紙の本
検証不能な楽観的将来予測
2018/05/01 07:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「シンギュラリティ(技術的特異点)」を世界中に広めたカーツワイルの代表作。
これまでの、人間の発明品の考察から、技術の進歩は従来考えられていたような単線的進歩ではなく、指数関数的な進歩であると主張し、将来登場するであろう技術についての仮説を(正直「妄想」に近い)提示する。
様々なアイデアが本書で簡潔にわかりやすく披露されており、アイデアの中には現時点でも研究が進んでいる新しい分野を予測したものもあり、一部預言的な書籍ともいえる。
しかし、残念ながら、著者の思うようには技術はまだ発展していない。そのため、少し本書は楽観的すぎるという印象がぬぐえない。
読み物としては楽しめるが、厳密に考えると解釈に個人差が出る書籍でもある。
話題性があり、将来予測を行っている書籍ですので、ビジネスに関わる方には、一応参考程度に読むのはありかなと思います。
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単なるコンピュータ脅威論かと思っていたら、違ったみたいだ。説得力があり、ホモ・デウスを読んだ後のせいか、なかなか面白い。
2005 The Singularity is Near. When Humans transcends Biology ?
の要約本
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予言ではなく予測である。
過去に確立されたことをふりかえり、
現在の状態を整理し、
未来にできるようになることを予想する。
今できないことはたくさんある。
ただ課題を突破するために、見えていることもたくさんある。
一つ一つの障害を取り除く速度は上がり、
昨日難しかったことも、明日には難易度が下がっている。
その先にあるのは、予測された未来なのかもしれない。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○ナノボットを生物の脳の構造に結びつけるにあたって大きな技術的課題となるのが、血液・脳関門(BBB)だ。十九世紀の終わりごろ、動物の血流に青い染料を注入すると、すべての器官が青に染まるが、脊髄と脳だけはそうならないことを科学者が発見した。(P.137)
○ロバート・フレイタスが、ナノボットが脳神経系の感覚信号を監視するためのいくつかの技術を記している。これは、脳への入力信号のリバースエンジニアリングと、神経系の内部から完全没入型のヴァーチャルリアリティ(VR)を生みだすことのいずれにとっても、重要なものになる(P.140)
○経済学者のジョージ・ギルダーは、わたしが描く科学的・哲学的未来像は「伝統的な宗教的信仰に対する信頼を失った者にとって、その代わりになる予言である」と述べた。(P.220)
○テクノロジーの流れを理解したいと思った動機はもっと実際的なものだった。すなわち、自分の発明が可能となる時期を計りたかったからだし、また、テクノロジー系企業を始めるにあたって最善の戦略を定めたかったからだ。(P.221)
○シンギュラリタリアンたらんとすることは、信仰の問題ではなく理解の問題なのである。(P.221)
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p.224
私の考えでは、生命の目的-そしてわれわれの人生の目的は-は、より偉大な知識を創造して評価し、そして、よりすばらしい「秩序」に近づくことである。第2章で述べたように、秩序が増加していくと通常は複雑さも増していく。だがときには、深い洞察により、複雑さを減少させつつ秩序を増加させることも可能となる。
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シンギュラリティとは、人工知能が自分自身を改善していき技術や知能が文明の進歩の主役になる(技術的特異点)こと。文献研究目的でなければWikipedeaの記事を読んだ方が面白いです。こういうことを考えることは未来を見通すのに役に立つが、知らなくても特に問題ないようなことだなと思った。
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【由来】
・
【期待したもの】
・
※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
・
【ノート】
・お師さんからお借りした。
【目次】
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著者の言う「シンギュラリティの到来は2045年」と言われる部分があらゆるシンギュラリティ肯定派に引用され、世の中に広まったという点で良くも悪くも影響力のある著作だと思う。
ただ、この著作を実際に読んでいればそれを信じる人はもっと少なくなるだろう。一読すればこの本が真面目な科学本というよりはトンデモ未来予想本だとわかるはず。
(技術の進歩は直線的ではなく指数関数的であり、人間の予想を超えるものだ!というのを楯にして、何言ってもいいと思ってる感)
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18
人はたいてい、今の進歩率がそのまま未来まで続くと直感的に思い込む。
(直感的線形的展望)
35
機械が、人間のもつ設計技術能力を獲得すれば、速度や容量は人間のそれをはるかに超え、機械自身の設計(ソースコード)にアクセスし、自信を操作する能力も持つことになる。
107
こうした理由から、シンギュラリティは、2045年に到来するとわたしは考えている。
127
ニューロンの計算速度が極端に遅いが(通常、毎秒200回の処理)、もう全体としては朝並列処理を行うつまり、脳のニューロンのほとんどは同時に働き、最大100兆回の計算が一斉に処理されるのだ。
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レイ・カーツワイルの見立て通りに進むとは思えない(技術的な問題というより我々人間が倫理的に追いつけないだろうという点で)が、示唆に富む未来予測だと思う。
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未来の進展は、指数関数的であり線形的ではない。過小評価している。
2020年代の終わりにはチューリングテストに合格する。
収穫逓増ではなく、収穫加速の法則。
