさらっと描写しているだけという・・・。
この軽さが良いと思うか、それとも物足りないと思うかは好みの分かれるところかもしれない。
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門井氏の作品を一言で表すなら、知的、だな。それも嫌味なただただ専門書を読めば分かるようなことを、垂れ流すのではなく、バリエーションが豊富だ。
本作は門井氏の中では、珍しく?コメディ寄り。基本的に四人と一人しか登場人物はいない。キャラの立て方はそんなに秀逸な印象はないんだが、物語全体が爽やか。
しかし、門井慶喜氏は美術探偵シリーズが断然、好奇心を鷲掴まれるわ。
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伝統もありサービスも一流のホテルポラリス京都。
ホテルのスイートに長期宿泊中のお坊ちゃん・桜小路清長が持ち込んでくる厄介ごとをベテランコンシェルジュの九鬼と新人フロント係の麻奈が次々と解決していく短編集。
コンシェルジュとは普通ホテルで快適に過ごすにあたっての相談(観光やお店情報の提供やチケットの手配など)を請け負う人たちだと思うのですが、この作品では桜小路清長が家庭の問題や個人的な問題を思い切り相談しまくってます。
探偵役がコンシェルジュである必然性があまり無いので、現実的ではなくて違和感を少し感じました。
でもその点を除けば、派手さには欠けるけど謎解きの楽しさを味わうには申し分ない連作ミステリです。
それぞれのお話もバラエティに富んでいて、知的好奇心も満足させてくれます。
情報を小出しにして見事解決に至る持っていき方は熟練の手さばきで、安心して読めました。
清長に大学を卒業してもらいたい清長の伯母、資金源である伯母の機嫌を損ねたくない清長、ホテルの売上のために清長に少しでも長くホテルに逗留してもらいたい九鬼、将来コンシェルジュとして仕事をしたいために清長の問題を解決しようとする麻奈。
各々の目的は異なるのですが、九鬼はすべての人が納得でき、幸せになれるような解決策を提示していきます。
それぞれの意図で動く人々を納得させ、物語のドラマに落としこんでいくスリルは謎解きよりも興奮しました。
また続きが出たら読んでみたいと思わせてくれる作品でした。
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お騒がせ桜小路一族の困りごとを有能コンシェルジュ九鬼がさくっと解決してゆく日常系ミステリ。キャラクターがたっているのでドラマ向けかも知れないけど、見所は…京都の景色かな?
可もなく不可もなくだが、よくある設定すぎて特徴がない。
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京都の名門ホテルのベテランコンシェルジェの九鬼が、長期宿泊をしている名家の桜小路清長の依頼を受けて、様々な謎を解決していく日常の謎もの。
門井作品はその道のプロを描くものが好きなので、お仕事ものとして、期待して読んだ分、全体的に下らない登場人物が目立って、かなりがっかり…
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ホテルの新米フロント係・麻奈にとって、コンシェルジュ・九鬼は憧れの人。別に見た目がタイプとかじゃなく、とにかく九鬼の仕事は完璧。いずれコンシェルジュになりたいという麻奈に、九鬼は客の相談事を次々と振る。厄介な相談の主は、富豪の伯母の金でエグゼクティブスイートに滞在中の御曹司・桜小路。
普通には面白いんですけれど、可も不可もなさ過ぎる。真面目な麻奈とクールな九鬼、天然の桜小路に横暴な伯母。キャラとしては面白いはずなのに、その面白さが生かし切れず、時折腹立たしい方向に走ってしまったりもして、なんだかドタバタしているうちに終わっちゃった感。「みだらな仏像」に映画『燃える仏像人間』(2012)ぐらいの衝撃度を求めちゃいかんか(笑)。
学生時代を京都で過ごした者としては楽しい場面がいろいろあります。それに、寝屋川にスポットが当てられている小説というのは初めて読んだような。そこのところは楽しめました。
映画『燃える仏像人間』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/44d276de1187f17abbf07e633f33bb0a
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すごく評価が難しい。しっとりでもかといってドタバタでもない。何回か読み返すとまた違った面白さが出てくるのかもしれない。登場人物は面白いので続編を期待したい。