サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

  • みんなの評価 5つ星のうち 3.2 256件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2016/01/19
  • 販売終了日:2018/10/15
  • 出版社: 講談社
  • ISBN:978-4-06-219900-1

読割 50

読割50とは?

読割50とは?

hontoネットストアおよび、丸善・ジュンク堂・文教堂の提携書店にて対象の紙書籍を購入すると、同一の電子書籍が紙書籍の購入から5年間、50%OFFで購入できるサービスです。
購入時点で電子書籍が未発売でも、紙書籍の購入時期にかかわらず、電子書籍の発売後5年間、50%OFFで購入できます。

または読割50のアイコンがついている商品が対象です。

一部、対象外の出版社・商品があります。商品ページでアイコンの有無をご確認ください。

  • ※ご利用には、honto会員登録が必要です。
  • ※書店店頭でのお買い物の際は、会計時にレジにてhontoカードをご提示ください。
  • ※hontoが提供するサービスで、販売価格の50%OFFを負担しています。

読割50について詳しく見る

一般書

電子書籍

異類婚姻譚

著者 本谷有希子

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモ...

もっと見る

異類婚姻譚

税込 1,155 10pt
販売終了

ほしい本に追加(値下がりすると通知がきます)

ご利用中のデバイスが対応しているかご確認ください

  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac

対応デバイスごとのコンテンツタイプやファイルサイズヘルプ

オンライン書店e-honとは

e-hon

hontoは「オンライン書店e-hon」との連携を開始しました。
「e-hon」は書籍、雑誌、CD、DVD、雑貨といった多岐に渡る商品を取り扱う総合オンライン書店です。130万点以上の取り扱い点数、100万点以上の在庫により、欲しい商品を買い逃しません。honto会員向けにお得なキャンペーンを定期的に実施しています(キャンペーンに参加するにはMy書店をhontoに設定して頂く必要があります)。
・まだe-honの会員ではない方
下記リンクからe-honへ遷移し会員登録する際に自動でhontoがMy書店に設定されます。
・既にe-honをご利用いただいている方
「マイページ」-「会員情報の変更」-「My書店の変更」に進み、検索窓に「honto」と入力し、検索結果画面で会員登録ボタンを押すことでMy書店がhontoに設定されます。

e-honで紙の本を探す

※外部サイトに移動します。

対応デバイス毎のコンテンツタイプやファイルサイズ

対応デバイス コンテンツタイプ ファイルサイズ
iOS EPUB 3.4MB
Android EPUB 3.4MB
Win EPUB 3.4MB
Mac EPUB 3.4MB

異類婚姻譚

税込 1,430 13pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

商品説明

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。第154回芥川賞受賞作!

目次

  • 異類婚姻譚
  • 〈犬たち〉
  • トモ子のバウムクーヘン
  • 藁の夫

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

小分け商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この商品の他ラインナップ

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー256件

みんなの評価3.2

評価内訳

紙の本

夫婦は異類にはじまり同類へと変化する

2016/01/31 21:55

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山好きお坊さん - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルが良い、読みたくさせる猥雑さがある。
 超美人ともったいなくも離婚したパッとしない男と結婚して専業主婦で暮らす容姿の普通の女性が夫婦生活の進むにつれ、夫婦二人の顔が変化して似てきたことに驚く。夫の顔の鼻や目や口が時として勝手に崩れるがごとく位置をずらす。妻サンちゃんの注視に気づくと慌てて正位置に戻る。このころから旦那は人間ではないのではと思い始めた。物に憑かれたように携帯ゲームに興じたと思っていると、今度は今までしたこともなかった揚げ物調理に凝る。体調不良を理由に頻繁に会社を早退するようになると、美人な元妻とよりを戻そうとしているのかとサンちゃんは疑心暗鬼になる。耐えられず、旦那に「あんたのすきなものになりなさい」と問い詰めると、なんと旦那は、山芍薬に変じてしまう。サンちゃんは、キタヱと猫のサンショを捨てに行った群馬の山奥に、その山芍薬を植え、時々会いに行く。
 怪異譚だが、作者は何を言いたかったのか。世間でいう「夫婦は似てくる」ということをベースに、似てくるには理由がある「楽に生きるにはツレアイの姿に同化すればよい、意見でも過ごし方で目立つ差異には「角がたつ」。夫婦とはいえ所詮他人同士、波風立てないほうが気は楽だ。そう考えた方が一方にドンドンと食べられるがごとく自分を喪失させ、無意識に相方に似せていく。 本書では、似ていくことを気取られ、「似るのではなく、好きなものになれ」と怒鳴られた亭主は一輪の白い花を抱く山芍薬になった。ラストに清涼感が漂う、読後しばらく瞑目して、わが夫婦のあり様を思った。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

