紙の本
読みにくい
2014/03/13 09:01
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投稿者:うにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表記が折り目正しい割には、感覚的で曖昧模糊としているので読みにくかった。
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日本を出たこともない私には、海外のなんだか分からない食べ物を口にするってことは勇気や覚悟がいる以上の行動に思えるんだけど、旅人はいったいどんな気持ちでその食べ物に対峙するんだろう。
ということが、すこし分かる。本当は分かるなんて言っちゃいけないんだけど。
カラカラに干からびたところへ差し出された、現地の水。
ゲロ雑巾と二つ名がつけられた食べ物。
隣国のファストフード店が作るものには見向きもしない、その国の人たちの誇りに支えられた料理。
目の前で解体されたヤギの内臓。
それを食べる以外の選択肢がないときもあるし、純粋に興味から口にするときもあり、招かれてとる食事もある。
旅人がかならず持っているものは勇気や覚悟もそうだろうけど、なにより好奇心と会話する意思がないと続かないんだな、と思った。
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『食べる。』というタイトルからして、世界各国食べ歩き紀行かと思いきや。
食を起点にした、人との交流を中心に描いたノンフィクション。
でも、一番印象に残ってるのはヨルダン南部の村、宿の屋上に腰かけて食べるサッポロ一番塩らーめんの描写でしたが。
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なんかすっごくいい本に出会った…。ほとんどジャケ買いで、おいしいものがいっぱい出てくる旅エッセイなのかな、と軽い気持ちで買ったけれど、この濃さは何。深夜特急をはじめて読んだときのような感動。それは旅のハードさを大げさに語るでもなく、つまらない自分語りばかりをきかされるのでもなく、ほんとうに、ただ、旅。その視線がまっすぐでシンプルでただ美しくて、まるでそれが当たり前のことのような感じで書かれているのがいい。すごい高尚なことは何も書かれていないけどなぜかこの人の魂の気高さに触れてしまう。そんなにひどくないはずの解説ですら、この人の透明すぎる文章の前ではくすんで感じられた。すごい人が現れたな。
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旅人の本
料理の本ではない。
旅は出会い
旅は食
そんな事を思い出させてくれる本です。
少し独特のクセみたいなものがあると感じたのは、旅に出ていないからかなぁ??
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食べ物のエッセイだと思ったら、大間違い。国際文化を深く理解するバイブルになります。作者にはそんな意図がないだろうけど。
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もの喰う人々、を思い出す。あの本も世界中を巡って食というミクロ且つ文化の凝縮されたものから世界の現在の姿を読み解く試みでした。
この中村さんの本は、旅で出会った食に絡めた、ただありのままの旅のことをつづるエッセイ集です。違いといえば、前者ほど大仰な試みではなく、思い出話のようなもの。薄味ではあるが、しかしただの旅人の瑞々しい視点が、まるで自分の視点のよう。追体験として読めるということは、やはり自分の延長線上にはこの人がいるのだろう。
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ノンフィクションと小説の中間のような文章。ひりひりとした感じは、「深夜特急」を思い起こさせる。もう少し、続きが読みたい。
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バックパッカーであり、ライターである著者が世界の僻地辺境へ行って現地で食べたものと、それを食べることになった過程、その周囲にいた人たちの生活、その人たちとのやり取りを淡々とした文章で描く。 バックパッカーものは、ふわふわした印象を持つものが多いんだけど、かなり冷静に客観視しながら書いている感じ。旅もその聡明な感じのする姿勢などにもあこがれる。とてもではないが、口にいれることのないような、日本で言えば衛生的でないもの・・・・。エジプトのあの水の壺から水を飲むだなんて・・・・。でも現地で昔から使われている知恵で、いつも冷たいのだ・・・。グリーンティーとか、雑巾みたいな、なにかとか。おもしろすぎる。
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彼女の行動力に驚愕。
未知の世界に足を踏み入れていく様は逞しくもあるが、同時に心配しながら読んだ。
本書には書かれていなかったが、きっと危険な目に幾度となくあっているのだろう。
世界には色々な環境で色々な食べ物を食べている人々がいることを、本書を通じて改めて知った。
友人から旅の土産話を聞いているような、それでいて私自身も旅に出たような、日常とは違う世界に連れて行ってくれた。
食べるという人間の根源である行為を中心に書かれていることが、生きること、生命力を想起させ、より一層印象に残る内容になっているのではないだろうか。
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世界を巡り書いた食事の話。
美味しそうなものだけでなく明らかに不味そうなものや食べるときに遠慮しながら勧められた人に気遣って無理に食べたものなどもあるのがよい。
エチオピアのインジェラの ゲロみたいに酸っぱいぼろ雑巾 はどうかんがえても美味しくなさそうなのに興味をそそる。
ヨルダンで食べたサッポロ一番塩ラーメンの旨さなどの描写もよい。
自宅のテレビから得られる膨大な知識よりも、旅で得られるわずかな手触りにこそ真実がある。
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食べるというのは生きることそのもの。
中村さんのようにのびのびと真っ直ぐよく食べてありのままに感じて生きたい。
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"この世界のことを何も知らないままでは、自分が何をすればよいかを正確に知ることはできないと思うからです"
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本書の筆者である中村安希を最初に読んだのは、3年ほど前のことであり、それは、開高健ノンフィクション賞を受賞した「インパラの朝」という本だった。「インパラの朝」は旅行記だった。アジア・中東・アフリカ・ヨーロッパの47か国をを684日間まわる、とても過酷な旅の記録だった。私はこの本がとても気に入り、その後も中村安希の本を何冊か読んでいる。
本書「食べる。」も久しぶりに中村安希の本を読んでみようと思って手にとったものだ。「食べる。」という題名から考えて、当然、何か「食」「食文化」等に関するノンフィクションだと思っていたが、実際には、この本も旅行記だった。「食べる。」ことは、収載されている16話に必ず出てくるが、それがメインのテーマではなく、旅先での出来事の一つとして位置づけられている。「インパラの朝」のような旅行記をまた読んでみたいな、と思っていたので、そういう内容であったことは、嬉しい勘違いでもあった。
最後の16話目、ルーマニアでの話の中で、彼女は「旅」についての自分自身の考えを書いている。それは、彼女の旅のブログを読んでメールをくれた、ルーマニア人の女性に対しての返信のメールとして書かれている。
【引用】
私は、旅を全くしない人生は、意味や特徴が少ないと考えています。旅をする以外の方法で、どうやって世界のことを知ればいいのかが私にはよく分からないし、さらに言うと、この世界のことを何も知らないままでは、自分が何をすればよいのかを正確に知ることはできないと思うからです。だから旅をしています。
【引用おわり】
このような考えを持つ人の旅行記として、「インパラの朝」に続き、本書も楽しく読んだ。
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最初は結構淡々と話すし、そこまで一喜一憂せず、感情をそこまでださないのかなと思って染み込まなかったけど、中盤からノリに乗ってきた。面白い。
でもちょっと残念だったのが解説。なにかを薦めるときに何かを下げる必要は無いと思う。
「臭かった。けれど臭みが顔中に広がると、不思議な気持ちよさがあることに気がついた。それは、臭みにはまったついでに、どうせなら、もう一かけ迎え撃ちたいと思わせるような、意欲を掻き立てる味だった。」
「それは私が愛したグリーンティーで、それ以上でも、またそれ以外でもない。」