決して「他人事」ではありません!
2015/08/29 21:30
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投稿者:うおざ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネットとのつきあい方は、現代に生きる以上、避けて通れない問題だ。
特に、不登校気味になっている子は、
人とのつきあいを避けて、ネットに潜り込み、
生活が昼夜逆転になってしまい、
ますます学校に行けなくなってしまう、と感じる。
「なにがなんでも朝はちゃんと起きて、学校に行かなくては!
不登校になりはじめの頃に、甘やかしたら長引きますよ!」
なんてのは、正直あまり信用できない。
「それは子どもによる」と思うからだ。
すっかり引きこもってしまう子もいると思う。
「さなぎ」の時間が必要な子は、その時間をしっかり確保してあげたい。
一方、なんとなくズルズル休んでしまうことが、
その子のためにならない場合もあると思う。
そのあたりの見極めが、難しいんだけどね。
押したり引いたり、なだめたりきびしく言ったり、
それこそ、相対するオトナの方も、毎回全身全霊真剣勝負だ。
さて、今回ご紹介する本は、
不登校の子だけでく、
幼児から高校生までの「全ての子ども」に関わる大人に
ぜひ読んで欲しい本です。
「インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで」岡田尊司著 文春新書 2014年
本の冒頭
「インターネット依存の若者の脳では、麻薬中毒患者の脳に起きているのと同じことが起きている」
という中国の大学研究報告が紹介される。(P3)
アメリカで行われた猿の集団での研究も興味深い。
「サルに起きた状況は、
人に起きているインターネット・ゲーム依存の状況と皮肉なほど似ている。
イジメを受けたり、学業で躓いたり、社会生活に困難を抱えた人たちほど、
インターネット・ゲームに依存しやすく、
依存することによって、さらに不適応を強めてしまう」。(P184)
一方、著者は「家族関係が大事」と繰り返している。
「インターネット依存、インターネット・ゲーム依存を防ぐうえで重要なのは、
親子の関係や、それと直結する愛着の安定性である。
親子関係が不安定で、愛着も不安定な場合には、
家庭内の居場所や家族からのサポートが乏しくなるだけでなく、
家庭外での対人関係にも問題を抱えやすく、
インターネットやゲームの世界にしか逃げ場を見いだせなくなってしまう。」(P210)
恐い事例が書かれていますが、
どうすればいいのか、も書かれています。
決して「他人事」ではない、と気付かされます。
ぜひ読んでください!
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
壊れた脳はもう回復しないのでしょうか。昔も今もこういった依存症はありますが、脳の問題なのだとしたら怖い。
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【脳を破壊する現代の阿片】覚せい剤並の強い依存性を持つデジタル機器。ゲーム・ネット中毒が脳の神経構造すら変化させる事実を、最新の研究データで報告する。
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ネットゲームは大好きで、かなりの数やってきたので、気になって入手。
ネットゲームで脳の働きが低下するなんて、、逆かと思っていた。
恐ろしい実例が幾つも紹介されており、下手すれば私も、、と思うと、ぞっとした。
ネットゲームからは適度な距離を取らねば、、と考えさせられた。
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「インターネット(ゲーム)依存は覚せい剤,麻薬依存に等しい」。これほど深刻な問題とは,この本を読むまで理解していなかった。電車内でスマホを見続けている人を大丈夫かな,と思う程度には「依存」というものを理解していたつもりだが,「病」の可能性をも含んでみていく必要がある。
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覚醒剤と同じほどの依存性、脳の破壊
小さな子どもにも与えてしまう親
恐ろしい
子どもを守るのは、やっぱり親なんだ
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日本神経科学学会の津本忠治会長から、「非科学的な俗説」と批判を受けた『脳内汚染』を執筆した著者の最新作。これまでもネット・ゲームについて非科学的な警笛を鳴らしているが、今回もその延長線上の議論を展開している。したがって本書は全くお勧めできない。以下では本書をおすすめしない理由と、インターネット・ゲーム依存に対する私の考えを書いていく。