面白く読めました

2016/06/16 20:37

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第154回芥川賞受賞作。(2016年)
 気がつけば夫の顔が日常の怠惰で崩れている。いつしか妻である自分もその夫に似ている。
 説話のような暗い骨を抱えながら、けっして深刻ではなく、読み終われば温かな感情が残る。

 選考委員の一人川上弘美さんが好きな世界だが、その選評ではこう記されている。
 小説では「何」を「どのように」書くのかが大きな問題でこの作品の場合、「何」と「どうやって」の協同があった。それが余りにきれいすぎて「のび」がなかった。
 もちろん、川上さんの評価は前半部分で満ちているようで、この作品を推したとある。
 では、「のび」とは何であったのか。
 これはこの作品の作者本谷有希子さんの資質とも関係しているような気がする。
 本谷さんはすでに劇作家としての評価も高く、劇の構成上、まとめるということが必然である。「のび」は舞台上にはなく、観ている観客側にあるのではないかと思う。
 そのあたり、やはり作家と劇作家の違いが出ているのではないか。
 同じように同じ異界のような物語を描いても川上さんの世界観とはかなり相違しているのも本谷さんの個性だろう。どれだけ異様な世界であっても最後には放り出せないものとしてしか本谷さんは書けなかったのだろう。

 この作品は芥川賞を受賞したが、一歩線を足したり引いたりすれば直木賞の世界でもおかしくなかったようにも思えた。
 だからなのか、読後には物語を読んだという満足感が残った。
 最近の芥川賞受賞作でも出色の好編だろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

発想は兎も角

2016/01/26 00:00

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある日、自分の顔が旦那の顔にそっくりになっていることに気付いた…という書き出し。まさか、しかし面白い発想。で、夫婦とは、と考えさせるわけだが、脇役として登場するキタヱさん夫婦なしに物語は勧められない。キタヱさんと猫の逸話が深みを増し、芥川賞に結びついたといっていい。他に収録された掌編では、「藁の夫」が、やはり発想の点でユニーク。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

相手に合わせて生きること。ひるがえって自分を見失わないこと。

2017/05/31 00:44

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

似たもの夫婦という言葉がありますよね。
相手に合わせて我慢するよりも、違いを乗り越えてしまおうとか。
お互いを受け入れ、夫婦円満になろうとか。
何かの本にでも出てきそうなきれい事です。
この作品は、まるく収めようとする日本人的な部分を、強めの
暗喩であぶり出すのです。

相手に合わせる、自己主張を控える、ひいては自分で
考えるのをやめる。自分という個性が溶けていく状態を、
ふくわらいのように顔のパーツが崩れていくことにたとえています。

