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絹の変容
著者 篠田節子
【第3回小説すばる新人賞受賞作】レーザーディスクのように輝く絹織物――偶然、不思議な糸を吐く野蚕を発見した長谷康貴は、その魅力に憑かれ、バイオ・テクノロジー技術者・有田芳...
絹の変容
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絹の変容 (集英社文庫)
商品説明
【第3回小説すばる新人賞受賞作】レーザーディスクのように輝く絹織物――偶然、不思議な糸を吐く野蚕を発見した長谷康貴は、その魅力に憑かれ、バイオ・テクノロジー技術者・有田芳乃の協力で、蚕を繁殖させようとする。事業は成功したように見えたが、意外なパニックがまき起こる……ミステリータッチの本格SF。
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紙の本
七色に輝く糸を吐く不思議な蚕
2001/12/09 16:57
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投稿者:アクエリアス - この投稿者のレビュー一覧を見る
土蔵の中から、レーザーディスクのように光る一枚の小さな布を見つけた長谷は、その美しさに魅せられる。それが祖母の嫁入り道具だと知った長谷は、その故郷へ行き、虹色の糸を吐く蚕を見つけだした。これで美しい着物を作り、製品化したいと長谷は夢見る。
協力者として雇った優秀な技術者有田芳乃は、バイオテクノロジーを駆使して、その蚕を雑食性に造りかえる。蛋白質を直接摂取して、蚕は巨大化し、順調に繁殖していく。
そんなある日、飼育場を訪れた長谷の妻が、ぜんそく発作で急死。その後も、飼育場近辺で子供が倒れたり、養鶏場の鶏が腹がぼろぼろになって死んでいるなどという異変が起こる。
七色に輝く織物の製品化は近づいているが、長谷の不安は大きくなっていった。
怖い話でした。特にイモムシの類が苦手な私は、読んでいる間ぞわぞわしていました。体長15センチ、肉食する蚕なんて、実物は絶対に見たくない。でもこういう話って、読み始めるとやめられないんですよね。おもしろかったです。
バイオテクノロジーというのは、人間にとって有益な技術ですが、ひとつ間違うと、とんでもないことになる可能性があるという一例を、篠田節子氏に見せてもらいました。