紙の本
面白い!
2015/02/17 16:55
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M マサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去の戦争から、1つの国々が経済政策で、どのような、政策が成功し、失敗を繰り返して居るか、解りやすく解説されている、間に、ナチスドイツを描写され、長期間にどん底の経済状況の中、狂変する国、
改めて、
経済状況を安定することの重要性、それを、コントロールする政府の責任は大きい、この手の内容が、手軽に読める時代に、メディアに出演されているコメンテーターは、油断すると笑われますよ。
現代社会と、被せての演出も、読み応え有りました。
紙の本
経済で読み解く大東亜戦争 「ジオ・エコノミクス」で日米の開戦動機を解明する
2015/03/14 17:31
9人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:太平洋戦争 - この投稿者のレビュー一覧を見る
太平洋戦争と大東亜戦争
言葉使いが汚くて寒気と悪寒がした。経済問題というより歴史認識の問題を提議しているみたい。
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通貨価値の安定とは、経済成長の“手段”であって、“目的”ではない。
紙幣というただの紙切れに信用という見えない価値を持たせるには、価値があるという裏づけを必要とします。今はその国の信用度合いですが、それまでは金でした。
金の量は制限があり、経済成長はほぼ無限に拡大していく中で、必ず通貨量とモノの需給差が出てきます。
ざっくり言うと、
モノに対し貨幣の量が『多く』なることをインフレ。
モノに対し貨幣の量が『少なく』なることをデフレ。
経済規模の拡大と共に、金の生産量が順調に伸びている時は、通貨量を増やすことが出来るのですが、横ばい又は落ち込むと通貨量が不足してくる。つまりデフレになる。
過去におこった大恐慌の原因はインフレではなくデフレだということがわかるのです!
またデフレにより不況となることで、人心が荒廃し、一挙に問題解決してくれると思わせる思想に流されていく危険性も記述されています。
あとがきに2014年12月の衆議院選挙のことがあり、
「残念ですが、私たちは100年以上の間ほとんど進歩していないようです」
と、ある。読み終えた時、痛いほどよくわかります。
この著書は、その経緯を詳しく、とてもわかりやすく解説しています。
知りたかったことが全て書いてある!
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(2015年発行)
・日本はなぜ戦争をしたのか→悪手を打つように敷かれたレールの上を強制的に走らされた。
・世界恐慌も昭和恐慌の真因はデフレ=お金不足で発生する貨幣現象。
・島国であるイギリスが経済大国になった理由。金本位制は効率的に貿易決済を行ううえですぐれた制度。19世紀の世界貿易はイギリスが確立した国際金本位制度で飛躍的に進歩。
・金本位性を採用する限り、その国の金の保有量を上限としてそれ以上のお金を供給することができない。
・長期デフレを脱却して19世紀後半にアール・ヌーヴォーの運動がおこった。その作風は産業革命的な工業製品のアンチテーゼ。
・1906年サンフランシスコの大地震→保険会社の保険金支払いに巨額の資金必要→金本位性だったので、ロンドンから金を輸入→イギリスによる金の過剰防衛→1907年恐慌
・日本だと日露戦争後に戦後恐慌。中国や朝鮮に投資を行うため金の国内からの流出がおこる。国内で使う金を減らすか外国から調達するしかない。しかしイギリスが利上げしていたためたくさんの金利を支払わないと調達できなくなっていた。
・1931年、日本は金本位制を離脱。
・イギリスが金本位制を停止すると、自国通貨をポンドにリンクする国があらわれた。スターリン・ブロック。悪名高いブロック経済。
・戦後、アメリカは日本を弱体化して2度と戦争ができない国にする予定だったが、冷戦構造の激化により日本経済を復興させなければいけなくなる。
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大東亜戦争や世界大戦を経済的な視点から、観るという面白い試み。
経済が困窮すると、いつの時代も過激な思想に取り憑かれるということよね。