半導体業界は年間40~50%のデフレである。しかし総収入は毎年17%上昇している。デフレでも使用量が増えればよい。
脳のリバースエンジニアリング能力は指数関数的に伸びている。
脳をスキャンして理解する、から脳をスキャンしてアップロードする。
人体2・0=新しい食事方法、消化システムの再設計、心臓を完全に取り除く=燃料電池によるナノボット。
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人工知能が人間の能力を超える事をシンギュラリティという。そこに到達した社会は、人間の生物としての限界を超越したものとなる。2020年代には、ナノロボットが人間の体の中を駆け巡り、栄養を補給し、問題を発見、改善し、医学的なあらゆる問題はなくなっていくと言う。そうなると心臓の存在の必要性までなくなってしまうのである。まるで、SFのような世界であるが、技術はすさまじいスピードで進歩しているという。
人間は肉体としてのハードウェアが滅びると、同時にソフトウェアである精神も滅びるものである。しかし、シンギュラリティの後は、精神がハードディスクに複製され、WEB上に生き続ける事が可能となる。肉体の終わりが、人間の終わりということにならないのである。そもそも、デジタル複製された自分は、本当に自分なのか。人間とは何なのか、という問いが根本から揺さぶられる怖い世界である。
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テクノロジーの進化と人間の受け入れ方との葛藤が面白い。
特に人体2.0,3.0は興味深い。
不動産もVRに取って代わるのか、面白い。
何よりこれが15年前に書かれている。
15年前にこれを読んでも理解できなかっただろうし、どれだけの人が理解できたのかしりたい。
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前半は少し退屈ですが、最後の「それでもまだ人間なのか?」は興味深い。
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・徐々に身体が置き換わった場合、古い私と新しい私が同時に存在することはない。
一体どの時点で、私の身体と脳は、別の誰かになってしまったのだろう、と。
・実は正常な生物学的プロセスの一環として、私の中身はつねに入れ替わっている。ところが、先の思考実験によれば、私のパターンが維持されていたとしても、その漸進的な置き換えは私の死を意味することになる。では、私はたえず、少し前の自分とそっくりの別人に置き換えられているのだろうか。
・いずれ人間は非生物的な存在に意識があることを認めるようになると、私は信じて疑わない。
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シンギュラリティを裏付ける6つの要因とその解説。単なるテクノロジーの進化だけでは語りつくせない、物理学などの多岐に渡る現代の進化論といった趣がある。
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熟読しようと思ったが、思った以上に難解だった。
表紙のイラストの感じは簡単そうだったのに。
言いたいことは、今後人間とコンピューターが分断された社会ではなくて、共存する社会になってくる。
もう後戻りできないレベルに人間社会がスピードアップするよ。ってことかと。
もともとは2005年に原作が出版され、それをエッセンシャルにギュギュっと詰めたもの。
AI人工知能が近年よく取り上げられる
➡それを予測していたカーツワイルの書に注目がおかれた
➡読みやすいように、エッセンシャル出版(今ここ)
今後、じゃあAI人工知能が発達すると、人間のシゴトやライフスタイルは変わると思う。
ただ、それによって、幸せの在り方って大きく変わるのかなー。
人工知能によって、今まで提供できなかった人の欲求を叶えられる・それって何なんだろう。。。
サラリーマンってAIによって仕事がなくなることばかりに気を取られがちだが、いち消費者として立場を変えてみたときに、どんな影響があるのだろうか。家族とどういう風に過ごすことになるのだろうか。
テクノロジーを理解し、未来を先回りして【消費者の動向の変化】を理解することが、今後の市場で先手を打つには必要になるかも。
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2005年に書かれた664ページの原書からの抜粋。と言っても254ページあります。
本書はシンギュラリティを定義した歴史的な本です。
まずびっくりしたのは13年前の著書でありながらコンピューターと人間の未来を予測している内容が少しも色あせておらずむしろ新鮮であること。
著書が2045年をシンギュラリティとした理由が当時のコンピューターパワーから論理的に導き出した説明が詳細に書かれている。
まず人間の脳の処理能力をいくつかの事例(例えば網膜から物を認識するために必要な処理速度から脳のサイズを掛け合わせる)から10の16乗CPSとした。ムーアの法則の考え方に基づいて著者がパソコンレベルでこの処理能力に匹敵するのは2020年とした。さらに記憶容量(10の18乗ビット)がパソコンレベルで手にはいるのが2030年。これだけならパソコンのパワーが人間の能力に追いついただけだが、さらに「知能」という要素を考えると2045年にはコンピューターが人間の能力を超えて根底から覆る。これを「シンギュラリティ」と呼んでいる。
そしてパソコンレベルではないにせよ、人間の脳をデバイスにアップロードできる時期は2030年と見ている。
ここに究極のBigdataとIoT、そして脳を模したニューラルネットコンピューティングとソフトウェアによって大変革が起きる。
これらによる人体を1.0->2.0->3.0と変化すると定義し、ナノボット(ナノサイズのロボット)で人体は大きく様変わり。人の寿命は著しく伸びる。3.0ではテクノロジーと人体は融合することができる。
そして著者は「人間とは何か?」という宗教的とも言える根源の質問を自分に問いかける。
シンギュラリティは一般的に「AIなどのテクノロジーが進化して人間を超える」と理解されがちだけど、著者が言いたいことはそうではなく「テクノロジーと人間が融合することでこれまでにない世界が実現する」ということだ。長生きをして世界の進化を見届けたい、とか、行ったことのない場所に瞬時に行ける体験、とか自己複製が可能になるとか…私には思いつかない驚くことがもっともっと起こるだろう。