少女の成功物語ではなく
2016/01/04 17:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:猫目太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメは見た事はあるが、原作を読んだ事はない。
少女文学だとおもいきや、40代前の女が面白く読める作品だったとは思わなかった。
主人公が成長するにつれ、「おじさま」との書簡のやり取りに、20世紀初めに出た「国民の福祉と平等」という社会主義的な事柄に興味を示し、「女性の自立」が学歴のある女性の問題として認識されていることがわかる。
文学性だけではなく、当時の社会性もわかる名作だと思える。
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投稿者:kazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「あしながおじさん」を初めて読んだのは小学校低学年の時。
子供向けの簡略版で読んだように記憶しています。
そして最近「電撃デイジー」という漫画を読み、設定に似たものを感じて読みたくなったので、改めて読み返しました。
素敵なお話だ、という印象は変わりませんでしたが、世界史などを勉強して、その時代背景がわかる上、簡略版でないこともあって、全く別のお話のように、新鮮な気分で読み進められました。
おすすめです。
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投稿者:suka - この投稿者のレビュー一覧を見る
孤児院育ちのジュディは、「手紙ほど文章表現の鍛錬に役立つものはない」という理由から、ある匿名の紳士に宛てて月に1度手紙を送る事を条件に、大学進学の援助を受ける事になる。
小説のほとんどがジュディの手紙で構成されており、季節の移り変わりや、女子大生の等身大の悩みが垣間見れてとってもチャーミングだ。
ジュディは進学をさせてくれた大の恩人であるあしながおじさんに対して、「おじさまはつるっぱげですか?」と何とも失礼な手紙を書いたり、長期休暇の過ごし方や奨学金の受け取りをめぐって真っ向から対立したりと、天真爛漫で物怖じしないジュディの魅力が詰まっている。
私がジュディだったら、勉強を頑張っているとか、読書を嗜んでいるとか当たり障りのない事を手紙に書いて、波風を立たせないようにすると思う。
手紙ってもっと自由でいいんだと気づかせてくれる作品だ。
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あしながおじさんは何度もいろいろな訳者で読んでいますが、
ジュディの手紙が生き生きとしていて、何度読んでも飽きません。
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うーん。くらもちふさこ。
ラブコメ...うん、ラブコメですね。悪くない。
なんですが、僕はくらもちふさこさんのマンガは、結構好きです。
そんなに読んでいませんが。「いつもポケットにショパン」「東京のカサノバ」「いろはにこんぺいとう」「A-Girl」「海の天辺」「千花ちゃんちはふつう」「百年の恋も覚めてしまう」…まあその辺りくらいです。
あとは「Kiss+πr2」はまあ、別格に佳作だと思いますし、「天然コケッコー」はもう、脱帽するしかない傑作ですね。「駅から5分」あたりも、もうその語り口のめくるめく有り様だけでも、豊饒な酒に目が眩むような味わい。だと思います。
...まあ、そんなにくらもちふさこさんを読んでいる訳ではないので、強くは言えませんが。
「あしながおじさん」。1912年にアメリカで発表された小説です。ジーン・ウェブスターさんという女性作家さん。
僕は光文社の古典新訳文庫で読みました。(古典新訳文庫であったから、読んだんですけれど)
解説がなかなか面白く、そこで言及されていましたが、1912年当時のアメリカというと、第一次世界大戦前夜なんですが、そこそこに資本主義経済、消費生活が充実してきていました。
小説を女性も購読して楽しむということも定着していました。
恐らく、生活の近代化、都市化から、都市で暮らす主婦層(の中の、それなりの富裕層)を中心に、女性参政権の運動なども出てきていたんですね。
そこで、くらもちふさこじゃないですけれど、女性向けの娯楽としての小説、というものが勃興。
「あしながおじさん」だけではなく、「孤児の女の子がかわいそうだけどガンバル物語」というのが、既に「売れ線」だったそうです。
ちなみに、日本で言うと夏目漱石さんが「彼岸過迄」とか「行人」を朝日新聞に連載していたころですね。
(日本も、1904年日露戦争、1910年韓国併合。アジアで唯一帝国主義の勝ち組に入って、無理していたなりに都会の市民生活は消費膨張していたころですね)。
孤児院出身のジュディは、顔も名前もしらない「あしながおじさん」からのお金で、大学に進んで陽の当たる人生を迎える。
そして、ジャービスという、富裕層の知的で進歩的な青年と恋に落ちる。
まあ、というお話なんです。皆まで書くのは野暮なんで以下省略。
これが、全編、「あしながおじさんに向けてジュディが書く手紙」という形式になっています。
一人称小説っていう形式ですね。
シンデレラストーリー、と言ってしまえばそれまでよ、なんですが。
ジュディが決して文部省特選なタイプの良い子ではない、というのがまあ、魅力ですね。(「文部省特選」という文句が既に昭和な香りですね)
それも、ちょいとワルだったり、ということではなくて。
孤児院出身という背景の中で、「哀れまれる不愉快さ」「慈善という行為が必然的に含む偽善」「孤児院という施設の特徴自体の不愉快さ」などなどを、炙り出しているところが面白い。
(たまたま最近、松本大洋さんの孤児院モノ漫画、「SUNNY」を読んだので、なおの事。)
そこの温度というか角度っていうのは、実は極め��、時代を超えて説得力のあるものでした。
そして、まあ、「何を語っているか」ということよりも、「どう語っているか」というトコロの魅力が大きいですね。
このお話を普通に三人称で描かれても、恐らくドッチラケ。
一人称という、語り手の心理に寄り添う形。言ってみれば主人公の顔のアップで押していく話法。
結局、恋愛物語っていうのはそういう手法が相性が良いのかも知れませんね。
ただまあ、十代の男性のブンガク青年とかが読んでも、鼻でふんって感じでしょうね(笑)。
でもねえ、映画で言えば、北野武もヨーロッパの名作も良いですが、「男はつらいよ」だって傑作なんですよねえ。
そういうことで言って、けっこうわくわくして楽しい読書。薄いのも魅力ですね。
しかし、くらもちふさこさんの、物語を描く人としての語り口の超絶的な上手さ。
絵の好き嫌いは人によりますが、とにかくマンガという形式の中で、素敵に自由で奔放で。そして、直截ではなく、間接的なぶんだけ味わい深い。そういう語り口。そういう意味で言うと、とってもお洒落。
これは本当に、すごいなあ、と思います。多くのその後のマンガに影響を与えている気がします。
くらもちふさこさん研究会については、また別途。
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あしながおじさん!