面白かったが、今もまだやってる人を見かけるね。この本を読ん書いてある様な事を。
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経済、特に財政・金融政策からいかにして戦争に突入したかをわかりやすく著している。個人的には知識の範囲内のことが書かれていたが、自分の頭の中で点として孤立していた知識がひとつにまとまったような感じがする。知識があろうとなかろうと、前者なら連関性が「ジオ・エコノミクス(地政経済学)」によってわかるし、後者なら戦争がおきるカラクリがわかる。大東亜戦争を議論する書物を読む「前」に、基本的な考え方を知る上ではうってつけ。
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今までに何冊か、日本はなぜ大東亜戦争に突入することになったのかを解説した本を読んだことがありますが、いずれも政治の観点から考察したものでした。確かにそれは事実だと思いますが、私の理解力に問題があるとは思いますが、ピンと来なかったのが印象です。
この本は、それを経済の観点から解説しています。第一次、第二次世界大戦ともに、ドイツや日本が米英の経済覇権に挑戦しようとした戦争であるという考え方です。この本では世界大戦の定義を、その勝者が次の世界の覇権を握ることになる戦争、としています。
それによると、現在はすでに第三次世界大戦が始まっていると見ることができるようです。以前に予言本で第三次世界大戦が21世紀直前頃から起きると書かれていたのを思い出しました。
特に、ドイツや日本が戦争に向かった原因として、当時の生活が不安定で、精神的に追い詰められていたから(p4)という内容は印象的でした。現代にも通用することのように思われました。
経済を通して現代史を見ると、私にはとても興味深く読むことができました。この本の著者の上念氏の本はこれで数冊になりますが、毎回読むたびに楽しませてくれます。今後も期待したいですね。
以下は気になったポイントです。
・第一次世界大戦の終結から昭和恐慌にいたる間に経済が低迷した本当の原因は、デフレである。人々は、株価大暴落から始まる世界恐慌の原因がインフレと思っているが、世界恐慌も昭和恐慌もすべてデフレを原因とする、長期的な経済の低迷である(p18)
・人口が減少、外国から安い製品が入ってきたからデフレになるのではない、お金不足で発生する貨幣現象である(p19)
・植民地獲得の目的は、1)増加する本国人のはけ口、2)原料供給地、3)過剰生産品を売りさばく市場(p24)
・オランダ、スペイン、ポルトガルは植民地に投資せずに搾取してきたので、結果的に植民地経営に失敗して植民地は独立したケースもあるが、本国からの投資と技術移転でその地域の文化・文明を高めたケースもある(p27)
・戦争がプラスになるケース、1)その国が不況である、2)戦場は本国から遠い、3)失業率が高く兵員の動員可能、4)経済がデフレ気味(p32)
・欧米のほうが技術力が上だったにも拘わらず、日本の輸出産業が延びたのは技術優位のおかげ(p53)
・イギリスと交易する国にとっては、イギリスの制度である金本位制度を模倣すれば貿易決済業務を効率化し、為替リスクが低減できた(p59)
・景気が良くて仕事が順調ならば見向きもされなかったであろう共産主義は、デフレのおかげでイギリスのみならず欧州の労働者の期待をひきつけた(p68)
・戦争の反動で景気が悪くなったと言われるが、本当は、全世界的な金本位制の採用が発端で、金の産出量の低下がそのシステムの余裕を失わせた。(p96)
・イギリスがアメリカへの金流出を嫌って、利上げしたために、国内で金をあまり使わなくする=財政緊縮政策となった(p97)
・日露戦争の戦費調達は、国債発行によるもので外貨建て、実質的には金で返済するのと同じ意味(p98)
・ロシアは、オーストリアのセルビアへの宣戦布告を受けて動員を開始する。すると、フランスはドイツに攻撃されることになる。ドイツはフランスとロシアの挟み撃ちになるため(p109)
・ドイツは東部宣戦では連戦連勝して、ブレスト=リトフスク条約により、ドイツ・オーストリア・トルコ連合軍の勝利確定、それにより、フィンランド・バルト3国・ポーランド・ウクライナは独立した(p111)
・日露戦争の対外債務10億円は、アメリカからの物資調達の特需により28億円もの外貨を獲得して財政状態は好転した(p115)
