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投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
み進めてしまった。
それにしても、在野とは何だろう?
象牙の塔と揶揄される大学、そして大学教授たちがメインとなる研究会。ここに在籍していないと、研究者としては何となく信頼されない雰囲気がある日本。
しかし、かつて、アカデミックな立場に身を置かずとも、その業績をあげてきた研究者がいることを具体例を示しながら教えてくれる本書。
何かの分野を突き詰める研究者。その姿勢と方法論がしっかりしていれば、公的なアカデミックな立場なんて関係ないはず。
日本では立場論が優先しがちな印象がある。おそらく、それは大きく間違ってはいないであろう。
ただ、そんな立場に身を置かない研究者がいたことを改めて知ることができた。
そして、在野という言葉に込めた筆者の温かいまなざしが、なんとなく垣間見えた気がした。
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大学等の研究機関に所属せず「在野」で研究し業績を残した人々の評伝。
カタログ的に名前を確認するのに良い本だった。
著者の語り口も小気味良い。
やはり小室直樹か。
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中身はタイトルに比べるとぐっと軽い。ここで紹介された民間学者とエリック・ホッファーは同列に論じられるべき存在なのだろうか?
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私の敬愛してきた「学者」も多く登場する評伝集。
うらみがましい記述もあるが、アカデミアの窮屈さもまた事実であれば、学究の楽しさに選ぶところはないのだ。
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ウェブでは西洋人を中心に続々と書かれているが、続編出たりするのだろうか。自己啓発本のようで、実際啓発されるし伝記もそれ自体面白い。学校的なものから自由でいられる在野研究の鷹揚さ、格好良さが伝わる。著者も在野研究は独断的になりやすいと注釈をしているが、多少独断的であることよりもものをろくに書かないとか、優れた学生院生の芽を摘む教師のほうがよほど罪深いというのは小保方『あの日』を読んでつくづく思ったことだ。
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在野研究者たちの評伝というスタイルをとりつつ、知をつかみ取る選択肢はたったひとつではないことを強くアジった書籍である。
過去の在野研究者たちの生き様を読みながら、なによりも「知をつかみ取る意志」こそが大切であると感じさせられた。
在野研究者のすばらしい業績だけではなく、負の部分(すべての人ではないが)を記述することで、在野研究の陥りがちな部分を浮き彫りにしているのもこの本のいいところだと思う。
さて、自分はどれだけあがいているのか、あがきたりないのではないか?と自問自答したい。そして行動を起こさねば、と思う。
(連載中に森銑三さんの評伝を強く読みたいと念願してしたのが、叶ったのがなによりもうれしい)
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大学職員という職業を持つ者が、大学院に通い研究の経験をしたり、またそこを修了して研究活動を続けることに対する否定的な意見等を浴びせられることは少なくない。以前、何かにとりつかれたように病的にSNS上で、ごく狭い範囲のケースを想定して大学院や学会活動やその経験に関連する批判的な言説を垂れ流す輩もいた。おそらく、その成果に対する称賛の声より、獲得した学歴と業務への姿勢や当該人物の能力に関連付けされて批判される場面の方が多いだろう。
本書『これからのエリック・ホッファーのために-在野研究者と生と心得』には、こうした批判が生まれることを見越して、「仕事場で研究の話をするのは厳禁」と戒め、「日常生活で学問の話をすると、大体の場合において引かれてしまう。あるいは、へぇー頭いいね、と完全なる社交辞令で流されてしまう。会社のなかで政治の話が危ういように、学問話もまた一般社会にあっては異物として存在することを忘れてはならない。」(p.143)と説いている。中教審の答申等で、大学院教育による職員の能力開発が推奨されたが、明らかに前述した一般論とは異なるので、いつまでもコンフリクトが起き続けることはある意味当然といえる。当事者や利害関係者で、大学院での学修経験の有用性を検証しようとしても、なかなか議論の溝は埋まらない。両者ともに辟易しているうちに小康状態になっているのが昨今であろう。また寝た子は起こさないほうが賢明かもしれない。その間に一定期間、「在野での研究」ないしそれに近い経験を少しでも蓄積していき、「自主的に立ち上が」(p.4)ればよいはずだ。「在野で研究などやろうとする人間は周囲の人々から、おおかた変わり者だと思われ」(p.81)ることと、「周囲に頭がおかしいと思わせる」(p.81)と、予め了解しておくとさらに無用な衝突を減らすことができよう。
