坂の上の雲(三)
著者 司馬遼太郎
日清戦争から十年──じりじりと南下する巨大な軍事国家ロシアの脅威に、日本は恐れおののいた。「戦争はありえない。なぜならば私が欲しないから」とロシア皇帝ニコライ二世はいった...
坂の上の雲(三)
商品説明
日清戦争から十年──じりじりと南下する巨大な軍事国家ロシアの脅威に、日本は恐れおののいた。「戦争はありえない。なぜならば私が欲しないから」とロシア皇帝ニコライ二世はいった。しかし、両国の激突はもはや避けえない。病の床で数々の偉業をなしとげた正岡子規は、戦争の足音を聞きながら。燃えつきるようにして逝った。
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日露戦争開戦!
2009/11/30 15:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yuki-chi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロシアと日本、圧倒的な国力の差。
戦争だけは何としても避けたい日本は、
懇願するような思いで対露協商に臨む。
しかし、ロシアはわざと返答を遅らせるなど傲慢な態度で日本を焦らし、
その一方で、極東への軍事力をすさまじい勢いで増大させて、日本を追い詰めていく。
ロシア本国から次々と送られてくる巨大な軍艦が港に並ぶ。
旅順に建築された世界でも類を見ないほどの強固な要塞。
ロシアは日本を死へと追い詰め、窮鼠にした。
もはや日本は死力をふるって猫を噛むしか手がなかった。
日本存亡の崖っぷちに立つ政府首脳たちが熱く涙する。
未だ彼らの心の奥底に残る武士の魂。
自らの命を投げ打ってまでも国を守ろうと覚悟を決める。
日本国を愛する燃え滾る熱い思いに心を打たれた。
そんな政治家たちの英断によって、火蓋を切り、開戦した日露戦争。
佐世保で待機する連合艦隊に出撃命令が出された時の海軍内部の様子、
それぞれの思いが、ドラマティックに描かれている。
海軍における旅順要塞での戦い、陸軍における金州・大蓮での激しい戦い。
産業も財政も乏しい日本は、とにかく計算されつくした致密な作戦計画と
用意周到な準備で戦いに挑む。
一方、ロシアは大国の驕りからくる、
日本に対する過小評価による作戦の粗雑さや不手際が目立った。
キーワード
2015/11/22 05:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る
キーワード
「淳はあれで、ようまあ、海軍が使こうてくださることよう」
「秋山の天才は、物事を帰納する力だ」
「白砂糖は、黒砂糖からできるのだ」
「私に教える教官がいるのでしょうか」
「戦術は借りものではいざというときに応用がきかない」
「戦術に愛嬌が要るか。」
「世人は悪いことをせねば善人だと思うているが、それは間違いだ。いくら悪人だって、悪いことをする機会が来なければ悪いことをするものではない。」
「たいそうなことをいうものではない。病中筆をとるのはうさ晴らしにすぎぬ」
「談笑平生のごとくあるべく候」
「日本人は貧困になれていた」
「世界史のうえで、ときに民族というものが後生の想像を絶する奇蹟のようなものを演ずることがあるが」
「私が海軍のことがわかるようになると、ミナサン、おこまりになるのではないかな。私は海軍のことがわからない、ミナサンはわかる、ミナサンがよいときめたことを、私が内閣で通してくる。それでよいではありませんか」
まだまだ、三巻全体の1/4ですがキーワードだらけです。
三巻に坂の上の雲のエッセンスがちりばめられているのが良く分かります。
子規の死と日露開戦
2001/11/29 12:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
松山出身の3人の明治人を描いた作品だが、その3人の主人公のうち正岡子規がついに死ぬ。
日露開戦前に死んでしまったので、日露戦争のあたりになるともう秋山兄弟の話ばかり、自然、戦争の話しばかりになり、メリハリがかけるようになったような気がするが、逆に、話しが統一されて読みやすくなった気もする。
司馬氏の歴史大作第3巻、我が国はロシアの脅威にさらされます!
2016/09/03 11:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
司馬氏の歴史大作第3巻は、日清戦争から十年、じりじりと南下する巨大な軍事国家ロシアの脅威に、日本は恐れおののく日々を迎えます。ロシア皇帝ニコライ二世は、戦争を行うことは私の望みではないといいながらみ、日本とロシアとの激突はもはや避けられない状況にまで来ていました。病床で、かす数の偉業を成し遂げた正岡子規は戦争の足跡を聞きつつ、燃え尽きようとしていました。一体、この吾、どうなっていくのでしょうか。
第三巻。
2009/02/14 21:41
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
第三巻。
日清戦争に勝利した日本は、不可避的にロシアと衝突することになります。
絶望的な戦いが予想される中、戦争を回避しようとする動きも活発になります。太平洋戦争でも、一部の人たちは戦争を回避しようとしましたが、時代の流れは一部の人の力だけでは押し戻すことができないようです。
ロシアとの戦争は、綱渡りでした。
一番の問題は「お金」。
海外から借金をしてまで戦争に踏み切った当時の日本の指導者は、褒められるべきなのでしょうか?
結果的に勝ったから、よかったものの、普通の神経では考えられません。
まさに博打。
ただ、当時の日本の指導者は、覚悟ができていた、という点は評価できると思います。人の上に立つものは、覚悟がなければ務まりません。
第三巻では、日露開戦前後が多くの登場人物とともに描かれています。
そんななか、正岡子規は、短いけれども充実した生涯を閉じます。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
子規の最後
2019/01/30 10:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争を中心とした歴史物語の中で、ほんわか雰囲気をかもしだしてた子規がなくなり、物語は戦争一色。
所々で作者のつぶやきのような文章も入ってるので、小説のような、それでいて歴史エッセイを見ている気分になりました。
相手をあんまり下に見すぎていると足元をすくわれるのは、今の企業社会でも同じだなぁ。
敵よりも、味方の中にいる敵の方が難しい…とは、うんうん、よく分かります。
そこは今も昔と変わらない。。。