子供のときにだいすきだった本。
年齢としては大人になった今、15年前を思い出しながら読んでみました。
昔は、素敵なジャーヴィー坊ちゃんと幸せになるシンデレララブストーリーにうっとりしてました。
あと、キャンパスライフの甘美な描写!
「ブルーのモスリンのドレス」「ファッジ」「糖蜜キャンディ」「イブニングドレス」「シルクのストッキング」
こんな言葉の響きにどきどきしながら、めいっぱいの想像力を働かせていたもの。
でも今読むと、それだけじゃなくて。
ジュディの生き生きとした魅力がわかるようになりました。
強さ、賢さ、明るさ、お茶目さ。
しんどい過去や逆境に負けないところ。
卑屈にならずに言いたいことを言うところ。
色んなことをユーモアに変えちゃう愛嬌と素直さ。
現状にあぐらをかかない自立心。
物欲の甘美な誘惑は素敵だけど、それより大事なものを見出して選べるところ。
ジャーヴィー坊ちゃんがどうしてジュディを好きになったのか
よーくわかるようになった気がします。
色褪せない小説です。
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なんとなく内容は知っているけど・・・。という本だったので一度手にとってみたかった作品。
想像以上に、ジュディが前向きでユーモアがあって逞しくて。とにかくかわいらしい女性で、自分もこんな風になれたらなぁ。と思わせるような女性。
作中に、ジャーヴィスの名前と、ジュディ目線でのジャーヴィスはよく登場するけど実ジャーヴィスの登場は以外と少ない気がします。もっと彼の詳細があってもよかったかな。
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読了五年経っても色あせないきらめきをもつ素敵な本。手紙で綴られる生き生きとした心と経験があふれてくる。
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子どもの頃はとっつきにくく敬遠していたが、初めて読んで非常におもしろかった。主人公である孤児の女の子は、卑屈な面がなく明るくポジティブに学生生活を送る。結末もさる事ながら安心して楽しめる。2019.6.27
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あしながおじさんの正体がいったい誰なのか、わくわくしながら読み進めた。
ある人のご好意で暗い孤児院からやっと明るみにでて暮らせることになったその喜びが1枚、1枚の手紙に綴られる。少女の書くその手紙はなんとも美しくはつらつとしていて、文章全体をキラキラと輝かせている。
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序章を除き、全てがあしながおじさん宛ての手紙という形式で書かれていて、初めのうちはこういう書き方で楽しめるかなと思ったりもしましたが、全く飽きることなく最後まで読み終えました。ジュディの大学生活が生き生きと書かれていて、読んでいるこっちまで楽しい気分になります。活発でおちゃめなジュディが体験するあれこれに感動すら覚えました。木陰にクッション、ブランケットを持ち込んで詩集を読むとかの光景を想像すると、胸が踊ります。
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凄く面白かったです。
序章以外手紙形式なのも新鮮でした。
日常を綴る手紙もですし、いきなりの怒ってる手紙だったりそのあとすぐ謝罪手紙書いてたりと面白かったです。
物語上最後の手紙であるラブレターが大好きで、ときめいて何度も何度も読んでいます。
好きな人と会った後に見る星空の美しさ、わかるなぁ、素敵だなぁ。
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ほぼジュディが「あしながおじさん」宛に書いた手紙で構成された本。
ジュディの言葉が率直で、時に笑えて時に考えさせられる。あしながおじさんの正体も気になって、一気に読んでしまった。
100年も前の本とは思えない。
ロングセラーの本って色褪せないんだな〜
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読んだ気になっていたけど、そもそも小さい頃に読んで無かったのかもしれない。ジェルーシャが最初17歳なことに驚いた。
そしてあしながおじさんとあだ名をつけるセンス。よすぎ。
読んでいて絶対ジャーヴィスのこと好きになるし、ジャーヴィスも絶対ジュディのことが好きだと思ってわくわくしながら読んでいたから最後びっくりした。絶対おじさまは手紙読んでて、ジュディのことがかわいくてかわいくて仕方がないよね。
ジャーヴィス死んじゃってないといいなあ。
小さな頃に読んでいたらどう思ったのだろうか。それが気になる。
古典もよいな。
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100年も前に書かれた話しなのに、現代の小説かと思えるほど、色褪せない素敵なストーリーでした。少女の生き生きとした毎日が、映像として目に浮かぶような描写に感心させられました。