- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2015/12/19
- 販売終了日:2016/03/21
- 出版社: 東京創元社
- レーベル: ミステリ・フロンティア
- ISBN:978-4-488-01778-1
読割 50
電子書籍
オーブランの少女
著者 深緑野分
色鮮やかな花々の咲く、比類なく美しい庭園オーブラン。ある日、異様な風体の老婆に庭園の女管理人が惨殺され、その妹も1ヶ月後に自ら命を絶つという痛ましい事件が起きる。殺人現場...
オーブランの少女
オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)
商品説明
色鮮やかな花々の咲く、比類なく美しい庭園オーブラン。ある日、異様な風体の老婆に庭園の女管理人が惨殺され、その妹も1ヶ月後に自ら命を絶つという痛ましい事件が起きる。殺人現場に居合わせた作家の“私”は、後日奇妙な縁から手に入れた管理人の妹の日記をひもとくが、そこにはオーブランの恐るべき過去が綴られていた。――かつて重度の病や障害を持つ少女がオーブランの館に集められたこと。彼女達が完全に外界から隔絶されていたこと。謎めいた規則に縛られていたこと。そしてある日を境に、何者かによって次々と殺されていったこと。なぜオーブランは少女を集めたのか。彼女達はどこに行ったのか? 楽園崩壊に隠された驚愕の真相を描いて、第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選した表題作ほか、醜い姉と美貌の妹を巡るヴィクトリア朝ロンドンの犯罪譚、寂れた食堂の亭主を翻弄する過去の思い出、昭和初期の女学校で切ない想いに心を揺らす生徒たち、首のない骸にまつわる皇国の命運を決した裁判劇の5編を収録。異なる場所、異なる時代を舞台に描く、脆くて、愚かで、気高い少女たちの物語。
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強烈なインパクト。
2016/01/13 15:00
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
(ネタバレあり)
表題作はグロくてホラーな殺人事件から始まり、少女たちが集う謎の園「オーブラン」の過去へと移る。そこで明かされる驚きの真実。少女たちや先生たちの説明しがたい一種独特の雰囲気は何によるのだろうと思っていたが、まさかそれがユダヤ人迫害の手を逃れるためにつくられた場所だったとは…。しかしその場所をつくった女性は結局狂って少女たちを殺してしまう。この怖さ、グロテスクさ。残ったふたりが守りつつも閉じ込めていたのがその女性、と繋がればああ、そうなのか、と納得しつつ、戦慄するしかない。バッドエンドにちがいないのに、読み終わった後に残るのは後味の悪さではなく、昂揚感にも似た興奮と満足感だ。それは、作品自体が持つ完成度によるものだろう。
「仮面」も、最初こう、と見せかけた人間関係と事件が、実は裏事情を持っていることがわかり、おもしろい。人間の本質に潜む怖さ、暗さを浮かび上がらせる、これはこれでバッドエンドだが、やはり印象は鮮やか。