相手に合わせることは自分を律するとも言えますし、
相手に盲目的に従う無責任さとも言えます。

物語の最後に、妻が放った言葉で世界ははじけ飛び、
わたしの心には一つのメッセージが浮かびました。

> ワタシハ ココニ イルヨ

それは自分を見失わないことだと思いました。

以降に、わたしなりの解釈をもう少し続けようと思います。
この作品は様々な捉えかたで楽しめる幅広さが
あると思いますので、
気になる方は読了後にお読み下さい。


> ↓↓↓ <以降はややネタバレになります> ↓↓↓
------------------------

結婚当初は幸せいっぱいだったはずが、夫はいつしかつまらない
ゲームにはまり込んでいます。
口癖は、俺は家では何も考えたくない男。
そうです、無意味に時間を浪費し、楽をして妻にぶら下がって
いるだけの夫です。ある日、夫の顔までもが妻に似てきて、
一心同体になろうとしているのでした。

いつの間にか仕事も行かなくなり、勝手に家事を始めます。
ぐだぐだになり、心も体も溶けて混じり合っていきます。
あなたはもう、好きなものになりなさいと命じると、
夫は一輪の花になりました。

自分を大切にしたい人と、相手に依存してしまいたい人という
二つの精神性に切り込んでいます。
和を尊ぶ日本人は、相手に合わせるよう育てられることが
多いと思います。
この作品は、心とはそんな単純なものじゃないことを、人間と
別の生き物を持ち込むことで極端に見せてくれるのです。

作中に出てくる猫を捨てに行く話も同じです。
猫可愛がりをするおばあさんと、もたれかかられる状態から
脱却したい猫。家じゅうのあちこちにおしっこをもらすのは、
二方向の意味があります。

こんなに可愛がっているのに、おしっこもしつけられないなんて、
愛情が足りないのかしらと考えるおばあさん。
自分の縄張りを取り上げられたくなくて、必死にマーキングを
する猫。お互いに分かりあえていません。

作品を通して、個性とは何か、人と接するとはどういうことかを
考え抜こうとしているように思いました。
併録の短編も、同じ切り口を感じます。
先走りすぎたかもしれませんが、わたしはこんなことを考えながら
読みました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

旦那さんへの少しの同情

2017/02/12 21:29

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:十楽水 - この投稿者のレビュー一覧を見る

顔の崩壊を比喩に、夫が自分を自分たらしめる一切を進んで放棄して妻へ同化する様を描いた作品。人類補完計画じゃないけど、差異なく一体化すれば、自他の境界をなくせば生きていく不安はなくなるかも―。自己消滅の果ての究極のストレスフリーを企てた旦那の姿がとてもおぞましく、嫌悪感をかき立ててくれるのだけど、その旦那に「おれのうんこまで食ってくれそう」と言われた主人公である妻・サンちゃんは、旦那の浸食に抗いつつもどこかで受け入れている自分に気付いている。同化の末に現れる(?)対立も葛藤もない世界は、果たして楽園なのか。

最初は旦那が気持ち悪いから切り捨てられて当然と思ったけど、サンちゃんにも「自分」はあったのか?という疑問が浮上。打算で専業主婦を選び、代行できる家事はロボットにさせて、「私って何」のぽっかりした空虚さは影法師みたいに離れていない。旦那はその辺を見抜いていて、「うんこ」のくだりを突き付けられる。「お前は俺と同じだよ」って。ところがサンちゃん、スーパーをやめて商店街で買い物を始め、生活に立体感が出てから急に自意識が芽生えたみたいになっちゃって、挙句の果て(当然の帰結?)に旦那を排除する。すなわち同化を拒む。それが「好きなものになりなさい!」だけど、サンちゃんの場合の答えはなんだったのだろうか。

でも、他者の侵食を拒む条件に、自己の確立は不要。「本当になりたいもの」がなくても、自分という存在が曖昧でも、そのままの自分で生きていく権利はある。だから軍配はサンちゃんに上げるのだけど、旦那への同情も残る。作品前半では一応働いて、夫婦の生活を支えてきたのは立派だし、じわじわと変わっていく背後に何かあったの? 生きていくのが大変な時代に、似たもの同士と思っていた妻が突然目覚めたのが不幸の始まりかも。花になることができなかったのは、花だと働けないから?それてとも勇気がなかったせいか。

