- 販売開始日: 2016/04/26
- 出版社: マガジンハウス
- ISBN:978-4-8387-1929-7
背面ストライプの浦島太郎 ~日本昔話 Remix2~
昔話→英訳→日本語訳で生まれる新しい昔話。日本昔話をパソコンの翻訳ソフトで英訳、それをもう一度日本語に訳したら、どんな新しい昔話が生まれるのか? そんな挑戦をしてみました...
背面ストライプの浦島太郎 ~日本昔話 Remix2~
商品説明
昔話→英訳→日本語訳
で生まれる新しい昔話。
日本昔話をパソコンの翻訳ソフトで英訳、それをもう一度日本語に訳したら、どんな新しい昔話が生まれるのか? そんな挑戦をしてみました。
「昔々、丹後の国でのお話です」で始まる「浦島太郎」は、英訳、日本語訳を経ると「ワンス・アポン・ア・タイム、それはタンゴの国家物語」に。もはや昔話なのか未来話なのか…。
他にも「鶴の恩返し(=感謝するクレーン)」、「花咲かじいさん(=お花見パパ)」を収録。
この本はロングセラーになった「匂いをかがれるかぐや姫」の第二弾。気に入っていただけたら、前作も合わせて読んでくださいね。
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知っている人は知っていたらしい、この不可思議なものがたり。
2009/10/27 14:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、発売当初話題になった第一作『匂いをかがれるかぐや姫』が第1弾、2006年11月。そっちの醍醐味は上原子 正利さんの書評に詳しいです。
そしてそれが第11回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門奨励賞
受賞作品になった後の、パート2が今回の作品という訳なのです。
書かれているのは原 倫太郎さんと原 游さんのお二人。
ホームページへお邪魔してみたのですが
本とか翻訳というより、むしろ現代芸術!アーティスティックな印象の
作品群が並んでいます。
だからなのでしょうか、パフォーマンスという意味で、ものすごく
画期的で野心的、なおかつ作り込んで笑わせる、という点で
弾けた魅力が満載です。
昔話としては、あまりにも人口に膾炙している、浦島太郎と
鶴の恩返し、花咲かじいさんの3本が選ばれています。
ポイントは「訳:翻訳ソフト」という点ですね。
それも15種類を組み合わせて自動翻訳したものが、従来通りの昔話の
ページに見開き1ページごとに挟み込まれていくのです。
もとの昔話のフレーズ→自動翻訳(英語)→自動翻訳(日本語)
この3部構成でテキストが出来上がっています。
そして、その変遷というか変転っぷりの可笑しさは
意味不明なまま笑いの淵というか滝壷に引き摺りこまれていくようです。
うらしま太郎は「裏の縞」と理解した機械翻訳くんは
「Reverse side striped Taro」と英訳、それが再操作の和訳で
「背面ストライプのタロイモ」と大変貌を遂げてしまいます。
ひたすらナンセンスな英訳と、そしてその再和訳。
一見、単純なようでいて、そこの「Remix」の剛腕ぶりと
文章に寄り添った2種の絵の眩惑ぶりに酔ってしまうのです。
そして私たちが昔話の日本語を、その分節や言い回しなどで
ごく当たり前に脳内で句切り、耳で、目で句切り読んでいたことが
機械翻訳という「ロボ」が這入りこむことで、解体・再構築される
ようすに笑いが止まりませんでした。
一見、「ナニそれ?」で終わりそうな悪ふざけに見えますが
見事にやられてしまいました。