紙の本
ラストに分かるタイトルの意味
2023/05/21 21:12
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの意味は最終ページでようやく分かる。が、何故このようなタイトルなのかが分かる訳ではない。静かに降る雪。トンネルのように真っ暗な山道を下りる。深夜を回ってしまった事実と、自分の人生がピークを過ぎてしまった実感とを重ね合わせているのだろうか。それともそれはわずかなこと、と言うことか。今の印象では行く先で待っているのは明るい未来などではない気がする。ラストの行為も、決して友情の結果でもなく、自分と違った道を歩んで欲しい、それに手を貸すことで自分の手の汚れを少しでも落としたい、そんな贖罪の行為に思えた。
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地名を知らないと
2022/08/16 12:46
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後のカラクリもいまひとつよく分からなかった。少し長く感じた。
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ハードボイルドなバディもの
2018/09/30 17:52
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦でレジスタンスとして活動していたルイス・ケインは戦争から久しく経っているにも関わらず、戦時に培った技能を生かして危険な仕事をしていた。自由のために戦った男たちが、戦後も戦争に縛られ続け、命のやりとりからいまだに抜け出せないでいる。変わるチャンスならいくらでもあるが、彼らはそれを手にしない。なぜなら、彼らは英雄のままでいたいから。
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冒頭の1ページからラスト1行まで痺れる小説など滅多にあるものではない。冒険小説の名作として散々語り継がれてきた「深夜プラス1」だが、読者が年齢を重ねる程に味わい方も深くなる大人のためのエンターテイメント小説であり、陶酔感でいえば当代随一であろう。優れた作家のみが成し得る唯一無二の世界へとどっぷりと嵌り、惜しくも最終ページへと辿り着いたあとは、軽い恍惚感と心地良い余韻にしばし浸る。他の作品では今ひとつ精彩が無いギャビン・ライアルが遺した奇跡のような「深夜プラス1」。発表は1965年。新訳を機に再読する。
第二次大戦終結から二十年後。元レジスタンスの闘士ルイス・ケインは、無実の罪で警察に追われる実業家をフランスからリヒテンシュタインまで護送する依頼を引き受ける。護衛役となる相棒には、元シークレットサービスで欧州3位の腕を持つガンマン/ハーヴィー・ラヴェル。大西洋岸のブルターニュに到着した実業家と秘書を乗せ、目的地に向けてシトロエンDSは闇の中を疾走する。その先に待ち受けるのは、正体不明の人物に雇われた殺し屋たちの罠。予測不能の強襲に対し、ケインらは培った経験と技術で応酬する。
物語の構成は極めてシンプルで、黒幕となる人物も意外性としては低い。だが、複雑なプロットを排した故に、展開するストーリーの密度が濃くなっている。一瞬の判断で危険を察知/回避し、敵を如何に欺いて翻弄するか。プロの仕事に徹するケインとラヴェルの伎倆が燻し銀の輝きを放つ。
成熟しながらも過去への感傷を捨てきれない男のロマンティシズムが横溢し、独自の世界観を創り出す。主人公や脇役、端役に至るまで、その場/その状況に応じてぴたりとはまる言動をとるのだが、これが実にクールでスタイリッシュなのである。登場人物の信条やレトリック、銃器や自動車へのこだわりなど、本筋よりも細部を味わうことに喜びを見出す〝欲深い〟冒険小説ファンにとっては、読めば読むほど味が出るに違いない。殺し屋を「ガンマン」と呼称するところなど、懐古的でありながらも、舞台をヨーロッパに移した「ウエスタン」としても捉えることでき、新鮮な印象を残す。
キャラクターとして人気の高いラヴェルだが、ドライなケインに比してウエットな性格であり、中途からは殆ど役に立たない。硬い殻の中に弱さ/ナイーブな一面を持つラヴェルは、或る種の女々しさも併せ持つハードボイルドの世界を象徴する人物ともいえる。ハードに生きる男の理想像を描きつつ、ラヴェルのような鬱屈した人物を配置したライアルの巧さが光る。再び暴力の世界へと戻り、己を律することで仕事を成し遂げたケインの自信と誇り。ラストシーンにおいて、対極的に収束する二人のアイデンティティー。その対峙は一層際立っている。
名前から女性によく間違えられるらしいが、翻訳家・鈴木恵は男性である。翻訳の良し悪しを評価できる素養を私は持たないが、硬質ながらも単調な言い回しが気になる菊池光に比べ、よりしなやかでスマートな文章に仕上がっており、一人称であるからこその魅力を伝えている。
ソフィスティケートの極みともいうべき「深夜プラス1」。終幕をそのままに表���たものだが、名作に相応しいタイトルを付けたライアルは、この時まさに神懸かっていたのだろう。
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名作冒険小説の新訳版!