・貿易収支1億円の赤字=資本収支が1億円の黒字ということ、これは国内需要がなく供給力が余っているので、黒字は資金ニーズのある海外に流れていることを意味する(p131)
・ドイツでゼネストが行われていたさなか、中央銀行は紙幣を印刷して、ゼネストに突入した労働者に日当を配り始めた。これがハイパーインフレのもと(p138)
・ハイパーインフレの起きる最低条件、1)生産設備の破壊、2)労働力不足、3)高額紙幣の大量発行(p139)
・関東大震災の被害は、当時GDPの4割、国家予算の5倍、東日本大震災の場合は、国家予算の17%、GDPの3.6%(p142)
・第一次世界大戦前の為替レートは、1ドル=約2円、金本位制を再離脱すると、1ドル2円から5円まで大幅下落した(p149、188)
・イギリスが金本位制を停止すると、自国通貨をポンドにリンクする国(オーストラリア、ニュウージーランド、南ア、インド)が現れた。ポンドを外貨準備としてロンドンの銀行に預け、貿易決済を行った。ポンド切り下げの恩恵を蒙れた(p196)
・226事件の後、二度とクーデター騒ぎを起こさないように、軍部大臣現役武官制が復活し、結果的に内閣を潰す力を得た(p210)
・もともと海軍が持っていた作戦プランは、フィリピンでアメリカ軍を殲滅して、大量の捕虜を奪還するためにやってくるアメリカ海軍と艦隊決戦をするというもの(p214)
・ドイツは1914年、日本は1945年、ソ連は1991年にアメリカに敗北した、今は支那が台頭しつつある(p217)
・イギリスがアメリカに屈服しなければならないと悟ったのは、1922年2月のワシントン会議における「四カ国条約」、このときにに日英同盟も終結(p218)
・大東亜戦争の被害総額は、約1340億円、当時の国富(国民の正味資産)の41.5%(p222)
・軍人:360、軍需関係従事者:160、支那大陸からの引揚者:650万人の合計1000万人以上の失業者が発生した。戦死者185、負傷行方不明者67、離散者875万人であった(p222)
・1946.2.16に預金封鎖発表、翌日に実施、旧円紙幣は3.2に廃止(p226)
・1947年発表の価格統制により、工業総平均賃金は戦前平均(1934-36)の、27.8倍の1800円、基礎物資価格は60倍程度となった(p230)
・1949年にGHQは1ドル=360円とし、1950.4.25から実施、当初日本側が想定していた300円よりもかなり円安であった(p236)
・1950年7.6には、225種の単純平均株価は62.3円となり最安値となったが、1952年には180円となった(p242)
2015年4月3日作成
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愚かな決断、判断の誤りは気の迷いから生じ、気の迷いは経済的困窮に誘発される。経済をひとつの手段として相手国をコントロールする戦略を知り、同じ道を歩まないようにしよう。
兵器から経済へ。情報操作へ。戦いの質が変わってきているのだから、戦争ダメ、の次段階を考えないといけない時代なのかも。
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金本位制度にこだわり経済が悪化。議会の機能不全、テロの恐怖。閉塞感の中、国民が極論を選択。極論を煽るマスコミや新体制運動、軍部統制派はコミンテルンのスパイ。経済状況が悪くなければ極論には走らなかったはず。
以下、引用。
●経済の回復の遅れに業を煮やした人々は、既存の政治に対する絶望を何かやってくれそうな人々への期待で埋め合わせようとします。
●歴史に”IF”が許されるなら、「戦争が終わってからも金本位制に復帰せず、廃止してしまえばよかった」のです。ところが、戦争が終結して平和が訪れると、「古き良き時代」の復活を望む声が市場のあちこちから挙がってきました。
●何度も繰り返しますが、「金本位制=デフレ・レジーム」です。決して無傷では復帰できません。アメリカのように大量の金が流入する国は余裕がありますが、その他の国は金の流出に苦しんでいるわけです。金が流出しないようにするには緊縮財政や金融引き締めが必要であり、その結果として不況を甘受せざるを得なくなります。
