スカーレットの強さ
2019/01/19 22:22
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投稿者:shabo - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時では考えられないような強気で傲慢なスカーレットは、最後までスカーレットのままだ。あきれるほどに前を向き続けるスカーレットの姿に勇気を貰った。
これぞスカーレット
2024/03/02 20:28
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう生き方こそ、スカーレットだなぁと。三度も結婚し、それが、あの男だったのだけど、せっかく授かった娘を事故で失くし、三度目の結婚の夫もさっていく。しかし、常にスカーレットは、前向き!
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レットとスカーレットの結婚生活での二人の気持ちの変化が絶妙に著されている。最後の名台詞も心にとめておきたい一文。
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南北戦争に翻弄されながら強く生きるものの、何もかも失った女性の物語。
ありがちな「運命に翻弄されながらも地道に正直にコツコツ生きたヒロイン」とは訳が違う。戦争では敵兵を殺し、戦後混乱期には詐欺まがいの商法で金儲けし、奴隷さえ用いた。正直者はバカを見ると言わんばかりに、伝統や常識というものに唾を吐きかけて行く。
戦争で既存の伝統・秩序がひっくり返る様の描写は見事というほかなく、是非読むべき長編小説である
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主要4人の心の動き…とりわけ映画では今1つわからないままの最後のレットとスカーレットの、行ったり来たりの心の動きが丁寧に書き込まれていて、あれこれ納得する。もしや「風と共に去りぬ」はストーリーを楽しむ大河小説というよりも、”心理小説”なのかもね。。。
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数えてみたら高校生で読んで以来、ほぼ30年ぶりの再読である。数回読んではいるし、映画も観ているし、と思いつつ新訳で読み始め、旧訳・映画から受けていた印象がどんどんずれていくことに驚いた。
とはいえ、スカーレット像はそのままである。なぜか。スカーレットの心情は包み隠さず、あけっぴろげに語られるからである。誰かが何か示唆的なことを語り、読者も神妙な気持ちになったとたんに、スカーレットは心の中で”何の話をしているのか、さっぱりわからない”とばっさり切り捨てるものだから、私も、小賢しく頷いちゃっていた自分が恥ずかしくなったりもする。
ということで、高校生にも主人公の(単純な)心情は余すところなく理解できたのだろう。
スカーレットのお向かいにいるのが「影の主人公」メラニー。対して彼女が本当は何を思い、どう考えていたのかは最後までベールに包まれたままだ。ただし、その行動には嘘がないので、読者もメラニーの人間性を理解し愛する(スカーレットは全く理解してなかったけど)。
旧訳ではいかにも古い小説を読んでいる”ありがたさ”もあり、それも面白かったのだが、新訳は文章のリズムで読者の心を一気にその場に引っ張り込む。旧訳ではあまり印象に残らなかったスカーレットの「ダサさ」(敢えて言おう!)が際立ったのも非常によかった。
ところで、映画の印象に引っ張られて当時は気づかなかったが、これは「戦争小説」でもある。最初は絵空ごとのように思えていた戦争が、やがて間近に迫り、わが身のこととして降りかかり、一般の市民すら、戦場でもないのに人を殺めることにもなる。
背後に多くの物語を含む小説。訳者解説によると作者は「映画化は無理」と言っていたそう。映画はあくまで小説の一部分しか切り取っていない、だからこその傑作となりえたのだろう。語られていない部分を誰かと語り合いたいくなる(しかも熱を込めて)のは、各々の人物造形がしっかりとしているから。わたしが誰かと語り合いたいのはメラニーを後継者とする「聖母」の母、エレンである。
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今年中に、全5巻を読み終えようと予定していたが予想以上の疾走感に引っ張られ読了。
スカーレットの生き方は、尊敬すべき所も多々あり、また、反面教師にすべき箇所もある。
ただ、自分の大事なものはもう少し早く気づくべきだったんだろうなぁと思う。彼女をお手本に強い女性ではなく、強い人間として生きていきたいと感じた。