この会話、サイコーにかっこいい!
初めて読んだのは中学生だったかな、大人になるとより楽しめる気がする。
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20年くらい前に旧訳を読んで以来の再読。前回はやたら面白かった記憶であったが、今回はふつうに面白いといった印象であった。第二次世界大戦の少し後という時代設定は理解するも、やはり現代のエンターテイメント作品と比べると話の筋がやや古く感じるのは否めない。それでも各登場人物の個性が際立っていて、この作品が名作であることに異論はない。
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20年ぶりの再読。キャラクター造形からストーリー展開、描かれる葛藤と矜持まで完璧な作品だ。
いつでも男は龍を追い求める。
それがひょっとしたら最後の龍である事を決して認めようとせず、戦いを挑んでしまうものなのだ。
ロヴェルとミス・ジャーマンが、最後の龍に巡り合わずに戦いを終わらせる事を主人公と共に臨んで止まない。
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再読。まごうかた無き傑作。
表紙デザインの着眼がいい。モーゼル拳銃がこの小説のシンボルと言えるから。
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「深夜プラス1」(ギャビン・ライアル : 鈴木 恵 訳)を読んだ。
新訳ですね。旧訳(菊池光)で読んだのはもう何十年も前だ。新訳はさらっと読みやすくなってる気がする。
『だが、キャントンでいるということは数えられない。』(本文より)
そうなんだよな。
そういうことなんだよな。
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旧作でも名作であれば面白い。
設定としては第二次世界大戦の二十年後。主人公は大戦時もレジスタンスとして活躍した運び屋。相棒はアル中のガンマン。運ぶのはフランス人の富豪と美人秘書。
設定としてはベタだし黒幕も予想通り。それでも次々と刺客が襲ってくるスピーディな展開と色々なツテを活かして目的地へと向かうサスペンスのような展開が読ませる。
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15年ぶりに再会した元恋人ジネットに逆プロポーズ的なことを言われたルイスのモノローグ
『いきなりそんな。』
一貫してハードボイルド調の一人称翻訳文で急にテンションがおかしくなるキャントン萌え。
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ハードボイルド。男が請け負った仕事は金持ちの投資家を1人、国境越えて逃すこと。ところがもう1人スナイパーが現れてボディーガードをすると言い出し、逃す方も秘書の女を連れてきて一緒に逃げると言うし、なかなかの面倒に発展する。終始、シリアス。
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「顧客がブルターニュからリヒテンシュタインに行きたがっているんだが。それを望まない連中がいる。ドンパチもありうる。連れていってやってくれないか?」SOEの元工作員ルイス・ケイン(キャントン)が、パリの弁護士アンリ・メルランから依頼を受けるところから物語は始まる。アル中(dips)のボディガードのハーヴィー・ラヴェルとのコンビで富豪の顧客マガンハルトを守りリヒテンシュタインへのドライブ中、行く手を阻もうとする敵が幾重にも待ち構える。二人はそれぞれに過去の心の傷を抱えているが、プロフェッショナルとして命懸けで使命感を果たそうとする。ドライユーモアを含むテンポのいい会話や、名車、銃などのスペックも楽しめ、映画を見ているような一冊でした。
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ところどころで、ちょっと何言ってるか分からない部分があったけどテンポがよかった。
そんな物語でした。
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冒険小説にして第一級のハードボイルド作品。第一人称でストーリーを進める。
感情に流されない。スイスイと読み進められる。アル中のガンマンと元諜報部員のコンビで要人護衛の物語が始まる。
終末の大団円は無いが大傑作だ。