果たしてサンちゃんはその後幸せになれたのか。本当の自分になれたのか。きっとそんなことはないだろうけど、なんか恨み言みたいになったのでこのへんで。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

2015年芥川賞受賞作

2016/03/22 16:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者はニートや引きこもりなど、他者との関係に悩む人を描くのがうまい。本書でも夫と妻という、ある意味では他人同士の奇妙な生活を考えさせられる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

本当にありそうで…

2018/06/06 12:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Tareme - この投稿者のレビュー一覧を見る

夫婦という関係にうっすらと感じる違和感とか不思議さを全体に散りばめたようなファンタジー小説。いや、ファンタジーではないのかもしれない。
顔が似てくる夫婦とか、本当にいると思う。顔だけではない、声の出しかたとか、使う言葉とか、動作とか…

あまり著者の作品は読んだことがなかったのですが、引き込まれました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

あ。こういう終わり方ね!

2016/11/16 19:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽぽちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

読みやすくて、スラスラ読めた。
思っていた終わり方と違っていたので、読むにつれて、カオスになる物語に、あれ?こんな感じなの?と思った。

しかし、物語自体は考えさせられる所や、共通するものがあった。謎めいてる所もあるが、それはあくまでも作者の言い回し、表現であって、内容はきっとどこの男女にもありえる事なんだと思う。だからこそ、絶妙で面白いのかなぁと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

読みやすい

2016/03/06 18:54

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: - この投稿者のレビュー一覧を見る

とっても読みやすく、なめらかな文章です。書き馴れている感じで、物語の世界にも入りやすかったです。ただ、評論家のどなたかもおっしゃっていたとおり、ラストの展開が余計かなって感じですね。また、表題作以外の3作も、ちょっと物足りなかったです。今後の作品に期待しましょう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

芥川賞受賞作

2016/12/20 16:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る

芥川賞受賞作。さすがに表題作の「異類婚姻譚」は面白かった。確かに夫婦って似てくるよなあ。野村克也夫妻なんてそっくりだもんなあ。
GRANTAで一度読んでいた「犬たち」もまずまずだったが、「トモ子のバウムクーヘン」と「藁の夫」はイマイチでしたね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

「個」のあいまいさ

2016/03/05 23:45

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近話題になったので読んでみました。中篇集です。

「異類婚姻譚」は互いが同化していく夫婦の話。社会の中で自分らしさを保つことを止めると、まぁそうなっていくよなーって素直に同感しました。今回収録されている4作の中で、一番分かりやすくて面白かったです。

続いて、静かな世界で大勢の白い犬と生活する人を描いた「犬たち」、異形の夫と結婚した「藁の夫」など、段々「個」があいまいになっていく作品が多かったです。

どれも着眼点はユニークで面白いのですが、その語り口がかなりゆったりしているので、もう少し物語のテンポが良ければ話に入り込めそうな気がしました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

実にシュールな世界観

2016/03/04 09:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本谷有希子著「異類婚姻譚」(講談社)は2015年度の芥川賞受賞作品、ということで読んでみました。

この本には「異類婚姻譚」の他、「犬たち」、「トモ子のバームクーヘン」、「藁の夫」の4編が収録されています。

【異類婚姻譚】

主人公サンちゃん(専業主婦)が結婚生活や近所づきあい、弟との関係などの日常生活を淡々と語るのですが、夫が人の形をだんだん取らなくなって人間以外に見えたり、自分が夫に食べられるかのように感じたり、認識の仕方が実にシュールです。主人公始め全ての登場人物の名前がフルネームではなく、カタカナ表記の名だけなのも、主人公の認識する世界の現実感の無さを強めているように思います。サンちゃん本人もだんだん夫と同化していくように人ではなくなっていく感じがして、結婚生活になんとなく危機感を抱いています。こんなふうにしか夫婦関係を捉えられないなんて気の毒に思えてきます。自分も夫も人間として認知できないなんて、何かの精神疾患患者の世界観なのでは、と思わずにはいられない程違和感があり、個人的に全然共感できません。まるでダリのぐにゃりと歪んだ時計のあるシュールな世界を見せられたような気分です。