お勧めしない理由は先に書いたとおり、著者が信頼できないためである。著者は非科学的な言説をするというお墨付きを貰っているにもかかわらず読むだけ損である。また本書でも同様の議論を展開している。加えて著者は精神科医であって脳科学者ではない。過去の研究事例を紹介しているに過ぎないが、数少ない論文で「脳が壊される」と語るのは度が過ぎる。またブルーライトについても科学的に証明されていない。再現性がなければ著者の主張は裏付けできず、仮に間違っていたとしても専門家ではないためいくらでも言い逃れができる。そんな著者を信頼して読んで欲しいとは言えない。
だが著者の脳科学の見地からの主張とブルーライトについての主張以外は否定することも肯定することもできない。ネット・ゲーム依存については日本でも最近10年で多くの研究が行われているが、研究によって結果はまちまちである。ちなみに近年、急速に普及しているスマートフォンについての研究はほとんどなく、多くはパソコン、フューチャーフォン、ネット機能を持たないゲーム機についての研究である。
なお本書でDSM-5で「インターネットゲーム障害」がされたと紹介されているが(p.60)、位置付けはカフェイン使用障害と同じく、Conditions for Further Study(今後の研究のための病態)である。加えて、本書で紹介されているインターネットゲーム障害の診断尺度「DSM-5」の元は、DSM-5の1つ前の診断基準であるDSM-4の病的ギャンブル依存の基準を元にしたキンバリー・ヤングの指標で、この指標はネットが普及する1994年にアメリカの精神科医イワン・ゴールドバーグが「パロディー」として提示したものを学術的議論に持ち上げたに過ぎない。要はコピペである。
以上を踏まえたうえで、私の意見を述べていく。インターネット・ゲーム依存については先に述べた通り未だ研究段階であり、この問題に良し悪しをつけるのは早計である。重要なのは極端な議論に惑わされないことと、子どもに目を配ることだと考える。情報化社会は今後ますます進むことは確実で、ネットやゲームを避けて暮らすことはできない。インターネットの教育効果については肯定的な報告が多くされており、現在国を挙げてICT教育を推進していることからもわかる通り、情報活用力とともに子どものうちからネットやゲームの正しい使い方を教えることが不可欠である。教師・保護者がネットやゲーム使用を管理すると同時に正しい使い方を教えること、普段から子どもへ気を配ることで、ネット依存を未然に防ぐことにつながるだろう。
なおこの問題を考える上で「因果関係」と「損得勘定」を視野に入れることも必要である。本書でも因果関係を無視した言説が含まれているが、そもそもネット依存傾向に陥る人には元来の人間関係や精神的健康の悪さもひとつの要因となりうることが指摘されている。ネット・ゲーム依存によって引き起こされる健康被害は本当に過剰使用によるものなのか、他の要因はないかなどを考えていく必要がある。またどんなものにもメリット・デメリットは当然ある。その両者をきちんと比較し、考えていく必要がある。
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ネットゲームやスマホへの依存症について書かれた本です。著者は精神科医でゲーム依存の子どもの治療を行っている方。2歳の子どもがiPadを使いこなしているのを見て、このままでよいのか迷ってこの本を読みました。
ゲームでは現実世界よりも少ない努力で楽しさや達成感を得ることができる。さらに家族の不仲など現実世界の問題が重なると、ゲームで得られる楽しさに依存してしまう。「デジタル・ヘロイン」「現代の阿片」という表現が直感的でした。
ゲームなどに依存する原因は現実世界の問題であるため、ゲームやスマホを取り上げればよいというものではないということが強調されていました。まずは親がスマホをいじる時間を減らし、子どもと関わる時間を増やすことが大切だと思いました。
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青少年の健全な成長を阻害し、膨大な時間を無駄にする。国内推定患者数五百万人の脳を蝕む現代の阿片。現実への不適合がきっかけ。日本の対策は遅れている。
インターネットMMORPGがヤバイ。依存症になる確率と危険性を、周知されるようにならないと。
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興奮や快感としてのドーパミン量はネトゲでは覚醒剤と同等の量が出る
そして「ダウンレギュレーション」という同じ量とっても抑制される力働いて結果同じものでは満足しなくなる
覚醒剤とかは量増やすしそれを同じでネトゲでもどんどん刺激を求めてしまう
それでネトゲ廃人のできあがり
「デジタル・ヘロイン」といわれ、薬や酒たばこよりも安易に入手できる反面その恐ろしさを認知できずに誰でも簡単に取り扱えるものだからこそ読んで欲しい本です