●また当時のエリートのなかに、明らかに外国(ソ連、支那共産党)の意図を汲んで、日本を破滅的な戦争に誘導するように動いていた人たちがいました。(略)そして最も大きな原因は、これまで説明してきたとおり、第一次世界大戦の後しつこく続いていた”不況”です。経済的な困窮は人々の精神を蝕みます。普通の精神状態なら見向きもされない危険な思想も、不安を抱えた人々からは究極の救済策として積極的に受け入れられてしまうのです。(略)経済的な困窮による人々の精神の乱れと、その乱れに乗じて販売部数を伸ばそうとする商業マスコミが、相互に煽り合って国全体がアブナイ考えに染まっていきました。
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義務教育だけでは理解できなかった歴史を学ぶことができた。
できごとは知っていても、なぜそれが起きたのか。
どんな因果関係があったのか。
経済の観点から見ると世界は繋がっており、繋がっているから政治の判断が影響される。
良書です。
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▼第2次世界大戦に到った経緯を金融経済の視点からザックリ考察していった良書です。経済知識のない人でも理解は難しくないと思います。
▼ザックリ言うと、人間は余裕がある時は過激に思想には簡単にはなびかない。貧すれば鈍す。社会も同じく景気が悪くなると単純化した過激派の勢力が大きくなる。
▼大戦前アジア・ヨーロッパのお金がアメリカに集中する仕組みになっていた。アメリカに集中し過ぎてアジア・ヨーロッパが不景気になった。
▼不景気により日本では共産党、ヨーロッパではナチスとコミンテルンが勢力を伸ばした。不景気
を打破する為に破壊的創造などの過激なスローガンが持て囃された。
▼地政学的に大国は大国である限り必ず他の大国と衝突する。環太平洋の地域大国の日米露中はぶつかる素地があった。
▼経済失政が続く日本では国民は現状打破を求め、アメリカ陰謀論をがなりたて戦争を賛美する新聞に熱狂する。そして後戻り出来なくなった。
▼さらっと読めてなんとなく分かって賢くなった気分になれます。
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金本位制がデフレの元凶であったことがよく分かった。
保有している金以上に貨幣を刷れない縛りが
おカネ不足を引き起こしデフレになると。
デフレが失業に繋がり
失業が 貧困へ、
貧困が危険思想へ、
危険思想が 破滅する選択へ
2度とこのような誤った判断によって滅ばぬように
するための提言が本書の本質
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いつの時代でも、重要な価値観、衣食たって礼節を知る。
国民経済をしっかり維持発展させることが、無謀な戦争に巻き込まれないようにするための為政者の鉄則だ。
金本位制、基本的に金の保有量でもって、通貨の量を調整する、そんなことでもって、無限な人間の欲得から発する経済活動をコントロールできるわけがない。
デフレを生じさせ、国民生活の困窮、経済の不安定化、そのことが、危険な思想でもって、国の政策を誤らせてしまう。
なんで、あの時代の人々は、そんな危険思想に毒されてしまったのだろう?
衣食たって礼節を知る状態の人々からしたら、アンビリーバブルなことが起こってしまったのだ。
この本は、いままで、習った所謂「通説」が如何に、スーパフィッシャルな見方であったのかを教えてくれている。
社会科学という捉え方も基本的には気に入らないが、せめて、人間が起こしてしまう社会現象を色んなジャンルから捕捉してほしいものである。
所謂「通説」おたくの本は、一種のプロパガンダとして、読むのがよろしいようで(笑)。
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どうして学校教育では金輸出だとか解禁だとか言葉を教えるだけでその意味を教えないのだろうか。片岡直温の失言はなにを意味していたのか、そのときの台湾銀行、鈴木商店との関係は(これはこの本に特段と書かれてないけどさ)。そういうところを明らかにしないで、ただ言葉だけ覚えさせる日本の歴史教育。大丈夫かー!と思った。
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通勤時に聞いている、文化放送の朝帯び番組、月曜のコメンテーター。
大東亜戦争は日本のデフレが原因・・なんとなくは理解できたけど、やっぱ経済学って難しいな。近現代史の年表と照らし合わせつつ、通読。
このかた、中国はあくまでも「支那」っておっしゃるのね・・・