第二の人生

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投稿者：たけぞう　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

サッカー日本代表の試合は大好きです。
日本代表のワールドカップ中継を積極的にTV観戦します。
フル代表ほどではなくても、オリンピック代表も応援します。
だからゾノさんの本ならば、ぜひ読みたいと思っていました。

参考までに、サッカーの場合オリンピック代表は23歳以下＋3名の
オーバーエイジ枠というルールですので、年齢制限のないワールド
カップがフル代表と呼ばれます。

サッカー代表の方で本を書かれた方は他にもいますが、
なんなのでしょう、ゾノさんの別格感は。最近、ケンミンショーという
TV番組に出演することがあり、子どもたちもファンになっていますが、
それ以上にわたしも惹かれています。

あらためて拝読すると、ゾノさんはフル代表に呼ばれてもほとんど
活躍できずに終わっているのですね。
もちろんワールドカップ本戦に出場したことはありません。

1993年。ワールドカップアメリカ大会、アジア地区最終予選
最終試合のイラク戦ロスタイム。そう、ドーハの悲劇です。
あの日、生中継で見た光景を忘れることはできません。
4年後の1997年、フル代表はジョホール・バルの歓喜と
呼ばれる試合で、初めてワールドカップ本戦行きを決めます。

しかしその前の1996年。
23歳以下の日本代表が、28年ぶりにオリンピックに
進んだのです。本戦のアトランタオリンピックでは、初戦の
ブラジル戦に初勝利し、マイアミの奇跡と呼ばれています。
その時のキャプテンがゾノさんなのです。

ドーハのショックを回復した一歩目は、間違いなくオリンピック
代表の活躍なのです。
だからゾノさんは、キングカズと同じくらい存在感があるのです。
恐ろしく記憶に残る選手であることは間違いないです。

ところが。驚きました。
和製マラドーナと異名を持つゾノさんが、実は強面の仮面を
かぶっていただけなのですから。
しかも、本人すら気がつかないで。

ゾノさんが自覚したのは、第二の人生と称するタクシー運転手
暴行事件を起こしたからです。

この本は、自分自身を見つめ、ポジティブにネガティブに、自らを
多面的に捉えなおして再構築した過程が書かれています。
いっぱい、いいことが書いてあります。
そしてゾノさんが、人間的になんと魅力のある人なのかが伝わって
きます。これが別格感の正体かと思うと、ますますファンに
なってしまいます。

自己啓発書的に読むのもありです。
そしてそれ以上に、人間力という言葉の意味を実感できます。
ゾノさん、いい奴です。