花霞の夜は明ける 【イラスト付】
冬の気配残る、春の初め。夜の公園。篠宮景は、まだ花びらも纏っていない桜の木をただ静かに眺める同じ営業部の後輩・柏木秋斗を見かけた。会社では、周りと馴染まず笑った顔なんて見...
花霞の夜は明ける 【イラスト付】
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商品説明
冬の気配残る、春の初め。夜の公園。篠宮景は、まだ花びらも纏っていない桜の木をただ静かに眺める同じ営業部の後輩・柏木秋斗を見かけた。会社では、周りと馴染まず笑った顔なんて見たことがないのに、こちらを振り向いた柏木は別人のように穏やかに微笑んでいた。──あなたと話せる日がくるなんて、思っていなかった。この日から、同じだけど違うふたりの柏木に翻弄される篠宮。興味が好意になりお互いを意識するなか、二十年前に起こったある事件の秘密が明かされて……
【E★エブリスタ×大洋図書 BL文庫大賞受賞作!!】
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漂う儚さと色気
2016/05/09 00:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニノシノゴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きなオフィス物だ、と思って読んでいたらちょっと違いました。昼の職場の女性同僚とのやりとりでクスッと笑える場面と対照的に、夜の何とも言えない不思議な空間と色気の漂う桜の下での「アキ」とのやりとりが、非日常を産み出しています。トラウマを克服することは簡単にいかないこともよくわかった上で、でもとても重たくなるわけでもないけど、はずせない過去の話。すごく読んでいて「この二人に会いたい。幸せになって欲しい」と胸が締め付けられました。雰囲気エロチックが、これから、未来に向かっての幸せエロチックになって欲しい。書けそうで書けない、不思議な魅力を感じるお話です。是非、二人の続きを見ていきたい。あえて、深めなかったかもしれませんが、更なる二人の人物像や、過去の背景や、周りとの関係性の濃さがあればグッと深み重みが増すと思われました。作家さんの今後の方向性も知らないまま勝手をいってますが、良い意味で「思い切り明るいギャグ性の高い話」、や「重いけど救われていいよね、話」の方向に絞ったおはなしも書いてくれそうな、振り幅の期待出来る一冊でした。それでも美しいイラストの相乗効果ははずせません。今後の電子書籍がどうか、「イラストは表紙だけです」の言葉が外れていくことを願ってやみません。
久々にBL小説を読んで泣きました
2015/12/11 10:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
篠宮は閉鎖恐怖症をもっている。それは二十年前に起こった事件が関係していて。たまたま夜の公園で、篠宮は同じ営業部の後輩・柏木秋斗を見かけた。会社では、周りと馴染まず笑った顔なんて見たことがないのに、目の前にいる柏木は別人のように穏やかに微笑んでいた。この日から、夜に出会う柏木秋斗を「アキ」と呼んで、篠宮はいろいろ話して行くうちに、ついに二十年前に起こったあの事件の秘密がアキによって打ち明けられる。柏木はアキの存在を知らなくて、アキはあの事件の痛みから生まれた一つの人格だった。久々にBL小説を読んで泣いたよ。
花霞のようなふわりとした文体
2016/02/07 14:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
篠宮の淡々とした語りのせいか、大きな事件が設定されていたにもかかわらず、鬱々ともせずぼんやりとした花霞のような幻想的な文体になっており、良かったです。途中シリアスすぎてうーんと思った部分もあったのですが、ラストにかけて畳み掛けるような心情の吐露につながっていて楽しめました。
自覚のあるトラウマと無自覚トラウマ
2020/02/18 14:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さなにょろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かったです。
難を言えば、「アキ」について疑問を抱いた攻めを曖昧な状態にしたとこかしら。
文章も読みやすく、
無口で愛想のない攻めが感情を出すとこに萌えるかたに
特にオススメします。
桜の頃に読みたい切ないラブストーリー
2016/05/29 00:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まぎぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロッキーさんの繊細な表紙のイメージそのままに、切ない恋のお話しでした。
デビュー作とのことで、やや堅さはあるものの、最後まで勢いがあって飽きずに読めました。
篠宮は、営業職で明るい性格。一方、後輩の柏木は、人当たりは悪いが成績はNo.1。そんな対照的な二人が、「アキ」という”第三者”を通して次第に近づいてゆく。
篠宮が、仕事帰りに桜のある公園で出会った柏木は別人のように優しかった。それは実は柏木の別人格だった。物語はこの”3人”が絡みつつ進みます。優しい別人格の「アキ」、硬派な柏木。
しかし、アキはあくまでも柏木をサポートし、自分を犠牲にする形で、柏木と篠宮の関係を後押しする。そこが切ないです。
しかし、過去のトラウマから別人格を生み出した柏木を、再び1つの人格に統一する重要な役割を果たしたのが篠宮ともいえます。
実際に、アキのような人格が生まれ得るのか気になりました。
また、主人公の篠宮の描写が少なく、性格がとらえづらかった。
とはいえ、二人の絆が育まれる課程は説得力があって良かった。
今後の作品に期待します。