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ゲームを社会的悪に仕立て上げてることは昔から行われていて、辟易している人も多いと思う。これはその最新版。
あいまいな点は多いが、例の「ゲーム脳」よりは数段マシ。一応ちゃんとした研究を引用している(数は少ないが…)。また社会的欲求不満がネトゲにのめり込む原因になるってのも一理ある。
ただ、ネトゲ=麻薬は言い過ぎ。結局は、自己管理できないやつはゲームなんかするな、やめられないならカウンセリングへ、でいいと思う。
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今、電車のなかを見渡すと、
一心不乱にスマートフォンを操作する
人々が沢山います。
私の友人でも、スマートフォンの
アプリに夢中な人が沢山います。
そして、私はその光景に何か
違和感を感じていました。
この本を読んで、その違和感の正体が
少しわかった気がします。それは
底無し沼のようにはまっていき、
人の心やからだが、徐々に
変容を来してしまうこと…
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とてもためになる本。子供にゲームを与えてしまうことで依存症を引き起こし、社会生活を営めなくなることへの警鐘を鳴らしている。社会全体でゲームの危険性を認識し、排除していく取り組みが大切だと感じた。依存症になってしまった子への対処法も書かれてはいるが、専門知識に乏しくトレーニングを受けたわけではない普通の親だけで対処するには、段階に応じたさらなる具体的な説明がほしい。また、子どもに無関心になりがちな父親をどうやって子どもの安全基地にすればよいのか。そもそも、父親の家庭での役割がしっかりしていれば、子どもは依存症にならないのではないか。親である人・親になる人にはぜひ読んでほしい。
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思ったよりシビアな内容だった。
ちょっとトンデモ系かとうがってたので。<失礼
ゲーム脳ってのはよく知らないんだけど、結局あたってたってことなんかね?
ちょっと前に読んだ本ではゲームは脳をリラックス状態にさせる、みたいなこと書いてあって、割と有益よりな書き方してたけど、それって結局麻薬に近い効果をもたらしてるってことなんだなーと納得。
最近は気になるところは引用してメモとして残そうとしてるんだけど、気になるところがありすぎて写真撮りまくってた(気になったらぱっと写メってるので)。
世の中(特に日本においては)で危険認定されてからでは遅い、というのはほんとだなーと思う。
タバコと一緒って書いてあって、すごい納得する。
中国、韓国がその道の先駆者で、依存に対する対策も国家あげてやってるのでゲーム市場が頭打ちになり、次のターゲットを日本にロックオン、みたいなを読んで寒気がした。
ほぼほぼインフラになっているLINEも韓国企業だよねー。
結局、ゲームやギャンブルや覚せい剤が悪いんじゃなくて(まあ覚せい剤は犯罪になってますが)、そこに至る過程を注意してみときなさいよ、ということだった。
それにしてもオンラインのRPGってそんなにおもしろいのかね?
一人でやるならともかく、ほかのユーザーとコミュニケーションとりながらってすごくめんどくさいと思うんだけど・・・と思うのは真のコミュ障なんでしょうか。
現実世界のめんどくささをなんでゲームでも・・・って思うんだけど、依存度半端ないってくらいだから、面白い人には面白いんだろうなー。
子もゲーム大好きなので、警戒マックスでいろいろ挑みたいと思います。
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事例を用いての説明は岡田尊司らしく読み易いが、本作に限っては、依存症の悪質さを何度も言葉を変えてループして言い表しているだけで、知的刺激に富んだ内容とは言い難い。同じような重複でページ数が嵩んでいる事もあり、読んでいて飛ばし読みしたくなる。
世に、中毒性のある娯楽は多い。サイト巡回をしなければ落ち着かなかったり、デイリーのログインで与えられるアイテムが習慣化している人は身近にもいる。仕事中の隙間時間に、スマホで点数稼ぎ。いったい、何に取り憑かれているのか。承認欲求、あるいは、もっと本能に近い欲求の飽くなき探索。一方で生き甲斐を得難い悩みもある。何が正しいのだろうか。健康的か否かで判断すれば、仕事に取り憑かれているのは良くて、ゲームは駄目。この尺度は、生産的か否か、に拠る。
しかし、生き甲斐など、必ずしも生産的とは限らない。夢中になるものが全くないのが良いか、依存症になるのが良いか。当然、バランスが重要。しかし、本著を読めば、この二つが対立項目ではなく、連関性がある事に気付く。夢中になるものが無いから、それを徹底的に求めたゲームという娯楽にハマるのだ。
失敗しても挑戦、努力すれば成長している。そうした現実世界の充足感を見出す事が解決策なのだろう。