潮鳴り
著者 葉室 麟
生きることが、それがしの覚悟でござる――。俊英と謳われた豊後・羽根藩(うねはん)の伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は、狷介さゆえに役目をしくじりお役御免、今や〈襤褸蔵〉(ぼろぞ...
潮鳴り
07/23まで通常770円
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商品説明
生きることが、それがしの覚悟でござる――。俊英と謳われた豊後・羽根藩(うねはん)の伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は、狷介さゆえに役目をしくじりお役御免、今や〈襤褸蔵〉(ぼろぞう)と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固める……。落ちた花を再び咲かすことはできるのか? 『蜩ノ記』(ひぐらしのき)の感動から二年。〈再起〉を描く、羽根藩シリーズ第2弾!
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より
書標(ほんのしるべ)さん
「落ちた花は二度と咲かぬ」
もう時は戻せない。今更足掻いたとて、失った者は二度と戻ってはこない。
生きることを諦めていたはずの男女が、落ちた花を再度咲かしてみせたいと願ったとき、そこには死ぬことよりも辛い道が待っていた―――。
そうまでして咲かせたかった花が、自分のための花ではなく、相手のための花だったというその境地に触れたとき、極限まで苦しみぬいた人がこうまでも他者を想うことができるのか、と衝撃を受けた。
『潮鳴り』は役目をしくじりお役御免となった櫂蔵の物語でありながら、好いた男に裏切られ身を売ったお芳の物語であり、兄を慕いながらひたすら真摯に生きた新五郎の物語であり、妻子を捨てた俳諧師の咲庵の物語であり、武家の誇りを守ろうとする染子の物語であり、そして自分が落ちた花だと感じている誰かに続いていく物語なのかもしれない。
ひとを愛する尊さを、改めて、思い知らされる作品である。
花をもう一度咲かせることがてきるか
2022/03/21 20:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pajama - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が様々な試練を経て周りの人々と成長、成熟していく姿は、久しぶりに充実した読後感を得られた。私には最後の展開が、いい意味でツボにはまりました。葉室麟さんの作品がますます好きになりました。
襤褸蔵
2018/12/03 20:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みか - この投稿者のレビュー一覧を見る
「襤褸蔵」と揶揄される櫂蔵の姿にも驚くが、弟の信念と櫂蔵が立ち上がり、再起していく様がすごい。何より義母の冷たい様子は読んでいて切なかったが、最後はいい風になってくれたことが安心した。
追い込まれる
2017/12/24 18:31
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
突然の訃報、驚いています。
ご冥福をお祈りします。
作品について……
主人公がこれでもかというほど追い詰められる。
個人の問題でなく藩として、よくそれでまだ藩の体を保っているなと、
ちょっと腐りすぎな感も否めないのだけれど、
それだけに立ち向かう、と決断したときの爽快感はすごい。
正直、クライマックスの盛り上がりはそこまでない。
けれど、今回も主人公は剣の達人ではあるのだけれど、
変に大立ち回りがないのはいい。
葉室作品では殺陣は、個人的に邪魔なことが多いと思っている。
タクタク読み
2016/05/23 15:01
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投稿者:たくちゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉室作品の典型的な男女の愛をうたった作品でした。挫折、苦汁も味わい、そして義弟の汚名をそそぐべき藩の財政に、自ら立ち向かい風穴を…。
男女の愛、人情、家族、生きることで思いは2度咲く…落ちた花でも2度咲く…情愛は続く
これが、本書の肝ですか。
○です、清々しいが、終末が急ぎる感ありです。