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圧巻の壮大なストーリー。全5巻に及ぶ長編ながら一度も飽きることなく次々と起こる展開に引き込まれて、読み終わってすごい話だったなと思う。読み終わった時点でまたもう一度読み直したくなったほど。結末を知ってまた違う読み方ができそう。
学生時代に一度読んでいたものの、かなり忘れていた部分もあったし、大学生と40代では同じ作品を読んでも感じ方が違う気がする。
アメリカ南北戦争前後の激動の時代背景とスカーレット・オハラの波乱万丈の人生。海外版の大河ドラマみたい。でもこれってまだスカーレットが28歳までの話だなんて驚き。
スカーレットの強さと賢さに感嘆したり、反面の愚かさとじりじりしたり。またレット・バトラーとの擦れ違いにやきもきさせられ。そしてメラニーの優しさと聡明さと強さに最後はこの女性こそが影の立役者であったことに気づかされ。
スカーレットの故郷タラに対する郷土愛も印象的。スカーレットの原点はタラの赤土。その強さの原点。最後に何もかも失ったスカーレットはタラに戻るところで物語は終わるけど、きっとスカーレットはをここでまた力を取り戻してこのままでは終わらない気がする。「今考えるのはよそう。明日考えよう。」スカーレットの印象的なフレーズ。彼女はそうして明日を切り開いていったのだから。
激動の時代の流れに翻弄されながら強く生きたスカーレットの物語。間違えなく名作だ。現代ものばかり読んでいたこの頃だったけど、時代物の読み応えはたまらない。世界史の教科書ではわからないその時代のアメリカ南部の空気に触れられた気がした。本当に面白かった。
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スカーレットもレットもアシュリもすれ違いながら生きていたとわかる、壮大なラストで、長編なのに一気読みだった。
メラニーはすごい人!
映画も見てみたくなった。
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こんなにも心を動かされる物語に今まで出会ったことがなかった。わがままで強情なスカーレット。「本当に子どもだなぁ」と思うけれど、その強い生き様から学ぶものが沢山あった。結末は意外だったけれど、こういう終わり方だからこそ感じるものが多かった。
登場人物全員が生き生きとした表現で描かれていて、一人一人本当に魅力的だった。結末を早く知りたいと思い ってページをめくってきたけれど、いざ終わりを迎えてみると、この世界とのお別れに寂しさがこみ上げてきた。スカーレット、レット、メラニー…本当に大好き!
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最後のシーン。本当に風が吹き抜けた。その風に後押しされるように、スカーレットはいつものように前に進んでいく。
まさに、「明日は明日の風が吹く。」
こんなに中途半端な終わりでも、きれいさっぱりしている作品はなかなかない。スカーレットなら、こんな終わり方でもいっか。そんな気にさせてくれる。
あと、本当の主人公が誰か、全巻よんできっとわかる。
この作品を計算してつくったと作者はいう。(p526)
10年もの歳月をかけて織り上げた作品だという。納得がいく。
どうしてこんな嫌味な女の物語を延々と読まされているのに、見入ってしまうのだろう。飽きが来ない、どころか先を求めてしまう。悪どい女のすさんだ心のやり口を見せつけられているのに。でも、その女が何をやってもうまくいかない、いや実際は最悪の状況をいつも切り抜けて成功にゴリ押しで辿り着いている。でも、決して満足できない幸せになれない。そんな滑稽さに胸がすくのだろうか。
他人の不幸は蜜の味。
しかし、何度打ちひしがれても立ち直る人間の姿は、さわやかで、むしろ小気味いい。読んでいて、やはりどこか勇気づけられてしまう。
そういうところが名著なんだろう。
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突然に、目の前の扉を閉められてしまったかのような感覚が、最後の一文にありました。
スカーレット!あなたの物語を人生を、もっと追っていきたかったのに。
読み始める前は、この重厚な物語を読み切れるだろうかと不安を抱えていましたが、杞憂でした。
海外文学は感情に付いていけず、戸惑いを覚える部分もありますが、本書に関しては、それよりも多くの共感があり、惹き込まれました。
この一作品を書き上げた作者の体力と文章力に感服です。