【犬たち】

知り合いが祖父から相続したという山小屋にこもって黙々と仕事をする人嫌いな主人公。山小屋には何十匹もの真っ白な犬が出入りしていて、「私」はこの犬たちと一緒に散歩したりするのを日課としています。この犬たちはエサは要求しない。

山小屋の生活に必要なものは麓の街まで車で下りて調達するのですが、なぜかこの街には犬が一匹もいない。街の警官は「犬を見かけたら知らせるように」と言う。理由は「人が行方不明になっている」。因果関係は不明。取りあえず、「私」は真っ白な犬たちのことは黙っておき、そのまま山小屋での生活を送り、そして誰もいなくなった、という奇妙な話。SFのようなファンタジーのような。なんとなく腑に落ちない読後感は、その昔に読んだ筒井康隆のショートショートに通じるものがあるように思います。

【トモ子のバームクーヘン】

主人公トモ子は専業主婦で、夫、子供二人と猫一匹と暮らしています。彼女も現実認識にズレがあります。思い出の写真が他人事のように思えたり、夫や子供や飼い猫が急に別の生き物と入れ替わってしまったように思えたり。日常的な非日常さ加減は「異類婚姻譚」の世界観と共通しているように思います。ただ、こちらはダリというよりムンクの叫びのようなイメージに近いような気がします。

【藁の夫】

主人公トモ子と藁でできた夫との生活が描かれています。この「藁」が何の暗喩なのか分かりません。買って1か月しか経ってない夫のBMWをトモ子が不注意で傷つけてしまったことで夫が不機嫌をあらわに文句を言い、それに呼応するように藁の隙間から小さな楽器がばらばらとこぼれ出して来る、という描写が想像すると妙におかしくて、面白いと思いました。

「彼の外に出てしまった楽器と、この残ったかすかすの藁の、どちらが自分の夫なんだろう。」と疑問に思うトモ子さん。「気づくと、太陽の下に干したタオルのように愛おしかった彼の匂いが、家畜に出される飼料の臭いに変わっていた。」と、急に夫が嫌になってしまったようです。それで「藁に火をつけたらどうなるか」と想像してしまうあたり、随分嫌悪感を抱いてしまったようです。

それにしても、なぜ「藁」?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ぞくっとする

2016/02/09 15:55

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:D - この投稿者のレビュー一覧を見る

4話の短編集で、表題の異類婚姻譚が154回年芥川賞受賞作品の1つ
(本谷さんはノミネート4回目で芥川賞受賞) 。

家族といえども、本当は他人同士で成り立っている夫婦のあり方の一つを描いた作品 。
本文中にある「自分だけ、俺に食べさせてると思ったんでしょ」がぞくっときました。
自分だけが相手に合せているんだと思いがちですが、実は相手にやってもらっていることは見えない。やってあげたことばかりが心の中に塵のようにたまっていく。
しかし、あんな旦那ならば別れた方がいいのに別れられない依存度というのも怖いですね。。。
他の3篇も楽しく読めます

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

ゾクッとする話。

2016/01/27 01:33

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ある日、自分の顔が旦那の顔にそっくりになっていることに気付いた」
この最初の文章にすべての内容が含まれている。どんな内容なのか気になって購入。何も知らずに読み始めたが、内容はとにかく旦那の顔が気持ち悪かった。ホラー小説かと思うほど不気味でゾクッとする。正直に言って、結末がどういう意味なのかよく分からない。ただ、余韻が残る怖い話だった。
 ちなみに、この本には表題作以外にも三つの短編が入っている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

難しい、、、、

2017/01/28 09:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る

結婚について考える、というコメント付きで紹介されていたようだが、多角的な観点が感じられなかった。理解するのに時間がかかりそうな気がする。夫婦がずっと一緒にいて似ることもあるだろうが、この表現は分かりにくいかも。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。