上の文脈での学修者は、「ホッファーのように狭義の学術機関に頼らずに学的な営みを続けた研究者たち」(p.5)より、研究環境に恵まれているケースもある。各人がそれを活かさない手はない。また幸いにも、大学職員は、出版社で同じくらい「研究や学問の営為としばしば隣接」(p.37)する場面に遭遇することが多い。さらに地理的条件や大学規模によるが、大学は「情報のセンター」の性格を持ち合わせている。研究を生業としない大学関係者ほど、在野研究を進めやすい職業はないのではないかと思う。
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エリック・ホッファーはこんな本は書かなかっただろう。知らないけど。彼は、彼の哲学を、周囲にとらわれることなく、境遇に迷うことなく続けた。それが僕の印象だ。
三浦つとむ、谷川健一、高群逸枝、小室直樹、南方熊楠、ほかに、名を知らない人もいましたが、ちょっと、普通の感覚では比較にならない抜群の才能群ですね。
彼らを先達とした、荒木青年の心意気や、よし!ただ、惜しむらくは、紹介されている「独学者」に筆がついて行っていない印象はぬぐえなかったことだ。
谷川健一や吉野裕子は長年のひいきだが、当たり前のことながら、彼や彼女の著作を読み切るだけでも、凡夫にとって一生の仕事といえるでしょうね。なかなか、「こんな人がいた。」で済ませられる相手ではありません。
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まず、読みやすい。
そして、意外な人物に出会えて楽しい。
最後に、在野という生き方を知って、なにか励まされるものがあった。
加えて、著者のあとがきが本当にいい。学問すること、学問する人への尊敬に満ち溢れている。
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[関連リンク]
R-style 【書評】これからのエリック・ホッファーのために(荒木優太): http://rashita.net/blog/?p=17898
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発表に困った時は自分でメディアをつくってみる。どう意見交換や交流の場を設定すればいいのかというメディアの編集者的視点まで行けば、立派な自前メディア研究者。
平易な表現や文体に努めるべし。
複雑な職歴も武器になる。
専門領域に囚われない。大学の図書館は閉鎖的で狭い世界。学外者すら自由に利用できない。自分お専門に執心しないでいられる自由さや在野の学者の大きな利点。
簡単に自分で自分の限界を設けない。専門領域を深く探求していくこてゃ大切だが、別の領域の入門者の支店を身に着けることで、自分が既知としていた専門の風景も大きく様が割るすることがある。そのあくなき探求心で多くの学生をひきつける。大きな武器として学問的にも実生活にも己の身を救うう。
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「『在野研究ビギナーズ』より『これエリ』の方がマニュアル的」と聞いて読んでみたが、実際その通りで、とても面白く為になった。
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企業がオープンイノベーションを模索しているように、大学もオープンになって研究者をサポートして欲しい
研究する人がもっと増えれば、世の中もっと面白くなるはず!
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エリック・ホッファー・ブック あ
在野研究者
・ホッファー 一日6時間、週5日以上働くべきではない。
・在野研究仲間を探す。発表する場(雑誌)。
・独学のすすめ 谷川 し
助成金(日本学術振興会、助成団体センター、奨励研究(一人で行う研究助成))
マイナーな研究でパイオニア
課程博士と論文博士
細く長く
自前のメディア(雑誌の発行)+研究コミュニティ(読書会、勉強会から)
自由に開かれた勉強会に参加。コニュニティをつくって飲み会。
専門家にコンタクトをとる
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大学に属さず研究を続けていった日本の研究者を例に、大学以外で研究をする上での心得を40個挙げています。
例に挙げる研究者はそれぞれすさまじい経歴で、研究に邁進していた人々であり、なかなか真似できないとも思ってしまいますが、(いくつかの心得は研究者と無理やりつなげているのでは、、、と思うものもありましたが)研究を続ける=大学で教員という、一般的な途以外にも、視野を広げてみようと思える一冊だと思います。
図書館でランダムに本を借りて読む形で出会った本ですが、自分の知らない分野の研究者について知ることもできました。