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とうとう最終巻。
えー、ここで終わり!?と思ったが、その先は確かに不要かも。読者の想像に任されたということで。
スカーレットが、自分は間違っているのかも…とだんだん気づいていく。レットとの新婚生活は満ち足りていて、お金の心配もなく、好きなものに好きなだけお金を使えるのが何より幸せ。
でも、アシュリとの抱擁を見られたり、スカーレットが階段から落ちて…という事故があったりで、レットとの夫婦仲はおかしな方へ向いてしまう。極めつけに、ジェラルドを思い起こさせる娘の落馬事故。そしてメラニーの死。
ここまで来て、スカーレットはようやく「自分にはもう頼れる人が誰もいなくなってしまった。でもそうさせたのは紛れもなく自分自身だ」ということに気づく。レットへの愛も改めて認識するが、時すでに遅し。最後のレットとの会話は、お互いに「ああしてほしかったのに」「あのときあんな態度でなければ」とワガママを言い合っているようにもとれるが、やっぱりスカーレットが悪いかなと思う。お金と自分のことが一番、好きなことを好きなだけやりたいようにやってきた結果、周囲の人はもう誰もいなくなってしまった。
…自分はスカーレットが好きやし、たくましくて良くも悪くもまっすぐなところは尊敬に値すると思う。けど、最後にこういう展開になり、戒めのような感じでレットにも愛想つかされて…その後はどう生きていくのか。メラニーに言われたとおり、ボーとアシュリを守って生きていくのか。
有名な最後の一文、そしてタイトルが意味するもの、わかったようなそうでないような…
映画見て、原作読んで、もう1回考えてみようかな。
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kkkは解散してるね。今に至る悪名高きとは分けて、過渡期の必然、徒花と読むべきなのだろうか。
終わり方がすごい。
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第4巻の感想にも描いたけど、スカーレットは人間関係音痴で、彼女と周りの男性とのずれっぷりは、時に痛々しい。
でも、初めて読んだ頃には、夫婦間の冷たい空気がこんなに身に沁みたりはしなかったなぁ。
というのはさておき。
スカーレットとレットのやりとりが、クライマックスに向けての大きな流れだけど、スカーレットとメラニーのやりとりも、また、そう。目立たないシーンだけど、スカーレットがパーティに南部の敵とされる知事を招いた後のメラニーとのやりとりを読むとと、メラニーが自分を失わないままで、自分とは全く考え方の違う人を心から愛せる人なんだなぁと思う。
それにしても、メラニーは、なぜ、あんなにスカーレットが好きなんだろう。最初は、基本、誰のことも嫌わないというだけだったけど、戦火の中での難産とその後の生活に力を尽くしてくれたことから、大切な人になっていったのか。それとも、小柄で病弱で、本の世界で遊んだりするメラニーにとって、快活で時に決まりごとを破っても生き生きとしている現実のスカーレットは、最初から憧れだったのか。
ばくばくとがっつく食べ方をする人を見て、「飢えを知ってる人の食べ方だ。自分もそうだからわかる」と語ったのは、どの本のなんて登場人物だったろう。スカーレットが、新婚旅行で巨大なざりがに付きの7皿のフルコースをばくばく食べ、成金丸出しの贅沢に溺れるのは、敗戦直後の飢餓のせいなんだろう。ただし、大金持ちになり傲慢の塊のようになってしまった彼女の話を読むのは、あまり楽しいものじゃないけど。
この物語は、戦争とその後の占領下の再建の苦難やそれによって失われたものと変わらなかったものを描き出してもいる。暴風が吹き荒れても、南部の文化の真髄は失われないとも読めるかな。ジェラルドの葬儀でのウィルのスピーチとか。一見、自分勝手に生きているスカーレットも、母方の親族にまで送金し援助していて、妹のスエレンに対しても、彼女から恋人を奪うことはあっても、恥ずかしくない暮らしをさせたいとは思っている。自分が属するものを全力で養う・・・そういうとこはブレない。レットにしても、中年を過ぎて、自分が生まれ、育った文化が恋しくなってたりする。
レットと言えば、しばしば、彼の口から、南部が勝ち目のない戦争へつっこんでいき、ある種の下克上が起きたり、そこにお金目当てでろくでもない人間がたかり、不正が横行・・・だけど、それも永遠に続かないという時世が語られているけど、この点では、狂言回しの役割もしているかな。
ほんとにこの小説は、とても重層的。普段は乱読専門の私だけど、鴻巣さんの影響もあり、がんばって精読してみるのも楽しいものですね。
またいつか、読んでみようかな。