0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆん - この投稿者のレビュー一覧を見る
風呂に入る=裸になるのは、市村岬にとっては鱗(蛇体?)をさらすこと。海からやって来たモノたちがこの世で生活する(脱皮して人の形になる?)には、湯に浸かる必要がある。岬に限らず、登場人物たちはよく風呂に入る。あの世とこの世の境である雁湯、玉むすびが息を吹き返した露天風呂(海?)などなど…岬が落ちた川、峠が落ちた海も水を湛えた場所で、あの世とこの世の境界だろう。市村兄弟の名前である岬と峠も境を表す言葉。『わたつみ(綿摘み? 海神?)』では岬の体が誰であったのかが仄めかされ、『かげろう』ではその体に入ったタマシイが海で拾われたことが明かされる。そのタマシイはどこからきたのか?峠はどのような存在なのか?おそらく本人すら答えを知らない疑問。物語としてはそれなりの決着がついているにも拘わらず、読了後いつまでもざわざわする感じ。
しっとりしたお話
2020/12/07 18:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長野まゆみさんが大好きで、いくつも作品を読んできました。
今回も思った通りの良作です。
長野まゆみさんの綴られる文章、言葉遣い、世界観。良きです。
なかなかの妖しさ
2015/12/31 00:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒猫ニコル - この投稿者のレビュー一覧を見る
携帯電話が圏外という文字が出てきて、あ、そうか現代なんだなと気付かされるのだけども、読んでいるといつの間にか昭和初期のノスタルジックな世界感に浸ってしまう不思議な感覚。
冒頭の「空蝉」が切ない。
最後の「雨宿」に胸キュン。
もやもや~っとした感じを引きずりつつも、また頁をめくる。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに長野まゆみ作品を読む。以前読んだ作品と印象が違う気がするけど、個人的にはこういう作品の方が親しみやすくて好きです。とにかく蛇が沢山出てくるので蛇が苦手じゃない人、且つ、同性同士の恋愛に抵抗が無い人向け かもしれない。余談だけど母がハマった様子。
投稿元:
レビューを見る
20090822 読了
話の意味が深い場所で理解できていなくても、どうしてかその文章に呑まれていくのが不思議。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに長野作品を読みましたが難解でしたー。ただグングン文章に引き込まれていく感覚はやはり心地よい。
投稿元:
レビューを見る
書き方が一番目に付いたな。
前読んでから期間空いたからかもだけど。
変わったね。
かぎ括弧をあまり使ってなくて、会話も地の文に書いてしまうの。
それでもやっぱり掴めそうで掴めない文体は変わってなくて。
その微妙な感覚、好きだな。
あめふらし。
良いね。
ただ少し、市村さんが気がかり。
知らない事が多くて、多すぎて。
可愛そう。
…そうだね、敢えてこの字を使おう。
可愛そう。
ふふ、良いね、あめふらし。
投稿元:
レビューを見る
「気分」じゃないときに読んじゃったんだけど、なぜだかどんどんどんどん引き込まれました。メリ!ハリ!がないのが、幻想小説の醍醐味かとー。
投稿元:
レビューを見る
理解できない世界でした。10回ぐらい読んだら、もしかして理解できるのかもしれないけど、理解できなくてもいいや。
投稿元:
レビューを見る
本作は『よろづ春夏冬中』の「雨師(うし)」とリンクしている。
よろづ・・・は短編集であって、BLをニオワセル作品も
あるにはあったけど、不思議な話も含まれていて
中でも「雨師」はお気に入りだった。
祖父の残した古屋に住む市村兄弟。
奇妙な兄弟ではあるが、弟君の方がすっとぼけている。
梨木香歩さんの「家守綺譚」の主人公のような感じ。
不可思議な状況を「まぁ~いいか」と受け入れてしまう。
そこで雨漏り診断士と名乗る知らない男と出会うのだが
この男こそ、本作の主人公?というより黒幕のあめふらし。
あめふらしとは、タマシイを捕らえる事を
生業とするモノのことである。
この男、橘河はウヅマキ商會の社長であり
表向きの仕事は何でも屋である。
舞い込む仕事は実に奇妙なものばかり。
蛇を捕まえに行ったら、死んだ娘と結婚する羽目になったり
傘を届けて欲しいと依頼され、40年前の世界に向かったり
時として危険な目に遭う。
橘河が助けてはくれるが、厄介な同業もいる。
8つの章に分かれているが、別の話しのようでいて、
実は繋がっていて、少しずつ色んな事がわかっていく。
ファンタジーではなく、和風の幻想奇譚という表現が合う。
ふいに紛れ込む現実とあの世の狭間のような世界。
この作品にはやたらと蛇をにおわせるモノが出てくる。
それと同時に水も多くでてくる。
作品全体が、水を含んでるような感じなのだ。
二つの世を分けるのは水なんだと思わずにはいられない。
奇妙な世界に大満足でした。
投稿元:
レビューを見る
読んでるうちに辺りが、じっとり蒸し暑くなるような、長野まゆみ作品は、情景描写が仔細。
文章にひきつけられるうちに読み終わっていました。この世界観に浸っていたいな~なんて思っているうちに幕引き、後切れも良かった。
なーんか、似た雰囲気のお話あったような、と思ったてたら、解説が。「よろづ春夏冬中」の雨師を元としてたんですね!そういえば~(←忘れていました)この流れで読み返すかなー。
投稿元:
レビューを見る
初期作品が硬質的で凛と冷えた感じがするならば、これは湿気を含んだ熱っぽさを感じます。しかし魂は同じという印象ですね。実に創り込んだ怪しく妖しい物語。外枠だけ描写して読み手の想像妄想を膨らませる文章が面白い。そこがまた初期より変わらぬ長野まゆみの魅力ですな。
投稿元:
レビューを見る
珍しく読みやすいお話でした
相変わらず美しい叙事表現と摩訶不思議なキャラクター構成
長野まゆみのプロットって大変興味あります
あの人の頭の中ではどういう風に接続されるの?
投稿元:
レビューを見る
この世界観を理解するにはあと3回くらい読まないと難しいかもと感じた。後半からグングン引き込まれました。BL要素は・・ある
投稿元:
レビューを見る
おもしろくない。ここのところ、長野まゆみの作品でおもしろいのに出会えていない。好みの問題だといわれちゃうとそうなんだけど。
文体はおもしろいと思う。会話が「」を使わないで書かれて、噺を聞いているカンジを受ける。