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電子書籍
空の思想史 原始仏教から日本近代へ
著者 立川武蔵
一切は空である。神も世界も私すらも実在しない。インド仏教がその核心として生んだ「空の思想」は絶対の否定の果てに、一切の聖なる甦りを目指す。やがてこの全否定の思考は、チベッ...
空の思想史 原始仏教から日本近代へ
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空の思想史 原始仏教から日本近代へ (講談社学術文庫)
商品説明
一切は空である。神も世界も私すらも実在しない。インド仏教がその核心として生んだ「空の思想」は絶対の否定の果てに、一切の聖なる甦りを目指す。やがてこの全否定の思考は、チベット・中国・日本への仏教東漸の中で、「世界を生みだす無」「真理としての空」という肯定色を強めていく。アジアで花開いたラディカリズムの深い変容を追う二千年史。
目次
- はじめに
- 第1章 世界宗教と空
- 第2章 ヒンドゥー哲学と空思想
- 第3章 インド仏教の空思想
- 第4章 インド仏教における空(一)──原始仏教
- 第5章 インド仏教における空(二)──初期大乗仏教
- 第6章 空と否定──否定における領域の問題
- 第7章 空と自性
- 第8章 空と論理
- 第9章 後期インド仏教と空
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紙の本
空の解釈の多様性、重層性が理解できる
2003/09/11 22:21
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初期仏教から密教まで、インド、チベット、中国、日本における、空思想の変遷を解説している。何事も歴史を通して学ぶことが、最も良く理解できる手段のようである。中村元の「般若心経」や「龍樹」を読んできて、空とは無や虚無主義とは違うものであることは、ある程度理解できていたと思う。しかしながら、仏教諸宗派の間で空に対する理解解釈が、これほど多様であるとは思いがけなかった。どれが正しいというものでもないようだが。インド、チベット、中国、日本の地域差というか、民族性というか、あるいは時代の差なのか、それぞれの特異性が表れているのであろうか。時代の流れ、仏教思想の伝播過程を追うことによって、出来上った思想を表面的に学ぶのとは違って、より深くその本質を理解できるような気がする。中村元の「東洋人の思惟方法」も、インド、チベット、中国、日本の思惟方法の特徴が、諸文化現象において、どのように働いているか、が解説されていた。本書では、そこで取上げられている項目なかの、仏教の空思想に関連する分野に限定して、各国の思惟方法の特徴を述べている、とも言える。
紙の本
「一切は空である」という全否定の思想の本質とその歴史的変遷を追った貴重な書です!
2020/04/06 10:42
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代のインド仏教の思想の核心とも言える「一切は空である」という空の思想について、その本質的な意味はもちろん、その思想から影響されたチベット、中国、日本の仏教の思想について追った画期的な書です。同書の著者によれば、「空の思想」は、「<神も世界も私すらも実在しない>という絶対的な否定の果てに、一切の聖なる甦りを目指したものである」と主張されています。そして、この全否定の思考が、中国や我が国の仏教東漸の流れにおいて「世界を生み出す無」、「真理としての空」という肯定色を強めていったのだと説かれています。果たして、このアジア的なラディカル思想は、どのように生まれ、そのように変遷していたのでしょうか。同書では、その本質を追っていきます。
電子書籍
空に関するインド、チベット、中国、日本の思想史
2021/06/05 16:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
大乗仏教で重要視されてきた空という思想がインドで生まれ各地でどう変わっていったかが述べられている。空を否定として捉えるインド・チベットと空を肯定的に捉える中国・日本の思想の違いが面白かった